食品安全情報blog過去記事

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欧州経済社会委員会

European Economic and Social Committee
電磁波過敏症:EESCは規制と助言に予防原則の継続を求める
Electromagnetic hypersensitivity: EESC urges continuance of the precautionary principle through regulation and advisory work
January 2015
http://www.eesc.europa.eu/?i=portal.en.press-releases.34545
1月の総会でEESCは電磁波過敏症候群(EHS)だと信じている欧州人の苦痛を認めた意見を136中110の賛成、棄権19で採択した。この意見では無線周波数暴露がEHSの症状の原因とは確認できないものの規制と助言には予防原則を継続すべきとした。EESCの意見ではこの問題やその原因を探るための研究を指摘しSCENIHRがこの問題について広範な解析を行っていて間もなく意見が採択されるだろうと注記した
意見は以下から
http://www.toad.eesc.europa.eu/AgendaDocuments.aspx?pmi=RmFYXXWy9u%2fUB7Xqmm4jW6lyKtAxaIqd8V%2f0yS2nhXg%3d
電磁波が原因なのではなく、電磁波に暴露されていると信じることが症状を引き起こすという根拠がさらに明確になった、としながらも「人々の懸念」と「予防原則」から電磁波による長期影響−例えば携帯電話など−を研究すべきとしている
残っている問題は「人々の認識public perception」である。一部の人にとって電磁波がいたるところにあること−職場や家庭や公共空間−は脅威と感じられている。同様の人々は多数の化学物質への暴露や、広範な食品に対する不耐症、あるいは環境中に存在する粒子状物質、繊維、細菌なども心配する。そのような人々には、実際の症状への対策だけではなく、彼らが近代社会について表明している懸念へのサポートが必要である。
医学的科学的根拠は、圧倒的にEHSが電磁波暴露によるという根拠はないというものである。それにもかかわらず活動家団体は電磁波の規制を要求し規制できないのは陰謀だと主張し続けている。二重盲検ではEHS患者の反応は電磁波とは関係がない。しかしこのことはEHSの症状を否定するものではない。

SCENIHRが間もなく発表するだろうという意見はこれ
PUBLIC CONSULTATION on the preliminary opinion on Potential health effects of exposure to electromagnetic fields (EMF)
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consultations/public_consultations/scenihr_consultation_19_en.htm
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140205#p9で紹介している)
現在パブリックコメントの受付は終了し、200以上の意見を解析中である
電磁波過敏症化学物質過敏症も本態性環境不寛容(idiopathic environmental intolerance IEI)の一形態と理解されている。問題になるのはそれらを恐れて反応する状態の方なので、患者への援助というのは恐怖心を煽ることではない。現状はメディアや自称支援者が悪化させることばかりしている、というのが文系の社会学の分野からも公式発表されたということが重要かも。根拠はないけど規制すべきっていうのは余計だが。)