食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 普通でないことに、ドイツの科学者がGM表示のロビー活動をする

In unusual move, German scientists lobby for GM labeling
By Kai Kupferschmidt 18 May 2015
http://news.sciencemag.org/europe/2015/05/unusual-move-german-scientists-lobby-gm-labeling
GM食品の表示に関しては、通常戦線は明確で反対派が表示を要求し支持者が必要ないとする。しかし今日、ドイツの科学者やその他のGM支持者がGM生物の助けを借りて作った全てのものに表示を求めるキャンペーンを開始した。この普通でない申し立ては政治的ギャンブルで、GM製品が消費者に届くのをより難しくするのではなく、いかにGM製品が既に広く医薬品や食品や医療や洗剤に使われているかをドイツ人に示し、恐れることはないことを示すことを期待している。このドイツ議会への請願は明日からオンラインで募集され、ドイツ政府に全ての遺伝子組換え技術を用いた食品、飼料、医薬品、繊維、化学物質その他にGM表示を要求する法律を作ることを求める。
書いたのはForum Grüne Vernunft(緑の理性フォーラム) と呼ばれるグループのリーダーHorst Rehbergerで、ノーベル賞受賞者Christiane Nüsslein-Volhardを含む高名な科学者や政治家が支持している。今後4週間で5万以上の署名が集まったらドイツ議会はこの提案を検討しなければならない。
ドイツでは既にGM作物には表示が必要であるがGM飼料を食べたブタには必要が無く、これが不適切で誤解を招くとRehbergerは言う。グリーンピースやその他の環境団体はGM飼料で育てられた動物へのGM表示には賛同するものの他の製品については賛同しない。

  • The Beauty Brains

http://thebeautybrains.com/
美容業界のインチキについて取り上げているサイト
最新の界面活性成分より石けんがいいとか「植物コラーゲン」とか。
美容業界は嘘の宝庫なのでネタが尽きることはなさそう

  • ピロール尿症はよくある「病気」で・・神話

Pyroluria is a Common “Disease”…and Also a Myth
By Bill Sukala February 25th 2015
http://www.drbillsukala.com.au/nutrition/pyroluria-disease-myth/
最近Pyroluriaという病気を聞いたことがあるかと聞かれた。医学雑誌を探してみたがそんなものはないのにGoogleで検索すると無数の代替療法のサイトがPyroluriaを治すと主張していた。恐怖で麻痺して高価なオンライン検査法やサプリメントを買う前に、事実で武装しよう。
Pyroluriaにはたくさんの綴りや別名があり交換可能である。ピロール尿症、ピロール病、クリプトピロール、モーブ因子、ヘモピロール、など。
ピロール尿症仮説は1960年代に幻覚剤革命の全盛期に提示されたもので、当時LSDの影響が統合失調症患者の症状と類似することからトリップしたヒトを調べると統合失調症の知見が得られるのではないかと考えられた。LSD使用者の尿からバイオマーカーを探し、そのひとつがクリプトピロールkryptopyrroleであった。LSD使用者と統合失調症患者の尿からクリプトピロールが検出されるのでこれが精神障害発症の理由ではないかと考えられた。
ピロール尿症の主張者はヘモグロビン合成に関わる化学的バランスの悪さがクリプトピロールを作りすぎで尿に排泄されるという。「症状」は腹痛から体臭まで多様で曖昧である。
しかしピロール尿症仮説は科学的吟味に耐えられず、統合失調症患者の尿にクリプトピロールがあるという知見は再現されていない。そして1970年代に完全に否定された。
にもかかわらず現在でも宣伝され、検査と称して80-150ドルのキットが販売されその後はそれを治療すると称するサプリメントが売りつけられる。
(日本でも宣伝してる人たちがいる。オーソモレキュラーとか医薬品業界批判とセットらしい。ターゲットは精神疾患周辺なので要注意)

  • 免許を取り消された医師が根拠のない幹細胞治療を続けている

LATimes
Doctor with revoked license continues to sell unproven stem cell treatments
May 16, 2015
http://www.latimes.com/local/california/la-me-stem-cell-injections-20150517-story.html#page=1
20年前に、絶望的な患者に根拠のない幹細胞治療を売り始めたWilliam Raderは昨年秋にカリフォルニア当局から医師免許を永久に取り消された。しかし今はカリフォルニアの企業の「主任科学者」として宣伝を続け注射をし続けている。
医事に関しては免許取り消しが可能な最高の懲罰であり、FDAは米国以外では権限がない。(治療自体はメキシコでやっているようだ)FTCは虚偽の宣伝を取り締まる権限があるが何千万何億という疑わしい主張をしているウェブサイトやブログがあり全てに対応するのは不可能である。中絶胎児由来の幹細胞だという注射をあらゆる病気に効くとして売っている。

  • カフェインパウダーには恐ろしいリスクがある

Caffeine Powder Poses Deadly Risks
By Murray Carpenter May 18, 2015
http://well.blogs.nytimes.com/2015/05/18/caffeine-powder-poses-deadly-risks-2/?_r=0
1年前、オハイオ州の優等生で卒業間近の高校生Logan Stinerがアマゾンで購入したカフェイン粉末を使って活力を上げようとして過剰使用により死亡した。
数週間後、ジョージア州の大学を卒業したばかりの新婚の24才のJames Wade Sweattが、同じくオンラインで購入したカフェイン粉末を混ぜたドリンクを作り昏睡に陥り死亡した。彼は健康オタクでいつも飲んでいたDiet Mountain Dewより純水とカフェインだけの飲料の方が健康的だと考えた。
カフェイン粉末はダイエタリーサプリメントとして販売されほとんど規制がなく広くオンラインで販売されている。一部の店ではビタミンやプロテインと一緒に、自分用サプリメントを配合するために販売されている。警告表示はあるが任意である。法律家や消費者団体、死亡した若者の親などが販売禁止を求めている。
ニューヨークのSuffolk郡は11月に粉末カフェインの未成年への販売を禁止し1月には民主党上院議員6人がFDAに粉末カフェインの販売禁止を求めた。3月にはStiner夫妻がアマゾンなどの販売業者に対して裁判をおこした。ダイエタリーサプリメント業界団体は最近加盟業者に消費者に直接粉末カフェインを販売しないよう要請した。そして4月にイリノイオハイオはカフェイン粉末の小売り禁止法案を承認した。同様の法案が他の州でも導入されている。
このことが重要なしかしあまりわかっていない薬物、カフェインへの注目を集めている。カフェインはお茶やコーヒーのような植物から抽出することもできるがより安価な合成品がある。2014年は米国は約1700万ポンドの粉末カフェインを中国、ドイツ、インドから輸入している。多くはソフトドリンク業界で使われている。
カフェインの包装や販売形態によりこの粉末は異なる規制をされる。錠剤やエネルギーショットならダイエタリーサプリメント、炭酸飲料やエネルギードリンクだと食品、NoDoz などの製品はOTC医薬品あるいは処方薬である。粉末カフェインの販売に連邦規制はないがFDAのスポークスウーマンJennifer Corbett Doorenは検討すると言っている。
Stiner夫人はFDAが対応しないことを理解できないという。

  • Facebookの新しい馬鹿げた流行:自分に火を付ける

The new fad on Facebook: Setting yourself on 'fire'
May 18, 2015,
http://timesofindia.indiatimes.com/tech/tech-news/The-new-fad-on-Facebook-Setting-yourself-on-fire/articleshow/47331018.cms
かつてアイスバケツチャレンジに批判があったが今度は「ファイアーチャレンジ」が保護者の頭痛の種になっている。Facebookの「ファイアーチャレンジ」では可燃性の液体を身体にかけて火をつけ、炎が燃え上がる前にプールに飛び込む。これをやった若者が重傷を負ったあるいは死亡したという報告があり、二人の息子が自分に火をつけた両親がこのような危険な動画をインターネットから削除するよう要請した。