食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 「脳腫瘍と携帯電話の使用に関連」

Sense about science
"Brain cancer linked to mobile phone usage"
13 May 2015
http://www.senseaboutscience.org/resources.php/184/quotbrain-cancer-linked-to-mobile-phone-usagequot
2015年5月9日のThe Daily Telegraphの記事が「2008年の研究が、20才未満で携帯電話を使用し始めた人たちの神経膠腫のリスクが5倍高いことを発見」と報道した。実際にはこの研究は子どもの携帯電話の使用は調べていないし規模が小さすぎて信頼できる結論は出せない。
Imperial College Londonの環境健康MRC-HPAセンター疫学上級講師Mireille B. Toledano博士
この研究は子どもの携帯電話の使用を特に調べたものではなく、20-28才の成人での研究である。携帯電話の使用については自己申告である。しかし我々は脳腫瘍患者やその近縁者は健康な人とは異なる思い出し方をする可能性があることを知っている。これは思い出しバイアスと呼ばれ知見の解釈を困難にする。この知見は極めて少数の症例とその対照に基づくもので不確実性が大きい。これらのデータから信頼できる結論は出せない。

  • イタリアのオリーブ包囲網

Science
Italy's olives under siege
By Erik Stokstad 7 May 2015
http://news.sciencemag.org/europe/2015/05/italys-olives-under-siege
イタリア南部のオリーブの木は恐ろしい細菌Xylella fastidiosaの餌食になっていてコントロールの努力にもかかわらずこの病気は北に拡大している。イタリアは植物の病気については初めての緊急事態宣言をし、今月はこの病気の一次運搬者であるアワフキムシPhilaenus spumariusのコントロールのために殺虫剤を散布する。
環境団体の一部は病気の木を排除することに反対活動をしていて、彼らから病気対策を守るために警察などが動員されている。
欧州委員会コスタリカホンジュラスからの観賞用コーヒーの木の輸入を禁止することを助言されている。

  • 厳しい時期

Natureエディトリアル
Challenging times
13 May 2015
http://www.nature.com/news/challenging-times-1.17521
動物での研究を禁止しようとする欧州の提案は抵抗を活発にした
動物実験を禁止するStop Vivisection発議が2012年に提案されてから欧州の研究者は慌ててきたが、今週欧州議会で行われた公聴会は灰色であった。この発議の提案者のプレゼンには説得力がなく、動物モデルはヒトの病気の研究に全く役にたたないという過激派の主張は一部の支持者を除きほとんど支持されなかった。
この公聴会EUにおける市民発議の導入による直接民主主義拡大の一環で、これにより個人が規制を提案することができる。提案には最低7ヶ国100万人の署名が必要で、それを集めたので欧州委員会公聴会を開く義務がある。そしてこのケースでは新しい規制が成立しそうにはない。
動物実験に関する議論においてはあまりにも長く活動家の支配が放置されてきた。彼らの不正確な主張と暴力的攻撃や殺すぞという脅迫は科学コミュニティや政治家や政府機関から批判されることがほとんどなかった。しかしここ数年、主に英国の科学団体によって、少しずつ変わってきた。ドイツは科学においては大きな国であるがこの努力をほとんどしてこなかったが最近の事件(活動家が研究所に侵入して動画を撮影し、編集してテレビで放送し、研究者とその家族に殺人予告がされて研究を止めざるを得なくなった)で大きく変わった。活動家の勝利かと思われたが動物実験の必要性を支持する声が大きかった。
(略)
欧州議会は6月3日までに決定を下す。

Natureニュース
European Commission unveils long-awaited science advice plans
Alison Abbott  13 May 2015
http://www.nature.com/news/european-commission-unveils-long-awaited-science-advice-plans-1.17557
欧州委員会委員長Jean-Claude Junckerは、欧州全域から招く7人の研究からなる上級委員会による新しい独立した科学助言システムを作る計画を発表した。7人の国際的に認められた専門家を25人の強力な秘書が支えるシステムを秋から運営する。
メンバーは3-4人からなる小委員会で選び、基準は研究のすばらしさのみになるだろう。

Fruit-fly paper has 1,000 authors
Chris Woolston 13 May 2015
http://www.nature.com/news/fruit-fly-paper-has-1-000-authors-1.17555
普通でない数の著者のゲノミクス論文が研究者らのソーシャルメディアでのつぶやきをうんでいる
G3: Genes Genomes Geneticsに発表された論文で著者は1014人でそのうち900人以上が学部生である。

  • Natureの今週号はインドの科学特集

Science in India
http://www.nature.com/news/science-in-india-1.17516

Anti-vaccine talk at GEO Centre cancelled after social media backlash
CBC News May 13, 2015
http://www.cbc.ca/news/canada/newfoundland-labrador/anti-vaccine-talk-at-geo-centre-cancelled-after-social-media-backlash-1.3072304
GEOセンターは今後のイベント予約の新しいポリシーを検討中
(Johnson GEO Centreは地学の教育展示を行っている施設で講演や結婚式なども行われる)
反ワクチン活動家のDr. George Grantが話す「ワクチン、スタチン、抗鬱薬についての真実を暴く」というイベントが6月16日にGEOセンターで予定されていた。これについてたくさんの人がGEOセンターのFacebookに中止を求めるコメントを書き込み、中にはGEOセンターそのものをボイコットしようと呼びかける人も現れた。最終的にGEOセンターでのイベントは行わないことになった。

  • 若い母親が日焼けマシンで皮膚がんになってショッキングな自撮り写真をシェアする

Young mum shares shocking selfie after tanning bed caused skin cancer
Thursday May 14, 2015
http://tvnz.co.nz/world-news/young-mum-shares-shocking-selfie-after-tanning-bed-caused-skin-cancer-6313125
27才のTawny Willoughbyが、日焼けマシンのリスクについて注意するため皮膚がんの治療中の写真をFacebookに投稿した。彼女は高校生時代、週に4-5回日焼けサロンに通っていて、21才で初めてがんと診断されてから扁平細胞がんと1回、基底細胞がんと5回診断されている。悪性黒色腫ではなかったのはラッキーだったと書いている。

  • 「我々の先祖が1万年前に食べていたものを再現するのは不可能なので」原始人ダイエットはインチキ、と教授は言う

Paleo diet is a fraud because 'it's impossible to replicate what our ancestors ate 10,000 years ago,' professsor says
14 May 2015
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3080850/Top-professor-slams-Pete-Evans-controversial-Paleo-diet-saying-impossible-replicate-ancestors-ate-10-000-years-ago.html
ミネソタ大学の進化生物学者Marlene Zuk教授が木曜日のパースのオーストラリア栄養士会年次会合で講演をする。石器時代の先祖のような食生活をすれば健康になるという原始人ダイエットの主張は、進化や穴居人についての誤解に基づく。
オーストラリア栄養士会プレスリリース
原始人のファンタジー:主導的科学者が狩猟採集生活について疑問を提示する
Paleofantasy: Leading scientist questions hunter-gatherer ways
Embargoed until 5am Thursday 14 MAY 2015
http://daa.asn.au/wp-content/uploads/2011/03/Paleofantasy-Leading-scientist-questions-hunter-gatherer-ways-FINAL.pdf
石器時代の食生活がどのようなものだったのかはあまりよくわかっていないが多分住む場所によって相当違っていただろう。今日我々が食べているものは石器時代の先祖が食べていたものと相当違う。真似をするのは不可能だ。
(こんなどう考えてもおかしいものにもまともに反論するんだ、えらいなぁ。日本の栄養士会はマクロビを取り上げて真っ向から批判とかしそうにないんだが・・)