食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 「フィットネス」食品は消費者により多く食べさせ運動を減らす

'Fitness' foods may cause consumers to eat more and exercise less
23-Jun-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-06/ama-fm062315.php
体重を気にする消費者はしばしばClif Bars や Wheatiesといったフィットネスを促進するという宣伝のなされた食品に惹きつけられる。しかし Journal of Marketing Researchに発表された研究によるとそのような「フィットネスブランディング」は、消費者にそのような食品をより多く食べさせ運動量を減らし、減量への努力を損なう可能性がある。
「彼らのダイエット計画の中ではある食品が禁止されているにも関わらず、それに「痩せるのによい」といったブランディングがなされていると、減量中の人でもそれを食べる量が増える。さらに悪いことに、彼らはそのような食品が運動の代わりになるとみなして運動量を減らす」と著者は書く。

  • 調査:多くの医師はオピオイド濫用の重要な側面を誤解している

Survey: Many doctors misunderstand key facets of opioid abuse
23-Jun-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-06/jhub-smd062315.php
米国で最も多く処方用鎮痛剤を処方しているプライマリーケア医は、人々がどうやって濫用する可能性があるのか、異なる剤型はどのくらい依存性があるのかについて理解していない。Clinical Journal of Painに発表されたJohns Hopkins Bloomberg公衆衛生大学院の研究が示唆する。オピオイドは一部の患者には重要なものであるが患者や提供者への教育の必要性を示した。
(処方薬の濫用で薬物依存なんて医師が処方しなければおこらないのに。)

Cannabinoids for Medical Use
A Systematic Review and Meta-analysis
Penny F. Whiting et al.,
JAMA. 2015;313(24):2456-2473 June 23/30, 2015
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2338251
カンナビノイドのベネフィットと有害事象についての系統的レビュー。合計で79の試験(参加者6462人)が含まれ、4がバイアスリスクが低いと判断された。ほとんどの試験でカンナビノイドに関連して症状の改善が示されているが全ての試験をあわせると有意差はない。短期有害事象はある。

  • 慢性の痛みやその他の医学的および精神医学的問題の治療目的での医療用大麻

Medical Marijuana for Treatment of Chronic Pain and Other Medical and Psychiatric Problems
A Clinical Review
Kevin P. Hill,
JAMA. 2015;313(24):2474-2483.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2338266
2015年3月現在で23州とコロンビア特別区で医療用大麻法が実施されているため、医師は科学的根拠と法の実務的意味について知る必要がある。
大麻の慢性痛、神経痛、多発性硬化症による痙性への使用については質の高い根拠で支持される。医療用大麻は多数の症状に使われているが根拠があるのは僅かで、多くは根拠がない。医師は適切に使用されるよう患者を教育すべきである。

Cannabinoid Dose and Label Accuracy in Edible Medical Cannabis Products
Ryan Vandrey et al.,
JAMA. 2015;313(24):2491-2493.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2338239
米国の3つの市で販売されている食べられる医療用大麻製品の表示の正確さを調べた。47ブランド75製品中正確に表示されていたのは17%

Medical Marijuana
Amy E. Thompson
JAMA. 2015;313(24):2508.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2338256
オープンアクセス
医療用大麻に関する法律は州により異なる。FDAはどんな病気の治療法としても大麻を認可していない。FDAが認可するには多くの人々で注意深い研究が必要である。大麻には有効性と安全性に関する十分な研究はない。ただし研究は進行中で、これまでのところ慢性の痛みや神経痛、多発性硬化症対麻痺による筋痙直に効果があるかもしれないことが示唆されている。ほとんどの州では大麻は慢性の痛みや重症で持続する筋痙直の治療に使える。一部の州では緑内障や発作やPTSDなどにも使用できる。医療用大麻法をもっている州には独自の認可リストがある。
大麻の有効成分はカンナビノイドと呼ばれる化合物で、大麻製品はカンナビノイドの組成や量で異なりそのため効果も異なる。合成カンナビノイドであるカンナビノールとナビロンはFDAが認可した錠剤として処方により入手できる。
大麻には全ての薬物同様にリスクがある。連邦法では現在大麻は医療用には認められておらず濫用の可能性が高いので医師は大麻を処方できない。医療用大麻の使用が認められている州では医師が使用を認めることができる。州によっては医療用大麻使用のためのIDカードを発行している。
医療用大麻の使用について質問があれば医師に相談すること。

総脂肪について制限廃止
The 2015 US Dietary Guidelines
Lifting the Ban on Total Dietary Fat
Dariush Mozaffarian, MD, DrPH1; David S. Ludwig,
JAMA. 2015;313(24):2421-2422.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2338262
食事ガイドライン助言委員会の最近の助言に基づき、この「視点」ではUSDAとHHSに2015年食事ガイドラインから、健康的な脂肪の摂取を促進するために総脂肪摂取量の上限を無くすよう強く薦める。