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FDAは加工食品の人工トランス脂肪を排除する対策をとる

ニュースリリース
The FDA takes step to remove artificial trans fats in processed foods
June 16, 2015
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm451237.htm
対応により冠動脈心疾患を減らし年に数千件の致死的心臓発作を予防することが期待される
科学的根拠の包括的レビューにより、FDAは本日、加工食品中の人工トランス脂肪の主な摂取源である部分水素添加油(PHOs)を、ヒト食用の「一般的に安全と認められる」あるいは「GRAS」ではないという決定を最終化した。食品業者は製品からPHOを排除するのに3年の猶予を与えられる。
FDAは2013年にPHOはもはやGRASとはみなされないと暫定的に決定していて、パブリックコメントを検討した後この決定を最終的なものとした。
2006年以降、製造業者は食品の栄養成分表示にトランス脂肪を含めることを求められてきた。FDAは2003年から2012年の間にトランス脂肪の摂取は78%減少したと推定していて、表示規則と企業による食品組成の変更が重要な要因だった。IOMはトランス脂肪の摂取は栄養学的に適切な食事の中で可能な限り少なくすることを薦めている。
FDAは規則に従うための期間として3年を設定した。この期間に企業は製品をPHOを使用しないものに組成変更する及び/またはFDAに特定のPHOの使用について認可申請をすることができる。この期間が過ぎれば、FDAの認可を得ない限り食品にPHOを添加することはできない。
消費者に対しては食品の成分表をチェックすることでトランス脂肪の削減を薦める。現在食品には一食あたり0.5g以内ならトランス脂肪「0」と表示できる。
多くの企業が既に加工食品からPHOを排除するための対応をしていて、3年以内に多くの企業は排除できるだろう。

  • 消費者をトランス脂肪から守る

Protecting Consumers from Trans Fat
Posted on June 15, 2015 by FDA Voice
By: Susan Mayne
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2015/06/protecting-consumers-from-trans-fat/
本日FDAは食品供給網から人工トランス脂肪を排除するための対応をした。
PHOは1950年代以降、加工食品の保持期限を改善するために使われてきた。FDAは加工食品中の人工トランス脂肪の主な摂取源であるPHOを、GRASではないという最終決定を発表した。このことは2018年6月18日以降はFDAが別途認可しない限り食品に添加できないことを意味する。
この場合、食品を長持ちさせるためには良いことがヒトの寿命をのばすことにも良くはないことが明らかになった。2002年のNASのIOMの報告書でトランス脂肪の摂取量と血中LDLコレステロールの増加が直接関連することがわかった。このことは心疾患リスクが増加することを意味するので心疾患を予防するための対策が期待された。2006年にFDAは栄養成分表にトランス脂肪の量を表示することを求め、多くの企業は自主的に製品の組成を変え、消費者はトランス脂肪を避け始めた。食品中のトランス脂肪量は減ったが、フロスティングや電子レンジポップコーン、パックされたパイ、冷凍ピザ、スティックマーガリン、コーヒークリームなどの一部の食品にPHOは使い続けられ、それらをとり続ける消費者のトランス脂肪摂取量は平均的消費者の2倍になっていた。本日FDAはPHOがGRASではないという決定を発表した。