食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 香港理工大学の研究者らが香港の包括的母乳栄養素データベースを作った

PolyU researchers create comprehensive breast milk nutrient database in Hong Kong
July 22, 2015
http://www.news-medical.net/news/20150722/PolyU-researchers-create-comprehensive-breast-milk-nutrient-database-in-Hong-Kong.aspx
近年母乳を与えることが世界中でより普通になってきたが香港では低いままである。理由の一つは香港の母親達が母乳の栄養が子どもの発育に適切かどうかを心配していることである。地元の医療専門家も日常診療に置いて地元の母親達の母乳の組成についての参照データがない。そこで香港理工大学の研究者らが香港の母親の母乳の栄養を調べた。2014年4-5月に母乳を与えている母親をリクルートし、74人に対して2014年5-8月に3日間の食事調査を行いその後2014年の9月から2015年の6月までの間に集めた母乳の多価不飽和脂肪酸濃度を調べた。結果は80%以上の母乳でDHAは0-36ヶ月の乳児の適切な摂取量を満たす。食事調査の結果では、魚で最もよく食べられているのはサーモンで大体5日に一回、寿司や刺身も平均5日に1回食べている
次の研究ではカルシウムや微量元素を調べる。

  • 簡単な調理法がコメのヒ素を洗い流す

Natureニュース
Simple cooking methods flush arsenic out of rice
Emily Sohn 22 July 2015
http://www.nature.com/news/simple-cooking-methods-flush-arsenic-out-of-rice-1.18034
コーヒーマシンでコメを調理すると天然汚染物質が半減できる
研究によるとコメに何度も新しい熱いお湯をかけるという方法で調理するとヒ素が相当量除去できる。
何十億人もの人々が毎日コメを食べているが、コメは他のどんな食品よりも食事由来のヒ素の寄与率が高い。通常水田で育てられるため、より多くのヒ素を取り込む。食品中のヒ素濃度の高さは各種のがんやその他の健康問題と関連がある。英国Queen’s University Belfastの植物土壌科学者Andrew Mehargは調理方法で健康リスクを下げられないか検討してきた。標準的調理法ではコメや水にに含まれるヒ素はそのままである。
これまでの研究でMehargらはコメをよく洗って大量の水で調理するとヒ素濃度が下がることを知っていた。ヒ素は液体の水に流出するので除去できる。そこで常に新しいお湯を供給する装置、そして一般的フィルターを使うコーヒーパーコレーターでコメを調理した。調理前後のコメを検査し、実験室の装置では60-70%、コーヒーパーコレーターでは約半分のヒ素が除去されることを報告した。
ヒ素中毒のリスクは一日に何回もコメを食べる人で高い。バングラデシュでは半茹でに加工する施設があり、この工程が市販のコメのヒ素を減らす介入を可能にする。
長期的にはコメのヒ素排除の最良の戦略は現在進行中の低ヒ素品種の開発だろうが、短期的には調理法でヒ素の負荷を減らせる。

Queen's University Belfast, UKの研究者らが心配な量のヒ素を減らす方法を発見
Queen's University Belfast, UK, researchers discover how to cut worrying levels of arsenic
22-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/qub-qub072115.php
ヒ素を減らすコメの調理法をPLOS ONEに発表
Rethinking Rice Preparation for Highly Efficient Removal of Inorganic Arsenic Using Percolating Cooking Water
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0131608
(お湯を何度も注いで調理って家でやるのはちょっと無理があるような・・)

  • 驚き:ヘビは窒息により殺すのではない

Science shot
Surprise: Snakes don’t kill by suffocation
By Hanae Armitage 22 July 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/07/surprise-snakes-don-t-kill-suffocation
1994年に、あるはぐれものの爬虫両棲類学者が絞め殺すタイプのヘビは窒息で殺すという定説に疑問を投じた。もし窒息なら、獲物はもっとゆっくり死ぬだろう、秒単位ではなく分単位で、と彼は考えた。そうではなく圧力による心停止が原因だろうと考えた。それから20年、研究者達は彼が正しかったことを証明した。この考えを検証するため、生理学者生態学者がボア(写真のヘビ)のとぐろに捕まったマウスの心拍と血圧を記録する実験をした。The Journal of Experimental Biologyに発表されたその結果は、たった6秒でネズミの血圧が低下し心拍が異常になった。このことで血流がなくなり(酸欠ではなく)マウスが死亡する主要因になる。さらに締め付けることで血中カリウム濃度が急上昇しそれだけで心臓に悪く死亡や心停止になる。ただ締め付けられているために血流は流れないだろう。これはヘビにとってはもし獲物がすぐに死ななかった場合に再開した血流で確実に動物を殺すバックアップとして働く可能性があると研究者は考えている。

  • 自閉症の有病率は増加しているが本当に病気が増えているのか?

Scienceニュース
Autism rates are up, but is the disease really on the rise?
By Warren Cornwall 22 July 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/07/autism-rates-are-disease-really-rise
自閉症による特別教育プログラムを受けている米国の生徒は2000年から2010年に間に三倍以上、約42万人近くになったが、新しい研究ではその増加の多くが教育者が別の診断を自閉症と交換したためであると主張している。自閉症を含む脳の発達上の問題があると診断された子どもの総数は変わっていない。従って自閉症が実際増えているかどうか聞かれれば、多分増えているが報告されているよりは小さいだろう。American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Geneticsに発表。
(グラフあり。自閉症は右肩上がり、知的障害が逆に減少)

  • 新しいコメの品種は温暖化なしに食べさせることができる

New rice variety could feed the planet without warming it
By Erik Stokstad 22 July 2015
http://news.sciencemag.org/climate/2015/07/new-rice-variety-could-feed-planet-without-warming-it
新しいタイプのGMイネは農業の気候への影響を相当減らすことができるかもしれない。大麦のDNAを用いて改良したこの植物は通常の品種のたった1%しかメタンを排出しないが収量は多い。専門家はこの方法は食糧の持続可能性を大きく向上させる可能性があるが、畑や田んぼでのパフォーマンスをさらに研究する必要があるという。この研究には参加していないプリンストン大学の気候と農業を研究しているTimothy Searchingerは「これはとんでもないextraordinary結果だ」という。
メタンは産業革命後の地球温暖化の約20%の原因で、主な人為的発生源は農業、家畜の胃や堆肥とコメである。何故コメか?多くの場合この作物は水を張った田で育てられ、酸素がないためメタン産生微生物の理想的住処であるためである。田のメタン排出を減らす方法はある。短期間水を捨てて酸素を供給することである。中国やカリフォルニアで等では既に実施されている。しかしこのような水管理は簡単ではない。そのため新しい品種が期待されていた。
新しい品種はスイス農業科学大学の植物生化学者Chuanxin Sunらにより作られたものでNatureにオンライン発表された。
GMジャポニカ米。ヒ素も少ないのでは)
Expression of barley SUSIBA2 transcription factor yields high-starch low-methane rice
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature14673.html

Antibody drugs for Alzheimer's stir hope and doubts
By Emily Underwood 22 July 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/07/antibody-drugs-alzheimers-stir-hope-and-doubts
アルツハイマー病の治療薬開発は臨床試験の墓場で、過去20年間に120以上の失敗がある。認可されたいくつかの治療法は記憶障害などのような症状をほんの少し一時的に軽減するだけで、病気の進行を止めるものはない。このような悲観的背景のなかで、本日ワシントンでの国際アルツハイマー学会で2つの有名な臨床試験の挑発的結果が発表された。いずれもベータアミロイドの抗体で、ひとつは認知機能の低下を遅くしもう一つは脳のアミロイドを減らしたと報告された。Biogen と Eli Lillyが発表したこの知見はアミロイドタンパク質を標的にすることがアルツハイマー治療として期待できることを示した初めての「明確な」エビデンスである、とアミロイド仮説の提唱者であるDennis Selkoeは言う。しかし認知機能へのメリットの小ささや一つの試験では脳のアミロイドの減少が全く見られなかったことが疑いの余地を大きく残す。

  • 栄養研

いわゆる健康食品との因果関係が疑われる健康被害
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail1794.html
「にんにく卵黄」に関連する薬物性肝障害が複数報告されているけれど何だろう
ただのニンニクと卵黄なら合わせて数百mgで肝障害になるとは思えないから、何か入ってるあるいはできてるんだろうが・・。