食品安全情報blog過去記事

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動物用医薬品市販後安全性監視(動物用医薬品ファーマコビジランス)

動物用医薬製品及び市場調査年次報告を含む有害事象に関する2013年の重要イベント
Veterinary Pharmacovigilance
The main events of 2013 with regard to adverse events involving veterinary medicinal products and market surveillance Annual Report
https://www.anses.fr/sites/default/files/documents/ANMV-Ra-Pharmacovigilance2013EN.pdf
動物用医薬品は、使用による利益がリスクに勝ることが品質・安全性・有効性に関するデータ評価から示される場合にのみ市販認可(MA)が認められる。MA申請の一環として行われる様々な臨床試験は、医薬品の使用により生じる可能性のある多くの有害事象を明らかにするが、これらの試験は一定の使用状況で限られた数の動物で実施されるので、一度MAを得た医薬品が大規模に使用されると、この医薬品に関連する有害事象とリスク要因が明らかになる(種、品種、年齢、既存の状況など)。そのような事象は国家動物用医薬品ファーマコビジランスシステムで監視されている。動物用医薬品を統治する適用規則が欧州のものなので、ANSES-ANMVの調査も欧州の枠組みで行われている。
動物用医薬品ファーマコビジランスの範囲はとても広い:
・動物用医薬品あるいは「カスケード」アプローチの枠組みでヒト用医薬品の投与後の動物の有害事象の報告
・動物に動物用医薬品を投与した後の、ヒトの有害事象の報告
・効果がないという疑いについての情報収集
・消退期間と残留に関する問題
・環境問題

動物用医薬品ファーマコビジランスの目的は、できるだけ早くあらゆる出現兆候を見つけ出すことである。
2013年の動物の有害事象のレビュー
2013年にANMVは国家データベースに動物の有害事象の3190事例を報告し、そのうちの44%は重篤とされている。2012年と比べると報告された事例総数は9.6%増加している。一方、重篤とそうでない事例の内訳はこの2年以上ほぼ同じである(重篤事例の比較、2012年は事例の43.4%、2013年は43.9%)。
最もよく報告された医薬品は2013年の重篤な事例に含まれている。2013年の重篤事例の、少なくとも12件の報告に含まれる27の動物用医薬品のうち、22はペット用のみに認可されている。最もよく記載された薬効分類はワクチン(44%)と駆虫薬(30%)である。