食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 食品加工とアレルゲン性

Food processing and allergenicity
Kitty C.M. Verhoeckx et al.,
Food and Chemical Toxicology Volume 80, June 2015, Pages 223–240
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691515000848
ILSIによるレビュー
レビュー対象は木の実、牛乳、鶏卵、大豆、マスタード
加工によりタンパク質のアレルギー誘発性は代わる可能性はあるが無くならない
最も良く研究されているのは発酵と加水分解で加工による感作への影響はあまり研究されていない。食物アレルギーのリスク評価についてしっかりした方法論の開発が必要。

  • 新しい出版物は健康と革新における油脂の複雑な役割を探る

New publication explores complex roles of dietary fats and oils in health and innovation
15-May-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-05/qci-npe051515.php
結局のところ食事由来の油脂は我々にとって本当に良いのか?もしそうならどの種類をどれだけ摂取すれば健康上の利益が得られるのか?これらについて議論したAdvances in Nutritionの別冊が発表された。答えは必ずしも明確ではない。アメリカ人の食事ガイドライン2010では25-35%のカロリーを脂肪からとり、飽和脂肪は不飽和脂肪に置き換えることを薦めている。アメリカ人の多くはこの助言を達成していないが、トランス脂肪の摂取量は減った。"Fats and Oils: Where Food Function Meets Health,"は2013年11月の会議の成果。
http://advances.nutrition.org/content/current#SupplementFatsandOils

  • 遺伝子組換え酵母が自家醸造ヘロインへの道を拓く

Natureニュース
Engineered yeast paves way for home-brew heroin
Rachel Ehrenberg  18 May 2015
http://www.nature.com/news/engineered-yeast-paves-way-for-home-brew-heroin-1.17566
進歩はより良いオピエート鎮痛剤への可能性もあるが違法使用の懸念もある
Nature Chemical Biologyに5月18日に発表された論文で、単純な糖をモルヒネに変える生化学経路の最初の半分を含む酵母の系統を作ったことが報告された。他の方法の進歩と併せて数年以内、あるいは数ヶ月以内に、単一の酵母系統で完全なモルヒネ合成ができるだろうと研究者は予想している。
この進歩はより副作用の少ない、より効果的鎮痛剤を発酵で作れる可能性があるが、同時に違法薬物へのアクセスも簡単にする可能性がある。このため既に将来の研究を阻害することなく技術の誤用を防ぐ方法についての議論が始まっている。
現在オピオイド鎮痛剤の唯一の商用原料は芥子である。

コメント
ドラッグ:自家醸造オピエートを規制する
Drugs: Regulate 'home-brew' opiates
Kenneth A. Oye, J. Chappell H. Lawson& Tania Bubela
18 May 2015
http://www.nature.com/news/drugs-regulate-home-brew-opiates-1.17563