食品安全情報blog過去記事

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毎日自分の体重を計ることが減量に役立つかもしれない

Behind the headlines
Weighing yourself every day may help with weight loss
Friday June 19 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Weighing-yourself-everyday-helps-with-weight-loss.aspx
Mail Onlineが「毎日体重計に乗ることが減量の鍵となるかもしれないことを研究が発表した」と報道した。この報道は毎日体重を計ることが小さいが継続する減量につながることを示唆した米国の研究に基づく。この研究は162人の肥満と過体重のヒトを毎日体重を計ってグラフにする群と対照群に分けた。どちらも減量のための教育は行う。1年後、体重を計った群は平均で2kg、計らなかった群より多く減量した。主に男性での差による。女性ではどちらの群も同じような結果だった。この研究には例えば体重を計る群は対照群よりプレッシャーを多く感じただろうといった限界がある。また減量が観察されたのは一部の男性のみ(40人)で、より大きな試験で確認する必要があるだろう。
体重測定は既に多くの減量計画の一部となっている。一部のヒトにとっては定期的に自分で体重を計ることは役にたたず逆にがっかりしてしまう可能性がある。自分自身を動機づけるためには人により異なる方法があり全てにあてはまる解決法はないだろう。

  • 喫煙は12の異なるがんによる全ての死亡の半分の原因

Smoking causes half of all deaths in 12 different cancers
Thursday June 18 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Smoking-causes-half-of-all-deaths-in-12-different-cancers.aspx
Mail Onlineが「米国の研究によると12の喫煙関連がんによる死亡の約半分が直接喫煙に関連してる可能性がある」と報道した。英国では成人の19%、米国では17%と同様の喫煙率であるため同じようなパターンであろう。
研究者らはこれまでの研究のデータを用いて死亡割合を推定した。驚くべきことではないが、喫煙と最も強く関連していたのは肺がんで(死亡の80%)、次が口と喉のがんである。しかしながらこれは過去の研究データを用いた推定であることに注意が必要である。
あなたが喫煙者なら、健康のためにできる最良のことは禁煙である。

  • 授乳に問題があるのは遺伝的なものだというのは早すぎる

Too soon to say if breastfeeding problems could be genetic
Thursday June 18 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Too-soon-to-say-if-breastfeeding-problems-could-be-genetic.aspx
Mail Onlineが「あなたが授乳できないのは遺伝子にそう書いてあるせい?」と尋ねる。この質問はZnT2というタンパク質に問題があると妊娠後の乳汁分泌が制限されるかもしれないことを発見した動物実験による。問題のタンパク質は亜鉛が乳腺の細胞に移行するのを助ける亜鉛輸送体である。マウスの乳腺の正常な構造と機能に重要な役割を果たすことがわかった。ZnT2の機能不全遺伝子組換えマウスが赤ちゃんを産むと正常マウスより乳量が少なく栄養が乏しく、赤ちゃんの生存率が低い。このような動物実験は個々のタンパク質の役割について良い知見を提供する。ヒトでも同様の役割を果たしている可能性はあるが重要な違いがあるかもしれない。また女性における乳汁分泌の差にこの亜鉛輸送体の異常がどのくらい関わっているのかについては評価されていないのでわからない。多くの女性は最初は授乳が困難で、必ずしも自然にできるようになるわけではない。専門家による助言や忍耐などが必要になるが通常は徐々に克服できる。

  • アボカドは白血病治療の鍵となるか?

Could avocados hold the key to treating leukaemia?
Wednesday June 17 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Could-avocados-hold-the-key-to-treating-leukaemia.aspx
Independentが「アボカドは希なタイプの白血病に打ち克つ鍵となりうる」と報道した、特に急性骨髄性白血病に。この見出しを読んだ読者はアボカドを食べると白血病治療に役立つような印象を持つかもしれないがそれは違う。研究者らはアボカドの種(それは食べない)に含まれるアボカチンBという化合物が実験室での白血病細胞を殺す作用があることを報告した。これは面白い発見でこれから新しい薬物の開発につながるかもしれないがそれには長い時間がかかるだろう。

  • チョコレートを食べることは脳卒中リスクを少しだけ下げるかもしれない

Behind the headlines
Eating chocolate may slightly lower your risk of stroke
Tuesday June 16 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Eating-chocolate-may-slightly-lower-your-risk-of-stroke.aspx
「1日2本のチョコレートバーは心疾患と脳卒中リスクを追い払う」とDaily Mirrorが報道した。この見出しはNorfolkの住民が参加した大規模研究の結果によるものである。最も多くチョコレートを食べる人たちと全く食べない人を比べて、チョコレートは脳卒中と心血管系疾患のリスクの低さと関連した。しかし冠動脈心疾患リスクについては統計的有意差はなく、前述の結果は偶然の可能性がある。
最も注意が必要なのは、チョコレートに関連する何らかのメリットは実際にはその人の全体的な健康状態がよいことと関連している可能性があるということである。この研究にはその兆候がある。例えばチョコレートを多く食べる人は運動量が多いなど健康的な行動と関連していた。またチョコレートに含まれる大量の砂糖と脂肪を無視してはならない。もしあなたが肥満や過体重なら、あなたの体重は健康に悪く、チョコレートをたくさん食べると事態は悪化するだろう。

  • 1日手に半分のナッツは「早期死亡リスクを下げる」

Half a handful of nuts a day 'reduces early death risk'
Friday June 12 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/06June/Pages/Half-a-handful-of-nuts-a-day-reduces-early-death-risk.aspx
オランダの研究が毎日ナッツを食べることとがんや心疾患を含む多数の慢性疾患による死亡率の低さとの関連を見いだしてDaily Telegraphが「1日に手に一杯のナッツがあなたの命を救う、と新しい研究が言う」と報道した。この研究はオランダの中高年のライフスタイルと食習慣を評価して10年以上フォローしたものである。全体として、研究者らはナッツを食べる人の全原因での死亡と心血管系疾患やがんなどの特定の原因での死亡リスクが低いことを見いだした。最もリスクが低かったのは1日5-10gのナッツを摂取する人であった。しかしながら全てのリスク低下が有意だったわけではなく、一部の解析はごく少数であり結果の一部は信頼性が低い。またナッツの摂取は全体として健康的な食生活とライフスタイルの一要因に過ぎない可能性があり、定期的にナッツを食べる人は他の部分でも健康的である可能性がある。