食品安全情報blog過去記事

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食品中の農薬残留物に関するQ& A

Questions and Answers on Residues of Plant Protection Products in Food
8 January 2015
http://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_residues_of_plant_protection_products_in_food-60852.html
たとえば殺虫剤などの農薬は有害生物から作物を守るために使用される。認可された農薬が用途に即して適切に使用されても、残留農薬が、収穫した作物や食品や飼料に使用する加工商品に残留する可能性がある。食品に残留する濃度が生涯にわたる毎日の食事の摂取や短期大量摂取により消費者の健康に害がないことを保証するために、BfRは認可手続きの一環として包括的リスク評価を行い、このリスク評価を基に最大残留基準を助言する。さらに、食品中の活性物質の許容量の決定はALARA原則(無理なく達成可能な範囲でできるだけ低くするべき)に従う。
最大残留基準は、食品と動物用飼料に許可されている農薬の有効成分とその分解産物の最大濃度である。それらは健康リスク評価のみに基づいて決定されるのではなく、適正農業規範も考慮される。最大残留基準の順守は食品が販売にふさわしいか、回収するかを決める時の重大な要因である。
これに関連して、BfRは農薬の認可、最大残留基準の設定、その濃度を超えた場合に起こりうる結果に関するFAQを編集した。

なぜ農薬が使われるのか?
農薬は真菌、雑草、有害生物などによる損失から生鮮果物、野菜、種を含む植物や植物の一部を守ることを目的としている。また保管、輸送中の収穫作物を守るために、食品の質を保証するためにも使用される。慣行農業よりも有機農業に使用される農薬ははるかに少ないが、有機農業経営者でさえ化学農薬の助けなしで完璧にやっていくことはできない。

農薬と有効成分との違いは?
有効成分は、植物、植物の部分、植物製品への有害生物に対して一般的あるいは特定影響のある元素や化合物微生物である。農薬は1つまたはそれ以上の有効成分と1つまたはそれ以上の補助剤を含む混合物、溶液などの商業上入手可能な調合品である。

農薬が含む有効成分はいくつか?
ドイツで認可された農薬の66%が有効成分を1つだけを含み、27%は2つ、6%は3成分を、1%は4成分を含んでいた(2014年11月現在)。

ドイツで認可されている農薬の数は?
2014年11月時点で、775の様々な農薬がドイツで認可されている。これらの製品には全部で276の異なる有効成分が含まれている。
最新の詳細はドイツ消費者保護・食品安全庁(BVL)のオンラインデータベースで閲覧可能:
http://www.bvl.bund.de/DE/04_Pflanzenschutzmittel/01_Aufgaben/02_ZulassungPSM/01_ZugelPSM/01_OnlineDatenbank/psm_onlineDB_node.html

農薬はどのようにしてドイツ市場に出されるのか?
農薬は市販で入手可能に、あるいは農業で使用される前に、ドイツで認可されなければならない。認可とは栽培植物の特定の病原体を抑えるといった特定の目的(使用法)が認められることで、それが認可は「示された用途にのみ」とされる理由である。
農薬の利用から起こりうるリスクの評価は、適用されるEU規制に則して全地域の加盟国の代表として、一EU加盟国が作成する。
EUの領域は3区域に分割され、ドイツは中央区域の一員である。その区域の加盟国はコメントにより直接農薬の評価に関わるが、実際の認可は国家レベルで発行される。
ドイツでは、ドイツ消費者保護・食品安全庁(BVL)が管理している。Julius Kühn研究所(栽培植物連邦研究センター、JKI)、連邦環境省(UBA)、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が、その権限の範囲内で認可手続きに関わり、部分的な評価を行っている。
BfRは消費者、作業従事者、非職業利用者、地元住人、近傍にいる人のための健康リスクを評価している。

有効成分も認可が必要?
有効成分は地域や国家レベルでは認可されていないが、全ての加盟国を含む包括的共同評価の後、農薬用としてEUレベルで承認されている。承認後、これらの有効成分は農薬として認可されて使用可能である。

残留農薬とはどういう意味か?
残留農薬とは食品や飼料に存在する有効成分や分解生成物の何らかの残りを表す表現である。分解生成物は植物代謝(「代謝生成物」)、あるいは例えば日光の影響を受けて形成されることがある。

どうして農薬を使用すると収穫した作物に残留物が残るのか?
適正農業規範や農薬を適正利用した場合でも収穫された作物の残留物を完全に避けることはできない。農薬は栽培の異なる時期に使用され、有効成分の分解率は様々である。残留物は特に農薬が収穫間近に散布される時、あるいは有効成分が難分解性である時、収穫時に残っていると予想される。だが、濃度はヒトの健康リスクとならないよう十分低くなければならない。

残留農薬は食品に許可されている?
残留農薬はそれぞれ法に定められた最大残留基準(MRL)まで食品に許可されている。消費者の健康に関する悪影響は残留濃度がこれらのMRLs以下であれば起こりそうもない。

どの食品に残留農薬がありうるのか?
残留農薬は植物由来の食品に見つかることがある。動物由来の食品も残留物を含むが、動物が残留物を含む植物由来の飼料を食べているためである。

「適正農業規範」とはどういう意味か?
「適正農薬規範」とも呼ばれる「適正農業規範」の原則は植物保護対策を実行する全ての人に適用される指示である。農薬は場所、作物、状況に十分ふさわしい方法で使用されるべきであり、使用には必要最小限であることが要求される。「コントロールが必要」な場合にのみ農薬が使用されるべきである。必要な植物保護対策は適切に行われ、きちんと文書として残されるべきである。

農薬の認可にBfRはどんな影響を持つのか?
BfRは助言機関として認可手続きに関わっている。正しく使用された後に食品に残った残留物が健康リスクを引き起こさず、残留物を監視できる適切な分析方法が存在する場合にのみ、農薬の認可に同意する。さらに、適切な使用では作業者や非職業的利用者、労働者、近傍者、地元住人に受け入れがたい影響はない。認可の決定が行われる際にBfRの意見が考慮される。

BfRは認可手続き中に消費者のリスクの可能性をどのように決定しているのか?
BfRは農薬からの消費者のリスクの可能性を立証するためにリスク評価を行っている。ここでは2つの要因を考慮する:有効成分の量での有害影響(毒性)と汚染された製品から消費者が摂取したこの物質の量。この摂取量は「暴露」と呼ばれている。

BfRは有効成分の毒性影響をどのように決定しているのか?
毒性影響は研究結果に基づき決定される。大部分は有効成分の急性、亜慢性、慢性の毒性に関する情報を提供する動物研究である。生殖に関する毒性影響を持つかどうかや、変異原性(遺伝毒性)や発がん性に関する情報も提供している。BfREUの有効成分評価に沿って2つの重要な毒性の閾値を導出している:急性参照用量(ARfD)と許容一日摂取量(ADI)。ARfDは急性の、ADIは慢性影響を表す。

ADIとは何か?
ADIは耐容一日摂取量の略語であり、消費者が認識できる健康リスクなく生涯にわたって一日に摂取可能な物質の量を示す。ADI値は慢性リスクを評価するのに使われる。

急性参照用量とは?
急性参照用量(ARfD)は消費者が明らかな健康リスクなく、一回またはそれ以上の食事で一日に摂取できる物質の量として定義されている。

BfRはARfDとADIをどのように導出するのか?
適切な動物実験から最も感受性の高い種と、より感受性の高い性での「無毒性量」(NOAEL)を設定する。短期研究は通常ARfD(急性参照用量)を設定するのに使用される。ADI(一日許容摂取量)は慢性のエンドポイントを調べた毒性研究から導出される。発がん性試験、生殖試験、多世代試験などがある。妥当な研究により設定された無毒性量はその後いわゆる不確実係数または安全係数で割り、それにより種差(たとえば動物とヒト)や個人差(たとえば個々のヒト)を考慮する。最も一般的な不確実係数は100である。

BfRは認可手続き中に残留農薬の消費者暴露をどのように決定するのか?
食品からの消費者暴露(摂取量)は食品中の残留量やこの食品が普段消費される量から設定される。食品中の残留濃度は農薬が使用される実状(残留実験モニター)での研究から導出される。消費量はいわゆる消費調査から入手できる。

BfR残留農薬を評価する際に考慮するのはどの消費データ?
現在ドイツの消費者の食品量は2つの消費調査で決められている。一つはVELS研究(乳幼児食品摂取消費量調査)で、2005年に発表された2-4歳のドイツ人の子供の消費量調査である。この集団グループが低体重の割に比較的食品摂取量が多いため特別に感受性が高いと分類されたため、この調査の結果が使用されている。二つ目は、国家栄養調査?(NVS II)で集められたドイツ人の14歳から80歳の消費データが使われている。さらに2015年に始まったKiGGSモジュール(EsKiMo)という摂食研究からドイツ人の6-17歳の消費データが考慮されている。これは国家健康インタビュー及び子供と青年の試験調査(KiGGS)の一部である。
ドイツ消費データに加え、BfRは他のEU加盟国からの消費データも考慮している。

消費者の健康保護の観点からBfRが認可に同意するのはいつ?
農薬の使用による残留農薬が、ADI(許容一日摂取量)もARfD(急性参照用量)も超過しないとリスク評価の結論が出たなら、消費者の健康リスクはありそうもない。消費者の健康保護の観点から農薬認可が正当化できるのはその後だけである。

以下の状況では消費者の健康への危険な兆候が予期されることはない:
残留農薬の推定最大摂取量がARfD(急性参照用量)以下である。最大摂取量は監視下の残留試験で生じた残留物の最高量と最大摂取量とを合わせて、各食品で個々に計算される。
残留農薬の推定平均摂取量がADI(許容一日摂取量)以下である。平均摂取量は監視下の残留物試験結果の中央値と平均摂取量から計算され、摂取される全ての食品について合計される。

発がん性のある農薬は認可される?
ヒトに発がん性がある、あるいはその可能性が高いとされる物質は発がん性カテゴリー1に、がんの原因となる疑いがあるとされるものは発がん性カテゴリー2に分類され、区別されなければならない。
EU有効成分規制の除外基準はカテゴリー1にあてはめられる。これらの物質はヒトの暴露が無視できるほど小さい場合にのみ認可してもよい。
発がん性だが遺伝物質を損傷しないカテゴリー2の物質で、発がん性は現状の科学的知見に則した閾値がある場合、この値以下では発がん性は予期されない。健康を損なう影響は、予想される消費者暴露が慢性暴露(許容一日摂取量、ADI)の閾値を超えなければ、除外できる。

適用できる認可基準は消費者リスクを十分な範囲で除外している?
リスク評価の考え方から、許容できる認可基準は十分確実に消費者リスクを排除している。認可基準として、欧州委員会は高い安全性レベルを規定している。適正農業規範に則して使用した後の残留物に健康への有害影響がない場合にのみ、農薬は認可される。認可の必要条件を満たすために、毒性に関する包括的テスト結果、残留物の性質、残留物の分析が有効成分について示されなければならない。農薬に含まれる有効成分はこのように懸念されるハザードや健康リスクが最も良く解析され、わかっている化学物質である。
毒性学試験を通して決定された有害影響と用量反応に基づき、一定の暴露による結果としてどのような有害影響があるか、定量化することが通常可能である。同じように健康有害影響が事実上排除できる用量範囲を推定することも可能である。消費者への健康リスクが起こる可能性は十分確実に決定できる。

残留物がADI やARfDを越えたらどうなるのか?
ADI(許容一日摂取量)を一度あるいは短期超過(2-3日続く)しても消費者のリスクとはならない、なぜならこの値は生涯にわたる暴露の一日の摂取量を設定しているからである。
対照的に、ARfD(急性参照用量)の一回あるいは短期超過の場合、有害健康影響の可能性は自動的に排除できない。健康有害影響が実際に生じるかどうかはケースバイケースで決めることになる。

最大残留基準とは何か?
最大残留基準(最大残留物量ともいう)は食品中の農薬有効成分の最大許容濃度を示す。最大残留基準は商品の自由移動を保証する拘束力のある貿易標準として役に立つ。設定された最大残留基準に応じる場合のみ食品は市販を許される。

最大残留基準はどのように設定されるのか?
最大残留基準の手続きは公式には農薬の認可手続きと独立である。最大濃度はEUの加盟国と欧州食品安全機関(EFSA)とその健康の安全性を試験した専門家による手続きに導出される。それから欧州委員会が法的に拘束力のある形式で発表する。EU規則があるので、同じ最大残留基準が自動的に全ての加盟国に適用される。

最大残留基準にはどのような条件があるか?
新しい最大残留基準が設定される前に、その基準を守っていることが監視できることを確認しなければならない。そのためには、できれば早く簡単な日常分析方法で残留農薬を分析できなければならない。さらに、最大残留基準に達しても消費者に急性や慢性のリスクとなる可能性はないことが必要である。これを評価するために、新しい最大濃度を決定する前に有効成分の毒性評価と残留習性を調べなければならない。

どのようにしてBfRは最大残留基準案を引き出すのか?
食品に含まれる可能性のある有効成分の許容量を決定する際にはALARAの原則(到達可能な範囲でできるだけ低くすべき)を適用する。従って最大濃度は適正農業規範に則して必要以上に高く設定されることはない。これは農薬の使用を最小限にする原則に従っている。
最大残留基準の設定の基礎は、有害生物を管理するのに必要な方法で農薬を使用した場合に則して行われる残留試験による。その試験は、管理状況下で最も厳しい許容濃度での使用を試験する方法でデザインされている。すなわち、申請された最も多い量で最高許容申請量、最も多い回数、最も遅い時期で収穫、最後の使用の間隔が最短。試験結果から、どの残留農薬が収穫された穀物に残る恐れがあるかを導き出し、相当する最大残留基準が提案される。
特定の状況下では加工中の残留物の変化のような追加要因も考慮に入れられる。最終的に導出された最大残留基準は、たとえばこの残留量が消費者の急性あるいは慢性のリスクとなるかどうかといった、ヒトの健康に関して許容できるかどうかを調べる。消費者リスクの徴候がないときにだけ、BfRは最大残留基準を提案する。

輸入許容量(トレランス)とは?
いわゆる輸入許容量は最大残留基準と同じだが、欧州連合に輸入する食品(たとえば、米、トロピカルフルーツなど)に適用される。輸入許容量も消費者の健康保護の観点から、適用量で残留物がハザードを引き起こさない場合に、申請が提出された有効成分と食品の組み合わせだけについて設定される。

なぜ最大残留基準は変更されるのか?
最大残留基準の設定は終わりのないプロセスである。新農薬や新使用の認可が適用され対応する残留農薬試験物が申請されるとすぐに、既存の最大量が再評価され必要であれば修正される。
更に、科学的知見の進歩を反映して最大残留基準が設定される。たとえば新しい毒性研究や新しい摂取データはリスク評価の改訂につながるので既存の最大量に変化をもたらすことがある。

残留物が最大残留基準を超えるとどうなるか?
最大残留基準の超過は適用法違反となる。問題の製品は市場で売買できない。最大残留基準は毒性学的な閾値ではないので、必ずしも同定された残留が消費者のリスクとなるわけではない。概して、毒性学な閾値(許容一日摂取量、ADIまたは急性参照用量、ARfD)に達するにはかなり高濃度の残留が必要である。

食品中の複数残留とは?
「複数残留」という言葉は、一つの食品に様々な残留農薬が同時に発生することを説明するのに使われる。消費者が様々な食品を同時に摂取することでいくつかの残留物を摂取する可能性もあるし、次々に短時間で摂取することでも複数の残留農薬を摂ることがある。

複数残留物質は食品中にどのように生じるか?
最新の農薬中の有効成分は特定の有害生物に標的を絞っている特徴がある。旧世代の物質はより副作用があり、より広範囲の効果があった。特定効果のある農薬の使用増に対応し、近年広域有効成分の使用はかなり減少している。この傾向の結果、病害虫に応じて多くの異なる農薬が使用され、その残留物が収穫した作物に残る可能性がある。有効成分を変えることは抵抗性の獲得防止に役立ち、いくつかの有害生物はそうしないと管理できなくなってしまう。
複合残留はかなり昔から存在する。様々な有効成分の使用が増え、分析技術の進歩により低濃度で検出される有効成分の量がますます増える結果になっているので、近年複合残留に注目が集まっている。

毒性学的には、個々の物質の摂取と比べていくつかの物質の同時摂取はどのように異なる影響があるのか?
個々の有効成分は毒性学の考え方から十分に検査されている。いくつかの物質が同時に生じた場合、お互いにどのように影響しあうかに関して4つの基本的な可能性がある:
・互いに独立し、異なる効果がある
・影響が似ている/全く同じで蓄積する(相加効果)
・互いに効果が高まる(相乗効果)
・互いに効果が減少する(拮抗作用)

農薬は通常個々の物質が健康に影響を与えうる閾値(影響閾値)より十分低いかなりの低濃度でのみ食品に生じる。この低濃度の範囲では、主に相加効果が複合残留物の健康リスク評価において妥当であると考えられている。現在の知識レベルでは、相乗効果と拮抗作用は無視できることが示されている。

複数残留物質のモニタリングサンプルは今までどのように評価されているのか?
BfRと欧州食品安全機関(EFSA)の経験では、複合残留物を含む食品サンプルを評価する場合、多くの物質がかなり低い濃度でのみ生じ、全体の残留は大抵一つの物質がほとんどを占めることを示している。サンプルがいくつかの有効成分をほぼ等しい濃度で含むとき、それらの物質の共同評価は個々の物質評価と比べ、たいてい根本的に異なる結果とはならない。

食品の最大残留基準の順守を誰が監視しているのか?
商業上消費者の食の安全に関わる全ての人は最大残留基準に従うことを保証する義務がある。貿易会社は通常国内の品質管理を行う。企業が適切な注意義務を守っているか、消費者が十分に守られているかは、連邦国家の公的食品監視当局が入念なモニタリングと監視プログラムを作っている。

適用される最大残留基準と認可されている有効成分についてどこで調べられるのか?
最新情報はインターネット上で欧州委員会が提供している:
http://ec.europa.eu/sanco_pesticides/public/?event=homepage&language=EN

消費者は直面する食品中の残留農薬リスクをどうしたら除外できるのか?
多くの消費者は残留農薬が食品に含まれる可能性はないと思って良い。これはBfRの行った「食品中の残留農薬」というテーマのドイツ人の代表的な調査の結果である。
消費者は食品中の農薬は比較的重要な健康問題だと思っているが、BfRは食品中の農薬による健康被害報告は全く受けたことがない。そのため、BfRはリスクの現実的な評価を行えるよう継続的に消費者に情報を提供している。これを達成するためにBfRは様々な社会グループや情報を広める人達と協力している。

BfRは食品中の残留農薬を減らすための食品小売り分野の取組みをどのように見ているのか?
法律上正当な最大残留基準に従う食品が健康リスクとなることはない。にもかかわらず、いくつかのチェーン店経営者は仕入れ先の食品に、法的要求よりもずっと厳しい最大残留農薬基準の追加条件を課す(いわゆる第二標準)。
BfRは、基本的に農業での農薬使用や食品の残留の削減に貢献する全ての努力を歓迎するが、同時に、第二標準が農業ビジネスの農薬の扱いに望ましくない結果をもたらす可能性を認識している。食品中の検出可能な有効成分の総数をできる限り低く保つことを目標とした意図的な有効成分の変更放棄は、害虫の耐性を高めることにつながり管理が困難になる。収穫した作物の残留を減らすために、生産者は状況に応じてではなく予防的に農薬を使用したり、栽培の初期に農薬を散布せざるを得なくなり「適正農業規範」の原則から離れてしまっている。
第二標準の設定は、法規制と公的リスク評価への信頼をなくし消費者を不安にさせることにもつながる。