食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 加齢研究:血液交換

Natureニュース
Ageing research: Blood to blood
http://www.nature.com/news/ageing-research-blood-to-blood-1.16762
動物をつなぐことで科学者は若い血が古い組織を若返らせることを示した。今やヒトで調べている
並体結合は生きた2匹の動物の血管をつなぐ外科手法で150年ほどの歴史があるが最近はあまり行われていない。それが今再び加齢研究で使われるようになった。高齢マウスと若いマウスの循環系をつなげると驚く結果になる。若いマウスの血が年老いた組織に新しい命をもたらしたように見える。これらの研究室ではそのような変化をもたらす血液成分の同定を始めている。そして昨年9月、高齢アルツハイマー患者への若い血のメリットを調べる臨床試験が初めて開始された。
これまでアンチエイジングの分野には無数の失敗がある。過去20年間、カロリー制限食やレスベラトロール、テロメラーゼ、ラパマイシンなどを含む多数の治療法が同定されてきたが何らかの効果があると信頼できるのはカロリー制限とラパマイシンの二つのみで治療法とできたのは何一つない。制限食は霊長類での結果は矛盾するものラパマイシンには有害な副作用がある。
倫理学者や科学者は若い人の血は認可された臨床試験以外のところで人々に試みられることを心配している。認可されていない幹細胞治療は既にブームになっている。認可されていない輸血はもっと簡単にできる。
(ドラキュラ。若者を搾取する高齢世代、というのは今は比喩だけどそのうち文字通りのことをする人たちが増えるのだろう。そして妙な病気が流行するんだろうか)

MLM watch
MLM Pyramid Schemes: A Primer
This article was posted on January 15, 2015.
http://www.mlmwatch.org/01General/pyramid.html
普通の企業は製品を消費者に販売することで利益を得るがMLMの場合は子会員を増やすことで利益を得る。ディストリビューターの勧誘は一見事業主になれるようなことを言いつつ実は友人や親族一緒に食い物にするのが目的。ビデオあり
典型的なものがハーバライフ

  • オーガニックの収量ギャップは減少している?研究が実際に示したのは有機農法は慣行農法より持続可能ではないこと

Organic yield gap shrinking? Study actually shows it’s less sustainable than conventional ag
Marc Brazeau | January 20, 2015 | Genetic Literacy Project
http://geneticliteracyproject.org/2015/01/20/organic-yield-gap-shrinking-study-actually-shows-its-less-sustainable-than-conventional-ag/
有機農法と慣行農法の収量の差がこれまで推定されていたより少ないと主張する論文について。内容をよく見ると有機農法だけローテーションしていたりと比較のしかたがおかしいところが多い。窒素必要量の多い作物での有機農法の不利は圧倒的な事実である。収量を環境とは関係がないと主張しているが、それこそが持続可能な農業にとっては重要な問題である。さらに有機農業と大規模工業的農業は対立概念ではない。大規模有機農業も小規模環境農家もいる。そもそも圧倒的に慣行栽培が多く米国では有機栽培は作物で0.8%畜産で0.5%のみ。しかも有機のうち大規模(500エーカー(2 km²)以上)のほうが多い(60/40)。
(ちなみに日本の農家の平均耕作面積が2ヘクタールで500エーカーの100分の1)

Policy Focus
The Science of the “Endocrine Disrupter” Debate
By Angela Logomasini, Senior Fellow, Independent Women’s Forum
http://c1355372.cdn.cloudfiles.rackspacecloud.com/94953b38-031b-473a-b5fd-30280c172a8f/PolicyFocus15_Jan_p2.pdf
アメリカ人はメディアや環境活動家からありふれた日用品に健康に悪い化学物質が含まれると聞かされることがますます増えている。「内分泌撹乱物質」とされるこれらに物質は我々のホルモンに影響してがんを誘発し子どもたちの健康を損ない胎児の発育に影響し我々を太らせると活動家たちは言う。これらのキャンペーンの多くは女性、特に母親を標的とする。しかし消費者製品に含まれるこれらの化合物が現在の暴露量で実際にそのような影響をもたらしているという根拠はない。実はこれらの化合物の作用は測定可能な影響が出るにはあまりにも弱くそして量が少ない。一方これらの警告を発する見出しそのものは消費者に実害がある。それは不必要な規制につながり値段を高くし選択肢を減らしさらに皮肉なことにより安全性の低い製品に代えられる。消費者には事実が必要である
・恐怖を抱えて生きることは不健康である
・警鐘主義は値段を高くする
・製品の組成を無理に変えると品質が下がり選択肢が少なくなる
・恐怖をもとにした政策は公衆衛生を損なう

  • 高齢者の食事ナトリウム含量、死亡率、心血管系イベント

健康加齢体組成(Health ABC)研究
Dietary Sodium Content, Mortality, and Risk for Cardiovascular Events in Older Adults
The Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study
JAMA Intern Med. Published online January 19, 2015.
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2091399
71-80才の2642人の10年フォローアップデータを解析した。ベースラインのナトリウム摂取量は食事頻度質問票から推定したが10年間の死亡率や心血管系イベントと関連がなかった

  • Simplotの第二世代Innateは葉枯れ病耐性を加える

Simplot’s Generation 2 Innate adds late blight resistance
Karl Haro von Mogel | January 16, 2015
http://geneticliteracyproject.org/2015/01/16/simplots-generation-2-innate-adds-late-blight-resistance/
11月にUSDAはアクリルアミドを減らすSimplotの第一世代Innateを認可し、12月には次世代遺伝子組換えジャガイモに意見募集を始めた。二世代Innateは第一世代に葉枯れ病耐性を加えたものである。
(どんなにいいものができてもGMだからと拒否し続けるのかなぁ日本は)