食品安全情報blog過去記事

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雄のミバエの食事とその子どもの肥満についての専門家の反応

UK SMC
expert reaction to male fruit fly diets and obesity in their offspring
December 4, 2014
http://www.sciencemediacentre.org/24636/
雄のミバエの食事とその子どもの代謝エピジェネティックおよび表現型プロフィールへの影響を調べている研究者らがCellに知見を発表した。父親の砂糖摂取の短期変化が子どもの将来の肥満に影響し得ると報告した。
Babraham研究所エピジェネティクスクロマチン計画部門長Wolf Reik教授
栄養や環境の影響を受ける我々の身体のエピジェネティック情報が子孫に伝えられるのかどうかについては大きな関心がある。これを世代間エピジェネティック遺伝という。最近いくつかの動物モデルで、食事の変化が精子のエピジェネティック変化を経由して次世代に影響することが観察されている。今回のミバエモデルでは父親に砂糖を与えると精子クロマチン状態が変化して子どもの肥満につばがった。興味深いことにマウスとヒトで同様の痩せ・肥満で変化するクロマチン経路が見つかっている(特定の遺伝的背景で)。ほ乳類でのこの代謝の変化が親世代の特定の食事の結果なのかどうかは調べる必要がある。これはおもしろい課題であろう
Bath大学進化遺伝学講師Nick Priest博士
この研究は食事に関連する遺伝要因についての基礎研究ではあるが父親の食事の健康と福祉への影響についてはあまり手がかりとはならない。動物でのメカニズムを知る、あるいは父親がM&M’sを何個食べたら子どもが肥満になるのかを知るにはまだ先が長い。
King’s College London遺伝子疫学Tim Spector教授
これは熟したバナナをミバエに与えるとその子どもが、会うことはなくても、エピジェネティックに太ることを示したエレガントな研究である。ヒトでも可能性はあるが、影響があるかどうかあるいは重要性についてはわからない。しかし両親のバランスをとるのに、そして父親に健康的な食生活についてもっと考えさせるのに役立つだろう−バナナを食べ過ぎないように(もしあなたがハエなら)。
(母親だけの責任ではない、ということを強調するのに役立つかも、という意味)