食品安全情報blog過去記事

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欧州連合内の食品の97%以上の残留農薬規制値以下

Over 97% of foods in EU contain pesticide residues within legal limits
11 December 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/141211b.htm
最新の欧州全体の食品中農薬モニタリング計画の一部として分析された全サンプルの97%以上の残留農薬は基準値以内で、54%からは検出されなかった。これは食品中の残留農薬に関する欧州食品安全機関(EFSA)の2012年年次報告の知見である。この報告は27のEU加盟国、アイスランドノルウェーが実行した約79000の食品サンプルの分析に基づいている。
食品中の残留農薬の広範囲にわたる検査は、2つの管理計画―各国がデザインした国家計画と首尾一貫したモニタリング活動を行うために全国家食品管理機関に求められたEUがコーディネートする計画―を実行する29か国の報告それぞれを調べる。2012年には、EUがコーディネートする計画の一部として、全部で205の異なる農薬が12食品で分析された。2つの計画で750以上の様々な食品の78390ものサンプルが約800の農薬と代謝物について検査された。
EFSAはインタラクティブレポートを開発した(リンク先Flash Player必要)
http://www.efsa.europa.eu/cs/BlobServer/en/interactivetools/docs/pesticidesreport2012.pdf
国家計画では、分析された食品サンプルの97.1%は最大残留物濃度(MRLs)として知られるEUの法的基準の限度内であることが分かった。オーガニック食品はオーガニックではない食品と比べるとMRL超過率が低いことが示された(0.8% と3.1%)。第三国からEUノルウェーアイスランドに輸入される食品の法令違反割合は、域内生産食品の5倍である(7.5% と1.4%)。
EUがコーディネートした計画の結果、分析されたサンプルの99.1%はMRL以下で、サンプルのほぼ60%には測定可能な残留物が全く含まれていなかった。MRL超過率の最も高い食品はブロッコリー(2.8%)・カリフラワー(2.1%)・生食用ブドウ(1.8%)・パプリカ(1.4%)・ナス(1%)だった。MRL超過率の最も低い食品は鞘をむいた豆とオリーブオイル(両方0.1%)・小麦(0.7%)・バナナ(0.7%)だった。MRL超過なしはオレンジジュースと動物製品(バターと鶏卵)である。
EFSAはまた、残留農薬への現在の暴露がヒトの健康にリスクがあるかどうか、長期(慢性)と短期(急性)の両方で評価した。EFSAは、2012年の食品の残留農薬は消費者の健康に長期影響はありそうもないと結論した。短期暴露については、これらの食品を大量に食べた場合サンプルの約0.02%についてリスクを排除できない。
・2012年食品の農薬残留物に関する欧州連合の報告
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3942.htm