食品安全情報blog過去記事

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ベビーフードの香料

Flavouring substances in baby food
27 June 2014
http://www.bfr.bund.de/cm/349/flavouring-substances-in-baby-food.pdf
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は乳児用ミルクとフォローアップミルク、そして乳幼児と幼い子供用の医療食の香料の使用に関する評価を行った。

BfRの意見では、香料はそのような製品の受容性を改善するためにも味覚の発達を支援するためにも必要とされていない。もしも乳児用ミルクや特別医療目的用の食品が人生最初の3か月以内に赤ちゃんに与え始められるなら、通常受容に関する問題はない。だが、たとえば医学的な理由で粉ミルクが12週以上先から使用される場合でも、繰り返し暴露は通常時間とともに受け入れを改善する。乳児用ミルクは基準が決まっている製品なので、香料を添加しても乳児が母乳から与えられる一連の香りを提供できない。現在の知見に基づくと、香料を添加した乳幼児食品は、母乳と同じようには赤ちゃんの味覚と嗅覚の発達を支えることはできない。
赤ちゃんは人生最初の2〜3か月の間は特に脆弱である:体の解毒システム、たとえば肝臓と腎臓の機能や血液脳関門のような他の防御機構はまだ完全に発達していない。ゆえに、国際的な専門家委員会は、食品添加物用に導出されたADI値を12週までの赤ちゃんに適用するべきではないと強調している。ADIは「一日摂取許容量」を表し、個人の体重あたりの、明らかな健康リスクなく一生の間日常に摂取される物質の量である。BfRは、ベビーフードへの食品添加物使用についての考え方をベビーフードの香料使用にも適用すべきだという意見である。BfRの視点では、それゆえに、香料は乳児用ミルク製品にも3か月より小さな赤ちゃん用のバランス食にも使用されるべきではない。特別な事情では、その使用がどんなに必要だとみなされても、香料には他の食品添加物のように特別なケースバイケース評価が必要とされる。
更に、乳児期知覚経験が味覚の発達に影響しその後の食事の好みと密接な関係があるかもしれない。だが、現在入手できるデータは、後の食事習慣と健康リスクに対する乳児用ミルクへの香料使用の影響を評価するには十分ではない。