食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • ACCCは「誤解を招く」Nurofen(鎮痛剤)の宣伝でReckitt Benckiserを標的にする

SMH
ACCC targets Reckitt Benckiser over 'misleading' Nurofen claims
March 5, 2015 Beau Donelly
http://www.smh.com.au/business/accc-targets-reckitt-benckiser-over-misleading-nurofen-claims-20150305-13vl72.html
オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)は大手製薬会社Reckitt Benckiserに対し、全く同じ成分の医薬品を特定の部位別商品として売っていることに対して法的措置を開始した。Nurofen腰痛用、生理痛用、偏頭痛用、緊張性頭痛用の4種類は全て同じイブプロフェンリシン塩342 mgである。TGAの認可は多様な種類の痛みの治療に対して、である。製品の包装やウェブでの宣伝ではそれぞれの製品は特定の種類の痛みにのみ効くような誤解を招く表現になっている。このため消費者は必要以上に買うことになる。

ACCC
ACCC targets alleged false and misleading Nurofen claims
5 March 2015
https://www.accc.gov.au/media-release/accc-targets-alleged-false-and-misleading-nurofen-claims
2015年3月31日にオーストラリア連邦裁判所で訴訟管理委員会の議題に掲載されている

  • 妊娠女性はもっとツナを食べるべきか?

Should Pregnant Women Eat More Tuna?
By Tara Parker-Pope March 2, 2015
http://well.blogs.nytimes.com/2015/03/02/should-pregnant-women-eat-more-tuna/?_r=1
何年もの間妊娠女性は水銀暴露の懸念からツナを食べることを警告されてきた。しかし食事ガイドライン助言委員会がツナやその他のシーフードを妊娠中に食べることについての議論に再び火をつけた。シーフードが重要な栄養素の摂取源で、我々の多くが十分摂っていないことについては専門家の意見は一致している。魚はオメガ3脂肪酸、ビタミンB、ヨウ素、セレン、ビタミンDに富む。そして魚の栄養素は胎児や乳児の脳の発育にとって特に重要である。
栄養助言レビューの一環として、助言委員会は現在のシーフードガイドラインを改めて確認した:アメリカ人は多様なシーフードを食べるべきである。同時にある種のシーフードからの水銀暴露についても注記し、妊娠中や授乳中あるいは妊娠する可能性のある女性はアマダイ、サメ、メカジキ、マカジキなどの水銀濃度の高い魚を食べないようにとした。
ツナについては現在のガイドライン(週6オンスまで)を保留し、再評価を助言した。特にツナ缶詰によく使われているビンナガマグロについては助言量の2倍を食べてもメリットの方がリスクを遥かに上回るとした。
これについてツナ缶の警告表示を要求している団体は怒っている。水銀政策プロジェクトのMichael Benderは、マグロはFDAが食べないようにと助言している魚の7倍も水銀暴露量への寄与は大きいのに何故もっと食べろと言うのか?と言う。
しかしシーフード助言に関わった委員会のメンバーSteve Abrams博士は、女性は食べる魚の種類に注意は必要だが、魚を食べることが赤ちゃんの農に良いという根拠は強い、という。食事ガイドラインの目標は健康的な食べ方を薦めることで、特定のものを薦めたり排除したりすることではない。食事にオメガ3を取り入れることのメリットは汚染物質のリスクを上回る。重要なことはたった一つのものにしないでいろいろな種類のものを食べるべきだということで、ツナ缶は「いろいろなもの」に含まれる。
Tufts大学のAlice Lichtensteinは、委員会は妊娠女性にマグロをもっと食べろとは言っていない、という。魚の汚染は動く標的で、あなたは直近のデータを知る必要がある。再評価された結果変更しない可能性もある。海の水銀濃度は上昇傾向である。
保健当局は長い間魚を食べることの利点と水銀についての警告のバランスをとることに苦労してきた。

  • 専門家Q&A:心理学的バイアスと予防接種

Expert Q&A: Psychological Biases and Vaccination
by Berkeley Wellness | March 03, 2015
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/contagious-disease/article/expert-qa-psychological-biases-and
カリフォルニア大学バークレー校の心理学部准教授Tania Lombrozo博士は、認知心理学の分野の研究をしている。最近「不作為バイアス」あるいは何かをすることより何かをしないことの方を無意識に好む傾向について、保護者の子どもへの予防接種についての決定との関連で研究している。これは最近のはしかのアウトブレイクを考えるとタイムリーな話題である。そこでBerkeley Wellness編集部のJohn Swartzberg医師とUC Berkeleyの公衆衛生大学院生Cecilie Bisgaard-FrantzenがLombrozo博士にインタビューした。
・ワクチン拒否の理由として不作為バイアスについてどう思うか
不作為バイアスの程度は人によって相当違うが何故違うのかはあまりわかっていない。ただ熟慮した決定より直感による決定の方が不作為バイアスがおきやすいことについては幾分かの根拠がある。また他のタイプの決定より倫理に関する決定の場合の方が、特に「神聖な」あるいは「保護された」と呼ばれるようなことが関係する問題の方が不作為バイアスがおきやすい。子どもの福祉は多くの保護者にとってはこのタイプである
・不作為バイアスについて人々はどのくらい気がついているか?
気がついていないのではないかと思う
・我々の社会の潮流は権威を疑うことのようだ。保護者のワクチンへのネガティブな態度にはこれがどのくらい関与しているか?一部の人にとってはそれは一つの要素であるが、保護者が疑っているのがどの権威なのかを明確にすることが重要である。予防接種忌避の人々はワクチン拒否「コミュニティ」に属している。保護者個人は科学や医師などの権威は疑っているが宗教的協議や特定の子育てについての信条やコミュティのメンバーの権威は受け容れている。
・予防接種忌避の原因として不作為バイアスに加えて他の心理学的メカニズムはあるか?
多くの要因が関与する。一部は間違った情報がいつまでも出回っていること:人々はしばしば予防接種の実際のリスクとメリットについて間違った信念をもっていて、その信念を否定するには正確な情報だけでは不十分であることが心理学的研究から示唆されている。他の要因はより社会的なもので、人々が所属するコミュニティのつきあいや違うことを決めた場合にコミュニティの中でどう評価されるかによる。余り注目されていないが多くの個人的意思決定や政策決定において「ナチュラル」とみなされるものが好まれることが関係するのではないかと私は疑っている。予防接種やGM食品への態度のように、「ナチュラル」なプロセスへの介入は躊躇われるという形で表現される可能性がある。
・不作為バイアスに囚われないためにどうすればいい?
自分の意思決定について明確に説明できるようにすることが一つ。各選択肢の費用とベネフィットを書き出して、あなたがその選択の結果をどう重み付けするかを考える。
もう一つは思考実験をしてみること。一つの方法ではなく異なる方法を考えてみる。例えばこれがなかったらどうなるか、こっちだったらどう感じるか、といったように。このような精神的トレーニングはしばしば自分が何故それにこだわっているのかあるいは避けているのかを明らかにする。