食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 食中毒と闘うためのワクチンへの関心が高まる

Natureニュース
Interest grows in vaccines to fight foodborne illness
Boer Deng  07 April 2015
http://www.nature.com/news/interest-grows-in-vaccines-to-fight-foodborne-illness-1.17264
グローバルヘルスの研究者達は食品由来病原体による健康と経済への影響を減らすための伝統的戦略を補完する方法を探している
WHOの新しい数字によれば、食品由来ウイルス、細菌、原虫による2010年の感染例は5億8200万で死亡が351000である。WHOは食品中の細菌やウイルスや寄生虫や化学物質による病気の健康や経済的負担を減らすための常識的対策を薦めている。それらは基本的衛生の向上、政府の食中毒事例追跡能力構築、医療従事者の訓練と病気の治療装置の整備などである。現在一部の病原性微生物へのワクチン開発によりそのような戦略を補完する努力が加速している。日本の武田はノロウイルスワクチンの第II相臨床試験を行っている。Bill & Melinda Gates財団は2007年以降赤痢と病原性大腸菌に対するワクチンの開発に5000万ドルを投資していて2018年までさらに6400万ドルを使う予定である。
ワクチンは速やかに効果を発揮し集団に免疫を作るが衛生状態の良さを幅広く実現するのは難しく、効果は小さく長い時間がかかる。衛生に関する行動変化を補完するためにワクチンが必要である、とNPOのPATHの健康経済学者Deborah Atherlyはいう。
10程度の食品由来疾患のワクチンが既に使用されている。2013年にWHOが推奨リストに加えたのはロタウイルスワクチンである。先進国と途上国の両方で問題になっている病気へのワクチン開発の経済的メリットは比較的明確であるが先進国ではあまりみられない病気については開発への投資はより難しい。

  • 脳トレーニング」プログラムに効果はあるか?

Wellness Tip
Do 'Brain Training' Programs Work?
by Berkeley Wellness | April 07, 2015
http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/memory/article/do-brain-training-programs-work
PLOS Medicineに2014年11月に発表された51の研究の解析によると、自宅でのコンピュータによる脳の訓練は認知機能が正常な高齢者の記憶力やその他の精神スキルを改善しない。一方グループでの指導者がいる条件での訓練は、短期的記憶とプロセススピードに小さな利益があるが注意や計画や問題解決などの高次機能には効果がない。そしてその小さな利益が持続するかどうか、それが現実生活に意味があるかどうかはわからない。にもかかわらず、脳トレーニングプログラムは数十億ドルのビジネスになっている。
(普通にゲームを楽しめばいい)

Study finds amphetamine-like substance in dietary supplements
By Dean Starkman April 7, 2015
http://www.latimes.com/business/la-fi-amphetamine-supplements-study-20150407-story.html
薬理学の雑誌Drug Testing and Analysisに発表された研究によると、ダイエットやスポーツ用に販売されている一連のサプリメントから、ヒトで調べられたことのないアンフェタミン様化合物、BMPEAが検出された。テキサスに自生するAcacia rigidulaを含むと表示されているサプリメントにBMPEAが検出されているが実際には合成品である。
An amphetamine isomer whose efficacy and safety in humans has never been studied, β-methylphenylethylamine (BMPEA), is found in multiple dietary supplements
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dta.1793/abstract
この論文の著者であるハーバード大学医学部のPieter Cohen准教授にインタビューしたところ、「BMPEAの影響はわからないが危険な可能性がある。FDAが対応していないのは許せない」という。FDAの広報のJuli Putnamは、FDAAcacia rigidulaサプリメントにBMPEAが含まれていることは2013年に発表していることを認めた。しかし現時点では特別な安全上の懸念になるということは同定されていない。」
この論文で言及された製品を製造している業者の一つであるVitacost.comはLATimesに対してさらなる研究が行われるまでBMPEAを含む製品をウェブサイトから取り下げるという。「FDAが有害であると明言していないものの懸念を重大に受け止める。」と。しかし同社はプレスリリースや告知などはしていない。
1994ダイエタリーサプリメント健康教育法により、FDAが対策を取れるのは問題が確認された後だけである。その結果研究者が問題を発見、規制者が対応、サプリメント業者が適応しまた初めに戻るといういたちごっこが繰り返される。
先月サプリメント販売大手のGNCホールディングスがニューヨーク司法長官とDNA検査で真正性を確認するという合意に署名した。これは多くの製品に表示とは違うものが入っていることを明らかにした研究による。今月初めにはニューヨーク司法長官と他の13人の司法長官が議会にFDAサプリメント企業を監視するより強い権限を与えるよう請願している。

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  • 反ワクチンキャンペーン団体が慈善団体の地位を失う

Anti-vax campaigner's group loses charity status
April 8, 2015
http://www.brisbanetimes.com.au/queensland/antivax-campaigners-group-loses-charity-status-20150408-1mgklp.html
メラニーの素晴らしいはしか」という「はしかにかかることのメリット」を宣伝する絵本の作者であるStephanie Messengerが運営しているGet Rid of Sids ProjectがAustralian Charities and Not-for-profits Commission (ACNC)により4月1日付けで慈善団体認証を取り消された。

  • フィットネスインストラクターAshy Binesの盗作騒動が泥沼化

Plagiarism allegations turn ugly for fitness instructor Ashy Bines
April 8 2015
http://www.stuff.co.nz/life-style/well-good/teach-me/67634535/Plagiarism-allegations-turn-ugly-for-fitness-instructor-Ashy-Bines
オーストラリアを代表するボディトレーニングのスペシャリストを自称するAshy Binesはソーシャルメディアでのフォローワーは100万人近く、週に30-50NZドルのビキニボディチャレンジと100ドルのクリーン食事法には20万人の女性が参加し、若い女性達の教祖である。しかし彼女は一部で盗作者と言われている。Binesのレシピが他のサイトからの盗用であると批判する多数のblogが作られている。Ashy Binesの'Clean Eating Diet Plan'は他のサイトのコピーにAshy Binesの名前を付けて売っているだけで誰かの努力を横取りしているという。Binesは一部のレシピの盗用を認めている。YouTubeの動画でBinesは名前を出せない栄養士にレシピを外注してそれの大元まではチェックしなかったと言っている。コピーだったとは知らなかった、と。しかし現在妊娠中の彼女に脅迫が届いているという。中には赤ちゃんがダウン症になればいいなどというものがあったというスクリーンショットをメディアに送ってきた。Binesは「鬱や自殺したらメディアのせい」といい、盗用については「自分と赤ちゃんに集中したいから」と答えない。

  • 栄養士がFood Babeの本は寄せ集めであることを発見

Nutritionist finds Food Babe book to be a mixed bag
04/07/2015 By Dr. Anna Maria Siega-Riz -
http://www.charlotteobserver.com/living/food-drink/article17640203.html
New York Timesのベストセラーリストに掲載されているVani Hariの本“The Food Babe Way,”には全てのページに科学的根拠によって支持されていない主張がある。食品中のある化合物が何らかの結果と関連があるという研究があったとしてもそれは証明ではない。だからFDAやNIHやIOMは人々への助言を行うに当たり質の高い全ての研究を吟味するのだ。全ての食品が「良い」かどうかはあなたがどう選ぶかによる。食品の表示を見ようと言うHariの主張には同意するがそれはあなたがアメリカ人の食事ガイドラインに従った賢明な選択をするためだ(Hariの言う聞いたことのない名前が書いてあったら避けるためではない)。Hariの薦める未殺菌ミルクを飲むことは公衆衛生上決して薦められない。

  • 新しい漁網は小さな魚が逃げられる−Māori TV と 3 News

SMC NZ
New fishing nets let small fry escape – Māori TV and 3 News
April 8th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/04/08/new-fishing-nets-let-small-fry-escape/
ニュージーランド漁業の持続可能性を向上させるための二つの異なる研究ベースのアプローチが最近メディアで報道された。どちらも穴が大きくて若い魚が逃げられるような新しい網の開発に関するものである。
一つはメッシュのデザインを変えることで穴が広がりやすくする、もう一つはPVCライナーを使うことで網の中の魚が泳ぎ続けられ、混獲された魚を海に戻した場合の生存率を上げるというもの。