食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 心理学の雑誌がp値を禁止

Natureニュース
Psychology journal bans P values
Chris Woolston 26 February 2015
http://www.nature.com/news/psychology-journal-bans-p-values-1.17001
Basic and Applied Social Psychology (BASP)が今月初め、P値を含む論文を出版しないと発表した。質の低い研究を支持するために濫用されているからだ。
p < .05のハードルはあまりにも簡単に超えられる。
(p < .05だから有害影響だって騒ぐの、セラリーニが得意だし)

  • 禁止された減量薬が肝疾患、糖尿病対策になる可能性

Scienceニュース
Banned weight-loss drug could combat liver disease, diabetes
By Mitch Leslie 26 February 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/02/banned-weight-loss-drug-could-combat-liver-disease-diabetes
米国政府がかつて「極めて危険でヒトの摂取に適さない」と判定した薬物に二度目のチャンス、とラットの実験が示唆する。糖尿病と非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)に除放性の2,4-ジニトロフェノール(DNP)が有効だった。
DNPはもともとは工業用化合物や爆薬として使われた。注目されるようになったのは第一次世界大戦の時にフランスの軍需品労働者が高濃度の暴露を経験し、その結果体重が減ったことがしばしばあった。死亡者もでた。その後の研究で減量に役立つかもしれないことが示唆されると、1930年代に医薬品メーカーが処方なしで販売できるダイエット用錠剤にDNPを入れた。10人程度の死者が報告され白内障のような副作用があったためFDAが禁止した。
今回研究者らは肝臓で主に活性を示すようデザインし、12-24時間かけて溶けるような錠剤に詰めた。そしてラットで肝臓の脂質を減らすことを報告した。
(今でもサプリに入っていて時々被害が報告されている)

  • 期待できるエボラ試験の結果が精査される

scienceInsider
Results from encouraging Ebola trial scrutinized
By Jon Cohen 26 February 2015
http://news.sciencemag.org/africa/2015/02/results-encouraging-ebola-trial-scrutinized
フランスの科学者が月曜日に記者会見でファビピラビルのエボラ試験の結果を語ったとき、たくさんの注意点をあげたもののメッセージは期待できるものだった。血中ウイルス濃度が中程度から低い人の死亡率を下げたように見える、とジャーナリストに語った。
しかしチームリーダーのフランスBordeaux 大学Denis Malvyがレトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)で詳細を発表したところ、何人かの科学者からエビデンスとデザインについて批判を浴びた。学会長のColumbia 大学の疫学研究者Scott Hammerは「この結果からは何も言えない」と言う。
(まあねぇ。はっきり効果があるならこういう試験でもわかるのだけどそうではなさそう)

  • 議員はEUGMO規制は「目的にそぐわない」ことを発見

Senseaboutscience
MPs find EU regulation on GMOs not “fit for purpose”
26 February 2015
http://www.senseaboutscience.org/news.php/433/mps-find-eu-regulation-on-gmos-not-fit-for-purpose
下院科学技術委員会が発表した報告書はEUの作物交配技術に関する規制は「目的にそぐわない」とした。委員会は植物を作るための方法ではなく、植物の性質に基づいたシステムを採用するよう薦めた。
現在のシステムは「プロセスベース」であり、GM植物は通常の交配で作られたものより本質的にリスクが高いとみなされている。このため全く同じゲノムと性質の植物がそれをどうやって作ったかによって全く違う安全性評価と規制の対象になる。このことは有害な可能性のある作物が、GM規制対象にならなければ安全性チェックから逃れることを意味する。
真に問われるべきことは、何故新しい作物による利益の可能性と適切に重みづけをした、性質に基づいたシステムあるいは安全性評価が既に存在しないのか、ということである。

  • S4Cドキュメンタリーの前に「遺伝子検査による先祖の同定」のウェールズ語翻訳

Senseaboutscience
Welsh translation of 'Sense about genetic ancestry testing' ahead of S4C documentary 26 February 2015
http://www.senseaboutscience.org/news.php/434/welsh-translation-of-sense-about-genetic-ancestry-testing-ahead-of-s4c-documentary
あなたの先祖がわかると宣伝している市販の遺伝子検査についてのガイド「Sense about genetic ancestry testing」のウェールズ語翻訳を発表した。英語版で2013年に発表しているがウェールズ語のテレビドキュメンタリーDNA Cymruが放送されるため。この番組では遺伝子検査でウェールズ人とは誰か、歴史上の有名人の誰と関係するのかを探るとしているが、市販の遺伝子検査は「遺伝子星占い」でしかなく、意味がない。

  • NSWで毒キノコを食べて10人が中毒

ABCニュース
Ten people sick after eating poisonous mushrooms picked in NSW
By Thuy Ong
http://www.abc.net.au/news/2015-02-27/ten-people-sick-after-eating-poison-mushrooms-picked-in-nsw/6268214
今月NSW各地で野生のキノコを食べて入院した人が10人になり保健当局が警告を出した
最近の湿った天候のためいつもの3月半ばからのシーズンが早まっている

  • Tuna from Sydney cafe poisons seven

February 27, 2015
http://www.9news.com.au/health/2015/02/27/11/33/tuna-from-sydney-cafe-affects-seven
ヒスタミン中毒7人になったらしい

  • 世界のGMO作物の現状

At Last Count: Global status of GMO crops
February 26, 2015 | Genetic Literacy Project
http://geneticliteracyproject.org/2015/02/26/at-last-count-global-status-of-gmo-crops-in-2014/
2014年に市販されているGMのインフォグラフィクス

  • オーガニック食品の販売額がLidl と Aldiのおかげで増加

telegraph
Organic food goes budget as sales surge thanks to Lidl and Aldi
25 Feb 2015
http://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/foodanddrinknews/11433919/Organic-goes-budget-as-sales-surge-thanks-to-Lidl-and-Aldi.html
Soil Associationが2014年のオーガニック食品年次報告を発表した。英国での販売額はLidl や Aldiのような低価格オーガニック商品のおかげで増加した。ここ数年の経済状況で落ち込んでいた販売額が2009年以降で最も高くなった。2014年のオーガニック販売は4%増えて、食品飲料部門全体の1.3%のシェアである。最も多い製品は乳製品で、オーガニック売上額の27.9%が乳製品である。
Lidl と Aldiが普通のオーガニック製品より30%安い商品を販売し始めたため、中程度の所得の消費者が買うようになった。

  • Purina Benefulドッグフードが何千頭ものイヌを殺したり病気にしたりしたと米国の裁判でペットのオーナーが主張

independent
Purina Beneful dog food is killing or making ill thousands of dogs, pet owner claims in US lawsuit
Thursday 26 February 2015
http://www.independent.co.uk/news/world/americas/purina-beneful-dog-food-is-killing-or-making-ill-thousands-of-dogs-pet-owner-claims-in-lawsuit-10071647.html
米国のカリフォルニア北部地方裁判所に2月5日、Frank LucidoがNestle Purina PetCare社に対する訴状を提出した。Lucidoはイヌがペットフードを食べた後病気になったり死亡したという苦情をオンラインで3000以上集めたという。Purinaは品質に問題はないと主張している。Benefulについては、他のペットフード同様、しばしばソーシャルメディアが発生源の間違った主張や虚偽の根拠のない主張がされてきた。例えばドッグフードには食品にも使われるプロピレングリコールが使われているがそれが不凍液のエチレングリコールと混同されたりしている。
5月に中国産ジャーキーおやつを食べて病気になったと主張するペットのオーナーにPurinaとWaggin Train LLCが650万ドルの補償をするという和解が成立しているため、同様の補償を求めている。