食品安全情報blog過去記事

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ネオニコチノイドとミツバチの健康について更新

Update on Neonicotinoid Pesticides and Bee Health
25 November 2014
http://www.hc-sc.gc.ca/cps-spc/pubs/pest/_fact-fiche/neonicotinoid/neonicotinoid-eng.php
ミツバチの健康について
ミツバチの健康には害虫や食糧、女王蜂の質、気候、一般的巣の管理、農薬暴露などの多様な要因が影響を与える。これらの複合によりミツバチにかかるストレスが増えていることが示唆されている。
これまでのところカナダのプロ養蜂業では米国で定義されているCCDの症状は診断されていない。むしろカナダでの死亡率の増加は冬季の死亡の増加による。
ネオニコチノイド殺虫剤(イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン)について
ネオニコチノイド有機リンやカルバメート等の他の殺虫剤よりほ乳類への毒性が低いのでヒトにとっても安全性が高い。これまでネオニコチノイドの使用によるヒト健康への懸念は同定されていない。またネオニコチノイドは標的への特異性が高いので環境にとっても安全性が高い。現在種子処理や土壌への散布、葉へのスプレーなど多様な作物に使用が認可されている。芝生や観賞用や街路樹、ペット等にも認可されている。
ネオニコチノイドが最初に使用登録された時、科学的根拠は、ミツバチやその他の授粉媒介者にとって許容できないリスクとなることを示唆してはいなかった。2012年の春までこれらの殺虫剤とミツバチの死亡に関連するという報告はなかった。2012、 2013、 2014年に一部の地域で関連が報告されたが、広範に使用されているにも関わらず他の地域では関連は報告されなかった。カナダでは多くの作物にネオニコチノイドが広範に使われているがミツバチの死亡率が高くなるのは大豆やトウモロコシの種子処理をして特定の装置を使ったときのダストに暴露された場合のみである。
ヘルスカナダのPMRAは地方当局と協力して2012、 2013、 2014年に報告されたミツバチの死亡事故について詳細な調査を行った。厳密な評価の結果2012年と2013年のミツバチの死亡には種子処理されたトウモロコシと大豆を撒いたことによるダストが寄与した。2014年の結果は保留。
緩和策と研究とモニタリング
2012年と2013年のミツバチの死亡事故に対応してダストを減らすための対策を行った
結論と次の段階カナダのトウモロコシを多く栽培している地域でのネオニコチノイド処理種子を撒くこととミツバチの死亡率には関連があるが、ネオニコチノイドを多く使っている他の地域では影響がないようだ。既に対策はとられており、科学的根拠があれば追加の規制を行うかもしれない。
ヘルスカナダはこのクラスの殺虫剤の再評価を継続しており、2015年に中間報告を発表する予定である。
(一部のみ。地図や資料豊富でこれまでの総括的な記事なので関係者必読。)