食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 山火事による大気汚染は心臓のハザードとなる

Air pollution from wildfires may ignite heart hazards
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/aha-apf070915.php
Journal of the American Heart Associationに発表された新しい研究によると、山火事由来の大気汚染は心臓停止などの心臓の問題のリスクを増やすかもしれない。喘息などの呼吸器の問題との関連はこれまで報告されている。オーストラリアの研究。

  • NYUの研究が米国高校上級生の向精神作用のある「バスソルト」の使用を吟味する

NYU study examines psychoactive 'bath salt' use among US high school seniors
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/nyu-nse071515.php
近年新しい向精神薬物の数が急増し、2014年には世界で101の新規向精神薬物が同定されている。そのような薬物はしばしば「リーガルハイ」や「研究用試薬」としてインターネットや店舗で販売されている。そのなかでも米国では「バスソルト」が最もよく使われている。The American Journal of Addictionに発表されたJoseph J. Palamarらの研究ではバスソルトの自己申告による使用率は、過去12ヶ月以内に1.1%だった。そのうち33%は一度か二度のみで、多くは実験的に使っていることを示唆している。しかしながら40回以上使った人が18%いる。使用リスクが高いのは一緒に住んでいる親が二人より少ない、週に50ドル以上稼ぐ、週に4-7晩遊びに出かける。

Review examines nutritional issues related to autism spectrum disorder
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/asfn-ren071515.php
Advances in Nutritionの2015年7月号は「自閉スペクトラム疾患の人の栄養状態:我々は十分知っているか?」という特集。自閉スペクトラム疾患があると特定の食行動や感覚器の過敏症のために栄養状態が悪くなる場合がある。保護者が注意すべき早期警告信号や、中高年の自閉スペクトラム疾患患者の栄養についての研究の必要性などを指摘している。

  • 健康食品があなたを太らせる?

Are Health Foods Making You Fat?
By K. Aleisha Fetters July 10, 2015
http://health.usnews.com/health-news/health-wellness/articles/2015/07/10/are-health-foods-making-you-fat?source=acsh.org
スーパーマーケットにはかつてないほど「健康的な食品」が溢れている。一方アメリカ人のウエストは過去最高になっている。残念ながらそこに関連があるかもしれない。
もちろん健康食品コーナーの全ての食品が揚げシュークリームと同じというつもりはない。しかし一部の食品はあなたが期待するよりはるかに健康的でない。そして本当に健康的であってもあなたを太らせることはできる。ダイエットをするなら以下の3点をチェックしよう。
1. 誤解を招く表示
「脂肪ゼロ」「無糖」「減塩」などの表示があるがそれだけでヘルシーなわけではない。ジェリービーンズが「脂肪ゼロ」だから健康的なわけではない。さらに10%全粒穀物が含まれていれば全粒穀物と表示できるがあなたは100%と誤解するかもしれない。「低炭水化物」「ナチュラル」「活力を与える」などの表示は規制されていない。これらの包装の表面にある表示は食品全体の栄養含量の一部しか表現していない。残念ながら多くの人が背面の栄養成分表示を見ることなく表面だけで健康的だと判断している。
2. あなたが思っているより脂肪や砂糖やカロリーが多い
何かを製品から除外すると他の何かで代用される。グルテンフリー食品は脂肪やカロリーや糖がグルテンを含む食品より多く、無脂肪食品は砂糖や塩が多い。
3. 食べ過ぎの原因になる
人々は「ヘルシー」と考えると「多く食べても太らない」と考える。さらに運動までしなくなる。

Oregon study suggests organic farming needs direction to be sustainable
14-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/uoo-oss071415.php
49州での約10年のデータをレビューし、大規模有機農業は温室効果ガスの排出を減らしていない、とオレゴン大学の研究者はいう。農業用地の3%でしかないが、有機農業の商品は増加している。それが農地当たりの温室効果ガスの排出量の増加に寄与しているようだ、とオレゴン大学社会学部の博士課程のJulius McGeeがAgriculture and Human Valuesに発表した研究で報告した。McGeeはオーガニック食品の定期的使用者であるが、この研究は困惑する結果のようにみえるが重要なことはオーガニック食品の運動がどこに向かっているのか、どうやってそこに到達するのかを再評価する必要があるということだ、という。
慣行栽培から有機栽培に移るときに我々が何をしてその環境への影響がどうなのかが大きな問題である。有機農業産業はこれまでのところ温室効果ガスの排出を緩和していない。
(文系のオーガニック愛好者から疑問が提示されたことに意味があるのかもしれない。農業やってる人たちはとっくに有機が欺瞞だというのは知っている)

  • ヒトによる環境変化が作物や授粉媒介者に影響し数百万人に害を与える可能性

Human-wrought environmental changes impacting crops, pollinators could harm millions
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/hsop-hec071415.php
ハーバード大学公衆衛生学部のT.H. Chanらの授粉媒介者についての論文はThe Lancetに発表。大気中二酸化炭素濃度が上がると食品の亜鉛濃度が下がるという研究はLancet Global Healthに発表。
(Lancetってこういうのも取り上げるからね。気候変動は最近関心が高い)

  • 研究は食事の多様性を増すことがあなたの腸をより健康的にするかもしれないことを発見

Research finds diversifying your diet may make your gut healthier
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/ioft-rfd071515.php
シカゴで食品技術研究所(IFT)の開催した「IFT15: 科学が革新の糧になるとき」でMicroBiome Therapeuticsの副社長で主任科学官のMark Heimanのレクチャーによると、過去50年間の食事の多様性の減少が肥満や2型糖尿病、消化器系の問題、その他の疾患の増加に寄与しているかもしれない。消化管のマイクロバイオームには何兆もの微生物が含まれ、機能を最適化するには多様な食事が必要となる。他の生態系同様、多様性の大きいものが健康的であろう。これまで研究されてきたほとんどの病気でマイクロバイオームの多様性が失われていた。

  • 消費者の増加するタンパク質需要への回答は昆虫かもしれない

Insects may be the answer to consumer demand for more protein
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/ioft-imb071515.php

  • 中国と台湾が食品安全法を強化

China, Taiwan strengthen food safety laws
15-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/ioft-cts071515.php
同じくIFT15から。