食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

2015食事ガイドライン助言委員会が報告書を提出

2015 Dietary Guidelines Advisory Committee submits report
February 19, 2015
http://www.hhs.gov/news/press/2015pres/02/20150219b.html
HHSとUSDAはガイドライン更新作業を開始;パブリックコメントを受け付ける
2015年米国人のための食事ガイドラインに情報提供するために、外部専門家からなる食事ガイドライン助言委員会が報告書を提出した。本日その報告書をパブリックコメント募集のためにオンライン発表した。
意見募集は45日間で、3月24日には公聴会も予定されている。
報告書等以下から
Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee
http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/
要約からいくつか抜粋
NHANESの食事摂取量調査であるWhat We Eat in America調査のデータを用いて栄養が原因となる健康状態についての傾向を解析した。IOMの設定した推奨摂取量に比べて不足があるのはビタミンA、D、E、C、葉酸、カルシウム、マグネシウム、繊維、カリウム若い女性では鉄も不足している。食べ過ぎなのはナトリウムと飽和脂肪。
食品では野菜、果物。全粒穀物、乳製品が不足で摂り過ぎなのは精製穀物と添加された糖。
肥満と過体重が多く人種や収入による格差もある。
健康的な食生活のパターンとして野菜・果物・全粒穀物・低及び無脂肪乳製品・シーフード・豆・ナッツの多い、アルコールはほどほどで赤身と加工肉は減らし、砂糖入り飲料と精製穀物の少ないもの、を同定した。(あまり変わっていない)
食事ガイドラインのような助言には個人の行動変容を促す必要がある。画面を見る時間を減らす、ファストフードレストランでの外食の回数を減らす、家族やみんなで食べることを増やす、体重や食事を自己監視する、などがありコミュニティの食環境を変えることが必要である。健康的な食品が手にはいること、運動を促す環境があること、教育や政策の強力な後押しなどの複数要素からなるアプローチが有効である。
シーフードは重要な成分で健康上のメリットもあるが持続可能でなければならない。食の安全に関しては水銀などの汚染物質より魚を食べることの利益の方が上回る。
これまで検討されていなかったが今回更新されたものについては、適量コーヒー摂取(1日3-5杯、カフェイン料400mg/dまで)は健康な人にとって長期健康リスク増加とは関連せず、むしろ成人の2型糖尿病や心血管系疾患リスクの削減と一貫して関連を示している。従って適度のコーヒーは健康的な食生活の一環として組み入れることができる。但し砂糖とミルクには注意。カフェインを多く含む飲料のぞうかについては限られた根拠しかないがアルコールと一緒に飲むことによる懸念が高まっている。子どもや青少年には高カフェイン飲料を制限または禁止したほうがよく、エネルギードリンクはアルコールと一緒に飲むべきではない。
食品添加物アスパルテームについても検討した。現在の米国人の摂取量では安全であるようだがいくつかの不確実性があるので研究が必要であろう。
(低カロリー甘味料については、ANSESと違って砂糖の代わりに使うことは体重や体脂肪を減らすとしている
http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/14-appendix-E2/e2-47.asp
ナトリウムについては1日2300mg以下、飽和脂肪については総エネルギー摂取量の10%以下、添加された砂糖については総エネルギーの10%以下が一般人の目標である。これらは単独で減らすものではなく健康的な食生活の一環として、単純に減らすことだけを目標にするのではなく食生活を変えていくことを目的にすべきである。
運動が重要であることには強力な根拠がある。
(メディアで注目されているのは食品中のコレステロールについてはもう気にしなくていいということのようだ。)