食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文等

Community water fluoridation on the Internet and social media.
Allukian M, Mertz A. Journal of the Massachusetts Dental Society 63:32-36, 2014
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25230407
主要フッ素ウェブサイトの2011年か月から 2012年月までの月ごとのトラフィックを調べた。Facebook, Twitter,および YouTubeの中身を反フッ素か親フッ素に分類し、Twitterの反フッ素についてはその中身も調べた。その結果反フッ素のトラフィックは親フッ素の5から60倍多かった。Facebookを「フッ素」で検索すると88-100%が反フッ素で、Twitterは64%、YouTubeは99%が反フッ素だった。反対の理由として多かったのは「がん」「不要」「毒」である。
結論としてインターネットとソーシャルメディアでは反フッ素情報のほうが優位である。毎日数千人もの人々がフッ素についての間違った情報を与えられ続けている。
(食品も毎日嘘情報ばっかりだよ!)

  • ILSI

より健康的な世界への協力 2014年年次報告書
Global Partnerships for a Healthier World 2014 Annual Report
http://www.ilsi.org/Documents/ILSI_2014AnnualReport.pdf

  • 食品についてのリスク/ベネフィットコミュニケーション−文献の系統的レビュー

Risk/benefit communication about food – a systematic review of the literature.
L.J. Frewer, et al.,. Critical Reviews in Food Science and Nutrition 2015; published online.
http://www.ilsi.org/Pages/ViewItemDetails.aspx?WebId={84D7FA4A-0FD5-40CD-A49A-2DA6FCDFD654}&ListId={0348EB34-DF85-49DD-9ADE-77ED136643F1}&ItemID=427
消費者の態度や行動にどの食品リスクコミュニケーションが影響を与えるかどうかについて54論文を解析した。どんな食品のハザードについても、市民のリスク認知とリスク関連行動の両方を考慮する必要がある。行動変化についての助言はしっかりした、行動できるものである必要がある。急性のコミュニケーションにはコミュニケーションプロセスの進化が必要かもしれないが長期のコミュニケーションには聴衆の要望を同定する必要がある。

  • 食事からの金属摂取量を区別する−金属食事暴露スクリーニングツール

Partitioning of Dietary Metal Intake—A Metal Dietary Exposure Screening Tool
Tran, N. L., et al. (2014). Exposure Screening Tool." Risk Anal.
http://www.ilsi.org/Pages/ViewItemDetails.aspx?WebId={678CA61D-37F3-4E1D-90DB-E8879920CA55}&ListId={F5A43102-7B6F-4531-A209-AFA2B711282D}&ItemID=246
食品や食品成分からいろいろな量の金属が検出されたときに、リスク管理者が迅速なリスク評価を行うためのスクリーニングツールa metal dietary exposure screening tool (MDEST)を開発した
スクリーニングツールはILSI北米サイトから
http://www.ilsi.org/NorthAmerica/Pages/Heavy-Metal-Screening-Tool.aspx
NHANESのデータを使っているのでアメリカ人対象
ケーススタディにコメのヒ素がある
http://www.ilsi.org/NorthAmerica/Documents/HMST%20CaseStudy.pdf
シナリオ:冷凍食品の製造業者が原料のルーチン検査で生米から0.09 ppmの無機ヒ素を検出した
MDESTでは無機ヒ素の指標濃度TDI 0.3 μg/kg bw/dayを使っている。冷食の20%がコメだとする。問題の食品を食べている米国人は少数なので全体の暴露量は少ないが食べているヒトあたりの暴露量は多い。バックグラウンド暴露量なども精細化して評価している
(日本でもこういうことができるようにしないと)

  • 生理活性のある食品成分の枠組みを作るアプローチについての考察

Considerations on an Approach for Establishing a Framework for Bioactive Food Components
Ellwood, K., et al. (2014). Advances in Nutrition: An International Review Journal 5(6): 693-701.
http://www.ilsi.org/Pages/ViewItemDetails.aspx?WebId={678CA61D-37F3-4E1D-90DB-E8879920CA55}&ListId={F5A43102-7B6F-4531-A209-AFA2B711282D}&ItemID=243
オープンアクセス
食品の生理活性成分には健康上のメリットがある可能性が示されてきたが栄養素などのような参照摂取量(DRI)はない。必須栄養素のDRIは正常な生理機能の維持に必要な量や欠乏による有害影響が出ない量から導出され、一部は慢性疾患リスク削減も用いられている。非必須の食品成分については多くの場合妥当性を証明されたバイオマーカーなどはなく具体的な有効成分も同定されていない。

  • 現在の影響成分表示はわかりにくい

Current nutrition labeling is hard to digest
20-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/mu-cnl012015.php
Annals of the New York Academy of Sciencesの12月号に発表された研究。4つの栄養表示システムのうち現在米国とカナダで義務づけられている栄養成分表が最も利用しにくい。
あるものは砂糖が少なく脂肪が多く別のものは脂肪が多く砂糖が少ない、という場合最もいいものを選ぶのは難しい。他にNuValスコア、英国の信号表示、デンマークなどの認証表示を検討している。

  • 不健康で長生き

Living longer, not healthier
20-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/uomm-lln012015.php
PNASに発表された線虫での研究によると長生き遺伝子をもつ線虫は人生の多くをひ弱で活動量が少なく過ごす。長生きでない普通の線虫の方が健康的な状態は長い。

  • オーガニックと通常のミルク−リンゴはリンゴと比べているか?

Organic and conventional milk -- comparing apples to apples?
20-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/ehs-oac012015.php
消費者はオーガニックミルクと普通のミルクは違っていてその違いが高い値段の理由だと考えているが、Journal of Dairy Scienceに発表されたレビューによるとそんなに簡単ではない。約200の論文をレビューして、これまでのオーガニックと慣行の違いについての研究はあいまいであると結論した。ミルクの脂肪酸組成などを比較した研究では牧草で育てたオーガニックミルクと濃縮資料を与えたミルクを比べていて、ミルクの組成の差はオーガニック農業かどうかではなく餌の違いによる。ミルクの組成に影響を与える要因はたくさんあり、その全てをコントロールて慣行農法と有機農法を比較するのは難しい。乳業に関する「オーガニック」という用語は国による規制の違いで定義される。ミルクの栄養についてはオーガニックとそうでないものを区別する特別なものはない。

  • 魚の脂肪酸は脳を水銀の傷害から守るかもしれない

Fatty acids in fish may shield brain from mercury damage
21-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/uorm-fai011615.php
American Journal of Clinical Nutritionに発表されたセイシェル子ども発達研究
30年にわたるセイシェルでの研究では妊娠中の母親の魚を食べる量が多くても(平均週12回)子どもには発達上の問題がないことが一貫して示されている。研究者らはこれが水銀の悪影響より魚の栄養上のメリットが大きいからだと説明してきたが新しい研究ではもう少し複雑で実際に魚の多価不飽和脂肪酸が水銀による脳の傷害を阻害している可能性があることを示唆した。

  • 健康意識:消費者は健康的な食品はいつも不味いと信じているか?

Health consciousness: Do consumers believe healthy food always tastes bad?
21-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/ama-hcd012115.php
なぜ健康啓発キャンペーンはいつでも肥満を減らすのに失敗するのか?Journal of Public Policy & Marketingの新しい研究によると、消費者の食べることへの意思決定は味のみでありつづけている。
健康に関する情報が最も必要な、最も健康に気を遣わない消費者は、食品の健康に関する情報に最も関心が無い。意識の高い消費者は情報をもとにわずかに行動を変えるがほとんどは味で選ぶ。