食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 人気のある抗酸化物質は効果がない可能性が高いことを研究が発見

Popular antioxidant likely ineffective, study finds
6-Mar-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/mu-pal030515.php
Nature Communicationsに3月6日発表された研究によると、ユビキノン(コエンザイム Q10)は必須の抗酸化物質ではなくそれを食べても何のメリットもなさそうである。
研究者らは徐々にユビキノンを減らしまた正常レベルに戻すことができるマウスを作成した。ユビキノンが少ないことで細胞の酸化的傷害が増えたりすることはなかった。

  • ダイエタリーサプリメントの合成興奮剤カクテルと重大な有害事象の関連

A cocktail of synthetic stimulants found in a dietary supplement associated with serious adverse events.
Venhuis B, et al.,
Drug Test Anal. 2014 Jun;6(6):578-81
オランダで重大な有害事象との関連により食品サプリメントDexaprineが販売停止になった。オランダ中毒情報センターの報告からは一つの錠剤の半分を飲んだだけで吐き気、品脈、動揺、動悸などがおこり心停止も1例ある。4人の患者が使用していた錠剤の残りを分析したところシネフリン、オキシロフリン、デテレノール、ヨヒンビン、カフェイン、テオフィリンが検出された。他に2化合物がみつかりβ−メチルβ−フェニルエチルアミン類と暫定的に同定された

Vitamin D intoxication in two brothers: be careful with dietary supplements.
Conti G, et al.,
J Pediatr Endocrinol Metab. 2014 Jul;27(7-8):763-7
12才の少年が腹痛・便秘・嘔吐で来院、検査の結果高カルシウム血症と腎不全があり血漿25-OHビタミンD濃度が極めて高く副甲状腺ホルモンが抑制されていて腎結石があった。水と利尿薬とプレドニゾロンでカルシウム濃度を下げた。弟は症状はなかったが同じ治療を受けた。兄弟が使用していた市販のビタミンD錠剤を調べたところ表示されている量より多くのビタミンDが含まれていた。

  • ランナーの新しい食事療法、卒倒、心電図

Runner’s new diet, his collapse, and his ECG
Melissa Ringer, MD CCFP, Simon Pulfrey, MD CCFP(EM)
Canadian Family Physician April 2014 vol. 60 no. 4 340-344
http://www.cfp.ca/content/60/4/340.long
自宅で倒れて救急搬送された58才男性の症例報告。高血圧がありラミプリルを使用していたが、最近激しい運動とサプリメントを含む食事療法を始めていて、高カリウム血症になった。

  • 症例:ボディービルダーの腎不全:外因性ビタミンD中毒による腎石灰沈着症

The case: renal failure in a bodybuilder athlete. Diagnosis: Nephrocalcinosis secondary to exogenous vitamin D intoxication.
Libório AB, et al.,
Kidney Int. 2014 May;85(5):1247-8. doi: 10.1038/ki.2013.230. No abstract available