食品安全情報blog過去記事

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豚肉のクマテトラリルとワルファリン−MRL

Coumatetralyl and warfarin in pork - maximum residue limits
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/chemicals/Pages/Proposal-to-include-maximum-residue-levels-for-rodenticides.aspx
FSANZは現在二つの殺鼠剤−クマテトラリルとワルファリン−の暫定MRL設定提案に向けた作業をしている。
何故この提案を準備しているのか?
APVMAの暫定基準に揃えるためである。一部の検査でブタ肝臓から微量のこれら物質が検出されたため、農業省の要請に対応したものである。農業省の検査では筋肉組織からは検出されていない。
豚肉は食べても安全か?
エス。一部のブタレバーから極微量の残留物質が検出されているが、濃度は極めて低くFSANZのリスク評価では公衆衛生や安全性へのリスクは極めて低い。FSANZのリスク評価は保守的で、全ての年齢集団に置いて国際的健康ガイドライン値より十分低い。
何故MRLを設定するのか?
オーストラリアではMRLがないとゼロトレランスになる。このことはMRLが設定されていない極微量の農業獣医用薬物の検出された食品は基準違反となり、安全上の問題はないのに販売すると違法となることを意味する。MRLを設定することで意図せず微量の残留物質を含む一部の豚肉がオーストラリアで合法的に販売できる。
なぜこれらの化合物がブタに含まれるのか?
現在調査中である。
どうやってFSANZは提案されているMRLが安全だとわかるのか?
FSANZは入手できる最良の科学的データと国際的に認められているリスク評価方法を用いて食事暴露評価を行った。その結果は、提案されている基準値が公衆衛生や安全に懸念とならないことを示していた。
それらのMRLは恒久的なものか?
ノー。APVMAが来年レビューする。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150525#p9
http://www.foodstandards.gov.au/code/proposals/Documents/M1012-CFS.pdf
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140311#p5