食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 完全科学犯罪?

The Perfect Scientific Crime?
By Neuroskeptic | July 14, 2015
http://blogs.discovermagazine.com/neuroskeptic/2015/07/14/the-perfect-scientific-crime/#.VaZyuTt4ouo
最近再び科学詐欺がニュースになったので私は捕まることなくデータを改ざんすることが可能かどうか考えてみた。科学の完全犯罪は可能だろうか?どうすれば詐欺師がやりにくくなるようにできるだろうか?
詐欺師がつかまる場合は、通常2つの段階がある。最初は誰かが発表されたデータに疑わしい点があると気がつく。数字だったらあまりにもきれいすぎる、他のデータの使い回しなどでPubPeer にはそのような事例がたくさんある。その後疑いはデータのソースの調査につながる。純粋にデータのソースを第三者が調査しただけで詐欺が発見された事例を知らない。つまり科学には定期的監査はない。ということは、疑いをもたれないように、ありそうなデータをでっち上げれば完全犯罪ができるという不穏な結論になる。
多くの目があればバグを見つけられると言われる。科学においては発表されたデータには多くの目があるがデータを作るところには目がない。
ほぼ見つからない詐欺は、他の人も参加させて実際に実験をし、データの管理は自分でやり、実際の測定値をいくつか改ざんしてもっともらしい結果にすることである。生データを見て比較することができる同じ実験室の告発者がいなければみつからないだろう。
この投稿は詐欺師への助言ではなく詐欺を予防するための対策についてのものである。最初に、共著者が詐欺発見には最良の立場である。論文に名前を載せるということはその正しさを保証しているということである。次に論文には著者に生データの提出を求めるのが良いだろう。

  • 研究によると、日本は1960年代に捕鯨データを改ざんした

Japan falsified whale hunting data in 1960s, according to study
By Virginia Morell 14 July 2015
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2015/07/japan-falsified-whale-hunting-data-1960s-according-study
日本とソ連は他の国同様1946年からIWC捕鯨データを提出し始めたが、ソ連は違法捕鯨を1948年に開始しその後30年、IWCに報告した数より178811多くの鯨類を殺したと推定される。幸運なことに4人のソビエト生物学者が秘密を保持していて1990年代に記録を修正した。その過程で日本も同じことをしているという証言があったが根拠がなかった。しかし2002年に退職したもと捕鯨基地の管理者がデータの改ざんを日常的に、捕鯨モラトリアムが発効した1986年以降も行っていたことを認めた。これまでのところロシアの生物学者のようにデータを修正しようとする人は日本には誰もいない。Scienceのメールに対してJoji Morishitaは個人的見解であることを強調しながら「過去の報告を修正しようという科学的作業は歓迎する。」という。しかし彼は新しい論文は「過去にソ連が間違った報告をしていた」ことを示すだけだと考えているようだ。日本は最近のIWCの会議でも同じ反応だった。このことは現在の日本の捕鯨データが信頼できるのかどうかについての懸念を生じさせる。
(漁業分野の日本の信頼ってものすごく低いんだけど)

  • 害虫管理のためのGMコナガの新しい研究についての専門家の反応

SMC UK
expert reaction to new research on GM diamondback moths for pest control
July 16, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-new-research-on-gm-diamondback-moths-for-pest-control/
化学農薬代替法として遺伝子組換えを用いた戦略が開発され、BioMed Central Biologyに発表された。集団のサイズを抑制するために蛾を改変して雄の子どもしか生まれないようにする。
EFSAのGMOパネルの前座長Joe Perry博士
EFSAは既に遺伝子組換え昆虫の環境リスク評価方法を開発していて、欧州で昆虫を放出する商用申請がなされたら適用される。これらの集団不妊技術によるリスクは比較的少なく、GMではない昆虫を用いて数十年にわたって採用されてきた。しかしながら昆虫を大量に放つことはその餌となる植物、必ずしも作物ではないが、に影響する。これは一部のアブラナ科の雑草の拡散に都合がよいと考えられるので、適切な環境リスク評価が必要である。
Rothamsted Researchの穀物改変実験室長Huw Jones教授
環境リスク評価が好意的だったことを考えると、この方法は将来の持続可能な、統合的管理戦略の一部となるだろう。
Surrey大学分子遺伝学Johnjoe McFadden教授
Oxitecグループの研究は、植物やヒトや動物への害虫をコントロールするための、わくわくする新しい技術を提供する。研究者らはつがう能力は非GMと変わらないが雄しか産まれないGM雄の蛾を作った。温室での実験ではGM蛾を放出すると蛾の集団が壊滅的に減った。もしこの結果が野外でも再現できれば、環境に優しい害虫管理にと食品の増産方法に一歩前進する。

  • 中毒センターへの食用大麻の暴露報告が急増

Reports of pot-edible exposure to Poison Center spike
July 15, 2015
http://www.seattletimes.com/seattle-news/reports-of-pot-edible-exposure-to-poison-center-spike/
ワシントン中毒センターへのKing郡住人からの食用大麻暴露報告が今年増加している。その約1/3が年少者である。合法大麻の関与は不明。
昨年は年間38だったのが5月までに39件になった。14件は6才以下の6件を含む未成年者の事例で、昨年は20件で6才以下は11件だった。子どもの事例の多くは、家で大麻入りのチョコレートや焼き菓子を見つけて食べてしまう意図しない事故である。食用大麻を食卓付近やお菓子の隣に置くと簡単に小さい子どもの手に入ってしまう。データからは中毒になったかどうかまではわからないので「暴露」という用語を使っている。州のきまりでは食用大麻はアニメのキャラクターなどを使ってはならないし子どもが開けられないような包装を要求している。州の推定によると大麻市場のうち合法なものは約10%。

Colorado rejects medical marijuana for PTSD treatment
Thu Jul 16, 2015
http://www.reuters.com/article/2015/07/16/us-usa-colorado-marijuana-idUSKCN0PQ0CC20150716
コロラド保健当局は医療用大麻の提唱者による、認可対象リストにPTSDを加える申請を却下した。コロラド州は2001年以降各種病気治療に医療用大麻の使用を認めているが、認可リストにPTSDを入れることは3回拒否した。
PTSDに医療用大麻を認めている州は9つ。