食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 神話の否定:フグは膨れているときに息を止めない

Science shot
Myth busted: Pufferfish don’t hold their breath while inflated
By David Shultz 2 December 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/12/myth-busted-pufferfish-don-t-hold-their-breath-while-inflated
シマキンチャクフグはヒトが息を止めて頬を膨らませたときのように水の中で膨らむが、ヒトと違ってフグは息を止めていない。Biology Lettersに発表。
(平和な研究)

  • マンハッタンの虫は毎年数千キロのゴミを食べる

Bugs in Manhattan eat thousands of kilograms of trash each year
By David Shultz 2 December 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/12/bugs-manhattan-eat-thousands-kilograms-trash-each-year
ニューヨークでは昆虫や節足動物が毎年数千キロの捨てられた食品を食べている
Global Change Biologyに発表

  • 北京の禁煙キャンペーンが効果を生む

ScienceInsider
Antismoking campaign pays off in Beijing
By Dennis Normile 2 December 2014
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/12/antismoking-campaign-pays-beijing
2009年、中国では3億人の喫煙者が2.3兆本のタバコを吸っていた。この健康への影響は非常に大きく、毎年受動喫煙による10万人を含む100万人が死亡しているとWHOは推定している。北京は11月28日に屋内の公共の場での禁煙を採用した。発効は2015年6月1日である。また国も全ての屋内と一部の屋外の公共の場を禁煙にしタバコの包装に画像による警告を義務づける法案を発表した。
(さてどうなるか。中国は本気になると早いので日本が取り残される可能性もある。なにせタバコ禁止に抵抗しているのが財務と農水だから。禁煙政策を支持しない彼らが国民のため、なんて言っても信じられるわけがない)

  • 食品のナノテクとGM受容には栄養と安全性が鍵

Nutrition, Safety Key To Consumer Acceptance of Nanotech, Genetic Modification In Foods
December 2, 2014
http://news.ncsu.edu/2014/12/kuzma-tech-food-2014/
Journal of Agricultural Economicsにオンライン発表された研究。全国を代表する1117人の米国人消費者に一連の質問をして調査を行い、4つのグループに分類できることを見いだした。18%はどんな場合でもGMやナノテク食品は買わない新しい技術を拒否する人たち、19%は安全上の利益がある場合のみ購入する技術が嫌いな人たち、23%は値段が安ければ買う価格指向の人たち、そして40%が栄養や安全などのメリットがあれば買う利益指向の人たちである。
(その「安全」の認識次第でアクリルアミド低減GMポテトはどう評価されるのか変わるのでは)

Mediterranean diet and telomere length in Nurses’ Health Study: population based cohort study
Marta Crous-Bou et al., BMJ 2014;349:g6674
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6674
ナース健康研究のネステド症例対照試験の4676人のテロメア長の測定(末梢血リンパ球の定量RT-PCR)と食事質問票による調査を行った。
地中海食に近いこととテロメアの長いことに関連がある

エディトリアル
地中海食とテロメアの長さ
Mediterranean diet and telomere length
Peter M Nilsson, professor
BMJ 2014;349:g6843
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6843
近年テロメアの生物学への関心が高い。テロメアの長さを測る方法の課題が研究を幾分遅らせてきたが、テロメアの異常と心血管系疾患(CHD)の関連は遺伝的要因であるという意見が強い。テロメアの長さと疾患の関連についての研究はほとんどが横断研究で因果関係の検討は困難である。長さを一回計るより短くなる早さのほうがまだましなバイオマーカーと考えられる。テロメアとCHDリスクには遺伝的要因が重要であるが、同時にライフスタイル要因も関連がある。Crous-Bouらの新しい研究では地中海食とテロメアの長さに関連が見られた。この研究の良いところはしっかりした食事評価であるが横断研究であることや女性のみ、定量PCRの妥当性評価の欠如などが欠点である。CHDの解析はしていない。多数の報告から、地中海食をしている中年アメリカ人女性は運動もしていてビタミンDの状態も良く人体の組成も好ましいことが多くテロメアも長い。テロメアの長い女性は環境要因に共通するものがある可能性もあるし遺伝要因も共有しているかもしれない。テロメアの長さには性差や地域差、人種差が報告されている。将来の研究は遺伝子と食事と性の相互作用も考慮すべきである。

  • オーストラリア臨床がん学会

がん患者によく使われているCAMの使用に関連する相互作用の可能性
Potential interactions and issues associated with the use of CAM commonly used in the cancer population (#101)
http://cosa-2014.p.asnevents.com.au/schedule/abstract/19281
Peter MacCallumがんセンターの医学情報センターにはCAMとがん治療についての問い合わせが多い。2年間に寄せられた462件の照会には330種類のCAMが関与していた。ビタミンやミネラル以外で多かったのは魚油、ターメリックCoQ10オオアザミ、緑茶、ショウガ、乳酸菌、甘草、アストラガルス、霊芝だった。これらは全てがんの治療(薬物、放射線、手術)に問題を生じる可能性がある

  • 何故子どもの時の運動が問題なのか

Why does physical activity during childhood matter?
2-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/sfri-wdp120214.php
子どもの発達研究学会モノグラフMonographs of the Society for Research in Child Developmentの最新号で、子どもの運動が脳や認知機能、学校での成績にどう関係するかを焦点にした。