食品安全情報blog過去記事

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  • John A. Catanzaro, N.D.(ナチュロパスドクター)に対する懲戒処分

Casewatch
Disciplinary Action against John A. Catanzaro, N.D.
Stephen Barrett, M.D.
This page was posted on December 8, 2014.
http://www.casewatch.org/board/nat/catanzaro/agreed_order_2014.shtml
ワシントンナチュロパシー委員会がJohn A. Catanzaroががん患者に根拠のないワクチン治療をしたと結論して懲戒処分した。Catanzaroは「統合医学とがん治療の健康ウェルネス研究所」を経営していて「がん免疫療法」を行っていた。Catanzaroの懲戒は2回目。
(ナチュロパシーだからって何やってもいいわけではない)

NutriWatch
Findings of the 1971 Resource Conference on Food Faddism and Cultism
Summary of Report
December 6, 2014..
http://www.nutriwatch.org/02Misinfo/conference_1971.html
1971年にアメリカ医学会食品栄養評議会がフードファディズムとカルト信仰についての資源会議を後援し、食品に関する流行を同定してその流行の理由を探りいくつかの助言を提供した。フードファディズムに対する最良の防御の一つは教育だろう。しかし問題を先鋭化させるいくつかのパターンがある。健康食品ムーブメントは企業や政府や医学や科学の信用を貶めようとしてきた。このことが成功して一般の人々は栄養に関するナンセンスと戦うために信頼できるところがなくなっている。
(中略)
栄養に関する間違った情報を伝える人たち
A. 意図せず
1. バイアスのある科学者
2. 他人の仕事を解釈する科学者
3. 間違った情報を持っている教育者
4. 政府機関
5. 医療関係者
6. 友人や親族など
B. 意図的
1. 情報を歪める商業的コミュニケーション
2. 健康食品会社
3. 宣伝者
4. 無差別な出版社や放送者
間違った情報を受け取りやすくなる条件
1. 魔法の治療法を探している
2. 疎外されている人(恐怖反応)
3. 秘儀や権威を求める人
4. 長寿や「超」健康や「ハイ」を求める人
5. 偏執的あるいは極端な人
6. 「真実」を探す人
7. 流行に乗る人
8. 恐がり
これらは大きく二つのグループに分類できる:「奇跡を探す人」と疎外されている人である。
報告書全文
http://www.nutriwatch.org/02Misinfo/resource_conference.pdf
(この時代に既に社会経済状態の上のクラスのファディズムとしてオーガニックが流行していると認識されている。1971年から変わっていないのがすごいというかなんというか。政府を信じるな、科学を信じるな、真実はここにある、って言う人について行くとどうなるかは実例がたくさんあるのに。)

  • 24才の女性がラズベリーケトン痩身錠剤過剰使用で死亡−それぞれRed Bull 4本分のカフェインを含む

Woman, 24, died after taking overdose of raspberry ketone slimming pills - which each had the same amount of caffeine as FOUR cans of Red Bull
10 December 2014
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2866843/Woman-died-taking-overdose-raspberry-ketone-slimming-pills.html?ITO=1490&ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490
Cara Reynolds 24才は63kgほどの体重だったが痩せようとしてアマゾンで20ポンドで売られていた「ナチュラサプリメント」Forzaラズベリーケトンを購入した。この製品はセレブらがフェイスブックなどで効果を保証していた。Reynoldsさんはフィアンセと別れてこの錠剤を大量に飲み込み(Red Bull 225缶に相当するカフェインを含む)、医師が40回以上蘇生を試みたが救命できなかった。
British Medical Journalの症例報告に掲載
カフェイン摂取量は18000mg、ラズベリーケトンは18000mg
痩身錠剤を飲んで娘が死亡し、小売店への父の願い
Father's plea to retailers after girl dies taking slimming pills
Wednesday 10 December 2014
http://www.heraldscotland.com/news/home-news/fathers-plea-to-retailers-after-girl-dies-taking-slimming-pills.114265377
Caraが倒れているのを見つけたのは2013年の3月5日で、ラズベリーケトン錠剤は70錠以上飲んだと思われる
両親と弟はこのような痩身用錠剤の販売をやめさせるキャンペーンを始めた。
これらの錠剤はハーブでもなければ害がないわけでもない。

  • 保健局は患者をホメオパシー病院に送ることを中止しようとしている

Health board to stop sending patients to homeopathic hospital
Carolyn Churchill
Tuesday 9 December 2014
http://www.heraldscotland.com/news/health/health-board-to-stop-sending-patients-to-homeopathic-hospital.114310546
スコットランドでただ一つのホメオパシー病院が資金カットに直面
NHS Lanarkshireは4月からグラスゴーのCentre for Integrative Care(CIC)への紹介を中止する。患者から継続して欲しいという強い要望はあるが、公衆衛生と健康政策長のHarpreet Kohli博士はホメオパシーレメディが患者の健康を改善したという根拠が不十分であると言う。この決定は4年間のレビューを経たものである。NHS Highlandと NHS Lothianは既に引き上げている。
ホメオパシーの有効性については多くの研究がなされ何らかの病気に効果があるという質の高い根拠はない。同時にホメオパシーCICの提供している他のサービスに治療上のメリットがないという明確で疑いようのない根拠はある。

  • あなたの身体をデトックスなどできない。それは神話である。ではどうやったら健康になれる?

Theguardian
You can’t detox your body. It’s a myth. So how do you get healthy?
Dara Mohammadi
The Observer, Friday 5 December 2014
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2014/dec/05/detox-myth-health-diet-science-ignorance
デトックス」などというものはない。医学的にはナンセンスである。健康になる方法は食生活と運動である。
ファストフードばかり食べたりお酒をたくさん飲んだりした罪を大腸洗浄や野菜ジュースできれいさっぱり洗い流すことができるという考え方は、あなたに何かを売りつけようとするための詐欺である。Exeter 大学の補完医学教授Edzard Ernstはデトックスには二つのタイプがあるという。一つは命に関わる薬物依存のヒトの医学的治療方法であり、もう一つは企業がインチキ治療を得るために使っている詐欺である。もし人体が毒素を溜め込んで排泄できないのだとしたら死んだり病気になったりする。健康な人体には腎臓や肝臓や皮膚があって解毒をしている−デトックス治療ではなく。デトックスを売る人たちのいう「毒素」は正確には何なのか明確ではない。2009年にSense about Scienceの科学者たちが薬局やスーパーマーケットで販売されているサプリメントからシャンプーに至る各種デトックス製品の根拠を尋ねたところどの業者もデトックスの定義を説明できず毒素の名前すら挙げられなかった。大腸洗浄宣伝者は腸に何年も便がこびりついていると主張するがそんなものを見たことのある医師は誰もいない。悪質な業者は大腸洗浄の前に便を固化させる錠剤を飲ませてあなたがトイレでゴムのようなものが出てすっきりしたと思わせる。デトックス足パッドは一晩で色が変わるがそれはあなたの身体から出た毒素ではない。
アルコールを身体から抜くのは良いことだ−飲まない日を設けるようにして。何かできれいにしようという考えは馬鹿げている。
(以下略)
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