食品安全情報blog過去記事

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ミルクと乳製品は「脳によい」という主張は証明されていない

Behind the headlines
Milk and dairy 'good for the brain' claim unproven
Thursday March 26 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/03March/Pages/Milk-and-dairy-good-for-the-brain-claim-unproven.aspx
「毎日コップ3杯のミルクは「アルツハイマーパーキンソン病予防に役立つ」」というのがThe Daily Telegraphの誤解を招く見出しである。報道されている研究は乳製品の多い食事がグルタチオンと呼ばれる抗酸化物質の量の多さと関連するというだけのものである。さらにグルタチオンの量が多いことがアルツハイマーパーキンソン病予防になるかどうかはわからない。この研究は米国乳業協会がお金を出した、60-85才の成人60人の脳のMRIスキャンを、グルタチオンを測定できる新しい技術を用いて調べたものである。
グルタチオンは脳の有害な可能性のある化合物を「中和」すると言われる。パーキンソン病アルツハイマーでは低いことがわかっているがそれは病気の原因なのか病気の結果なのかはわかっていない。
グルタチオン濃度の測定は食生活についての質問と同時に一度だけである。従って乳製品の多い食生活がグルタチオン濃度を増やしたかどうかはわからない。またグルタチオンが多いと何がおこるのかについてもわからない。従ってこの研究でわかることはほとんどない。乳製品は骨の健康に重要で、健康的な食生活の一部として適度に食べることを薦める。