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葉酸の食事摂取基準値に関する科学的意見

Scientific Opinion on Dietary Reference Values for folate
EFSA Journal 2014;12(11):3893 [59 pp.]. 20 November 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3893.htm
欧州委員会からの要請により、食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)は葉酸の食事摂取基準値(DRVs)を導出した。パネルは、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR) 677TT遺伝子型のヒトがより多くの葉酸を必要とすることを考慮して、追加の変動係数(CV) 15%を仮定した集団基準摂取量(PRI)と同様に、平均必要量(AR)は葉酸状態のバイオマーカーから導出可能であると結論した。葉酸摂取 / 状態に伴う可能性のあるいくつかの健康影響も考慮されたが、DRVsを制定するにはデータが不十分だった。成人では、ARは血清と赤血球の葉酸濃度それぞれ≥ 10 及び 340 nmol/Lとされる葉酸の適切濃度を維持するために必要とされる葉酸摂取量から決定した。食事からの葉酸摂取当量(DFE) AR 250 µg /日とPRI 330 µg DFE/日が導出された。7~11か月の乳児には80 µg DFE/日の適正摂取量(AI)が母乳のみの乳児の推定葉酸摂取量から上方外挿して導出された。子供では、ARは相対成長率と成長係数を用い、参照体重の違いを考慮して成人のARから外挿した。1~3歳の子供の120 µg DFE/日から15~17歳の少年少女の330 µg DFE/日までのPRIsが導出された。妊婦には、妊娠中の血清及び赤血球の葉酸濃度の維持に関する研究に基づき、600 µg DFE/日のAIが導出された。授乳中の女性には、母乳による葉酸の損失を補うために130 µg DFE/日の追加摂取が考慮された。この数字を授乳をしていない女性のARに追加して、500 µg DFE/日のPRIが導出された。