食品安全情報blog過去記事

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その他

  • スーパードラッグの精子数の主張についての根拠がない

Senseaboutscience
Superdrug lacks evidence on sperm count claims
01 June 2015  VoYS 会員 Chelsea Snell
http://www.senseaboutscience.org/blog.php/116/superdrug-lacks-evidence-on-sperm-count-claims
受胎能に影響するかもしれないことについての記事が定期的にメディアやインターネットに現れる。例えばMail Onlineにはスーパードラッグ(オンラインドクターを自称している業者のサイト)と協力した「精子の最適な健康のためのtips」という記事があった。Sheffield大学のAllan Pacey教授とEdinburgh大学のRichard Sharpe教授にこれらの主張を聞いてみた。
1.きつい下着
2.体重
3.飲酒や喫煙
4.日焼け止め
5.水のボトルとフライパン
6.ポケットに携帯電話
最後に
スーパードラッグには見た目の良いグラフィックとそれっぽい情報源がある。しかしその結論は専門家とは違う(しかも彼らの研究が情報源に含まれているのに)
我々はスーパードラッグに連絡して専門家に聞いて本当に役立つサイトに改訂するようお願いした。「我々は健康についての主張には本当に注意しなければならない。たとえ科学論文の結論が引用してあってもそれは都合の良いデータだけを集めたものかもしれない」

  • 乱獲が欧州の魚の種を絶滅させようとする

ScienceInsider
Overfishing could push European fish species to extinction
By Allie Wilkinson 3 June 2015
http://news.sciencemag.org/europe/2015/06/overfishing-could-push-european-fish-species-extinction
国際自然保護連合が本日発表した報告書によるt、欧州海域の90以上の種が絶滅危惧である。サメやエイなどの軟骨魚でリスクが高く、約40%が絶滅に直面している。主な脅威は乱獲である。
European Red List of Marine Fishes
https://portals.iucn.org/library/sites/library/files/documents/RL-4-017.pdf

  • データ共有の遅さが再現性の努力を妨げる

Natureニュース
Sluggish data sharing hampers reproducibility effort
Richard Van Noorden 03 June 2015
http://www.nature.com/news/sluggish-data-sharing-hampers-reproducibility-effort-1.17694
50のがん論文の妥当性を評価する試みが元の研究データを入手することの難しさを発見
Nature、Cell 、Scienceなどの雑誌に2010-12年に発表された引用数の多い50論文の実験を再現しようとする「再現性イニシアチブ:がん生物学」コンソーシアムは、研究の誠実さに関する第4回世界会議で6月3日、論文の元データを入手するのに平均2ヶ月かかったことを発表した。これらの雑誌では必要に応じデータの共有を求めているにもかかわらず、ある論文では1年もかかった。4論文の著者はプロジェクトとのコミュニケーションを拒否した。多くの著者は協力したが予想以上に時間がかかった。
これまで50論文中31論文のデータを入手した。妥当性評価試験はいくつか行われた。

  • 読者からの質問:アメリカ人の平均寿命は短くなっている?

ACSH
A reader asks: is life expectancy in America declining?
June 3, 2015 by admin
http://acsh.org/2015/06/a-reader-asks-is-life-expectancy-in-america-declining/
読者からの質問:Citiのコマーシャルで「アメリカ人の子ども達が、初めて保護者世代より短命になると予想されている」と主張している。これは嘘だろう。調査して欲しい。
問題のCMは貧困地域の子ども達に栄養のある食事を提供することで肥満問題と戦うと主張している企業であるRevolution Foodsのことを説明したものである。Citiはその協力者として名前をあげられているが、支援の内容は不明である。創設者の1人がCitiで働いたことがある。Revolution Foodsの主張は「スーパーフード」や「ナチュラル」などの健康関連バズワードだらけであるがGMO反対でもなくグルテンフリーを推進しているわけでもない。彼らはその主張の根拠となるデータを提示しなかったので、我々が少し探ってみた。寿命が短くなるという主張は2000年の10月の英国のもと公衆衛生大臣Yvette Cooperに起源がある。彼女は子どもの肥満の増加で将来の寿命が短くなる「リスクがある」と言っている。米国公衆衛生長官Richard H. Carmonaも2004年に議会の委員会でこのまま肥満と不健康な食生活が続けばそのせいで寿命が短くなる最初の世代になるかもしれない、といっている。科学文献では2005年3月のNew England Journal of Medicineで、肥満対策をしなければ寿命に負の影響があるだろうと説明されている。
実際のデータは1940年代以降、寿命は延び続けている。最新のデータは過去最高である。問題はアメリカ人の平均寿命が他の先進国よりみじかいことである。
寿命についての主張には根拠はない。他の主張はどうだろうか?Revolution Foodsは健康な食事にアクセスできない子どもは2300万人といい、大統領夫人の発表は600万人程度といっている。多分Revolution Foodsは全てのアメリカ人は子どもだと考えているのだろう。
ACSHの Nicholas Staropoliは言う「Revolution Foodsの志は価値がありその行動計画は公衆衛生上の前進であろう。しかし彼らのデータは誤解を招くもので恐怖を煽ることとの境界線上である。このような戦略は有害である。格言に言う「良い考えについての間違った支持は、それに反対する良い反論より有害である」」
(適切な批判は有益でより良いものにするための役にたつが、筋の悪い援護は最終的にはもとのアイディアをダメにする。敵か味方かを判断基準にしたらそれでおしまい。)

Italian scientists vilified in wake of olive-tree deaths
Alison Abbott 01 June 2015
http://www.nature.com/news/italian-scientists-vilified-in-wake-of-olive-tree-deaths-1.17651
警察が壊滅的流行における研究者の役割を捜査している
イタリア南部Pugliaで猛威を振るっている病原体の研究をしている科学者は、英雄として賞賛されることを予期していなかったがそれが最終的に悪党として批判されることになるのはさらに予想しなかっただろう。昨年、各機関の植物科学者が地元活動家に批判されてきたが最も最近では病原体を拡散させた責任があるのではと警察の捜査対象になった。何人かのXylella研究者がコンピューターや科学文献を没収された。
Xylellaアウトブレイクが始まった直後、環境活動家や農家は、木を根こそぎにしたり農薬を使ったりする封じ込めに反対した。しかしPugliaの科学者の困難は、誰かが警察に、科学者がこの菌を持ち込んだと疑っている、と話したことから始まった。科学者は系統が違い馬鹿馬鹿しい主張だと言っていたが疑いはより広範な、病気の流行に科学者がどんな役割を果たしたのかなども含む調査につながった
5月にイタリアの農業学会連合が科学者を擁護する声明を発表したが、科学者たちは有名なブログの批判などにも反論しなければならなくなっている。
(イタリアって地震の時も科学者が悪いという話で盛り上がってたような。スケープゴートを望む社会はおそろしい。)

  • 中国の新しい象牙規制は状況を変えるか?

Will China’s new ivory controls make a difference?
David Cyranoski  03 June 2015
http://www.nature.com/news/will-china-s-new-ivory-controls-make-a-difference-1.17692
環境保全主義者は歓迎するがアフリカの象の問題は残る
先週中国で違法に輸入されて没収された650kg以上の象牙が圧砕された。同時にZhao Shucong林業省長官が象牙の合法取引に対して規制すると発表した。Natureはその規制が実際どうなのかを取材した。
中国の新興富裕層が台頭したことや文化遺産として推進している人たちがいることで需要が急増。
(文化だと言い訳されているものにろくなものがないことについて)

  • 妊娠:予期せぬ出生前検査の結果に備えよ

Natureコメント
Pregnancy: Prepare for unexpected prenatal test results
Diana W. Bianchi 03 June 2015
http://www.nature.com/news/pregnancy-prepare-for-unexpected-prenatal-test-results-1.17655
胎児の検査で母親の方の健康問題が明らかになる場合がある。同意文書の改訂と啓発が必要。
(個人の遺伝子検査結果だって遺伝病が見つかって家族に影響することもある)

  • 「理想の身体」への熱望がより多くのティーンエージャーを病院送りにしている

Desire for ‘ideal body’ puts more teenagers in hospital
June 4 2015 Rosemary Bennett
http://www.thetimes.co.uk/tto/health/news/article4459878.ece
BBCラジオ1のnewsbeatによると摂食障害で通院する10代が過去3年で2倍になった。
2010-11が959だったのに2013年4月から2014年3月は1815になった。
Your eating disorder questions answered by the experts
http://www.bbc.co.uk/newsbeat/article/32991846/your-eating-disorder-questions-answered-by-the-experts