食品安全情報blog過去記事

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SMC NZ
New Zealanders uncertain about water fluoridation
August 11th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/08/11/new-zealanders-uncertain-about-water-fluoridation/
新しい研究が、ニュージーランド人は水道水のフッ素添加についてそれがよいことなのか悪いことなのかを知るための十分な情報を得ていないことを示唆
Australian and New Zealand Journal of Public Health.に発表された約3500人を調査した研究。30%以上の人がフッ素添加の利点を知らず、健康リスクについて尋ねられると45%がわからないと答えた。
全体としてはフッ素添加には42%が強くまたはやや賛成であった。しかしこの中でもよくわからない人がいて1/5はどうして賛成なのかわからないと回答している。
マオリ、太平洋諸島およびアジア人は「わからない」と回答する率が有意に高い。
(報道へのリンク)
SMCは以下のコメントを集めた
この論文の共著者でHawke’s Bay 地方衛生局口腔健康臨床部長Robin Whyman博士
NZ Oral Health Surveyは2009年に発表された調査である。それは全国を代表する3000人のニュージーランド成人が参加した。この研究は水道水のフッ素添加についての反応をしらべたものである。半分以上がフッ素添加は歯の健康に良いと信じていた。特に45-54才、55-64才、欧州人、高校以上の教育レベル、社会経済的に豊かな地域に住む人で支持が強かった。よくわからない人も多かった。これらの質問は口腔の健康という文脈で行われたもので水道水のフッ素添加キャンペーン中に行われたわけではない。従ってベースラインレベルを提供する。よくわからないという回答はマオリや太平洋諸島人で多く、彼らは「よくわからない」と答えることが多い。
我々の結論はヘルスリテラシーを向上させる必要がある、である。
Nelson Marlborough地方衛生局主任歯科技官ニュージーランド歯科医師会広報担当Rob Beaglehole博士
ニュージーランド歯科医師会は57%の多数が飲料水のフッ素添加にメリットがあると回答したことを歓迎する。水道水のフッ素添加を受け容れないとした人が10%なのに比べて6:1である。約1/3がよくわからないと答え、このことは関係者の努力が必要であることを強調する。
この論文は現在行われている感情に訴える反フッ素活動が実際の科学をいかに混乱させているかを示す。この論文はニュージーランド歯科医師会による、フッ素添加は地方政府ではなく政府が決定すべきという主張を支持する。

Edzard Ernst
Some alternative medicine journals should be de-listed
Thursday 30 July 2015
http://edzardernst.com/2015/07/some-alternative-medicine-journals-should-be-de-listed/
私は代替医療に関する新しい論文の全てを毎月レビューしている。その結果以下の様な印象と懸念が生じた:
代替医療の論文数は信じられないほど増加している:2000年と2010年の間にはMedlineに掲載されている論文は335から610とゆっくりとだが直線的に増加していたが、その後爆発的に増加し、2011年は1189、2012年は1674、2013年は2236である。
・この急増と極めて有利な「市場」は主にたった一つの雑誌による:‘EVIDENCE BASED COMPLEMENTARY AND ALTERNATIVE MEDICINE’ (EBCAM)で、これまで私が何度か言及してきた雑誌である。2010年にこの雑紙は76論文を掲載したがその後3年で546、880、1327と増加した。
・論文発表のたびに著者がお金を払うので、これはビッグビジネスであることは否定できない。
・EBCAMのピアレビューシステムは茶番である:EBCAMに投稿した著者は好みのピアレビューワーを指定できほぼ間違いなくその指定された人がレビューする。このようなやり方には重大な欠陥がある。実際これはピアレビューではなく非倫理的な詐欺である。
・結果として、現在発表されている代替医療についての論文のほとんど(私の推定では約80%)が役にたたないゴミである。その内容は決して追試されることのない無意味な前臨床試験だったり、全く妥当性のない調査だったり、しっかりした試験を行う予定のない予備的試験だったり、あからさまなバイアスのある系統的でないレビューだったりする。
・現在出版するに値する代替医療論文は極めて少ない。
これらのごく最近の状況は重大な帰結をもたらす。
・普通の科学者や医師は代替医療はほとんど研究されておらず、行われている僅かな研究は質が低いという印象をもっている。
・従って代替医療は直接関わっていない人たちにとってはどうでもいいもので代替医療雑誌は無視されるか笑いものになる
・同時に代替医療とその支持者の分野ではこれまでなく大量の論文があることからますます確信される。
・徐々に彼らは信頼できる根拠とは何かについて気にしなくなっていくだろう
・従って彼らはプロの科学者が代替医療を受容しないことにフラストレーションを高め敵意を抱くだろう
・最終的には通常の医療と代替医療はお互いから学ぶのではなくさらに溝を深めるだろう。
・相当量のお金が決して評価されることのない代替医療研究に無駄に費やされ続けるだろう
・助けが必要な患者に、研究の進歩による恩恵が得られなくなるだろう
私はこの傾向を逆転させるにはどうすればいいのかわからない。長期的には、容易ではない態度の変化が必要であろう。短期的にはこのような明確な出版倫理上の問題のある雑誌をMedlineから外すのが役にたつだろう。
代替医療分野だけじゃなくて、インチキ雑誌やインチキ学会問題は結構深刻で、一見まともな研究者の業績の水増しに利用されていたりする。分野外だとわかりにくいのだけれど。ディプロマミルの学位で大学教員やってる人たちがいるくらいだから需要はあるし儲かるのだろう。)

  • コカコーラが肥満を運動不足のせいだと非難するのに一生懸命

Coca-Cola Is Working Hard To Blame Obesity On Lack Of Exercise
08/10/2015
Leigh Weingus
Healthy Living Writer at The Huffington Post
http://www.huffingtonpost.com/entry/coca-cola-lack-of-exercise_55c8c7abe4b0f73b20ba0022?kvcommref=mostpopular
NYTによるとコカコーラ社は「グローバルエネルギーバランスネットワーク」という新しいNPOに高額の寄付をし、肥満と健康に関する対話における重点を食品から運動へ移そうとしている。コカコーラの売り上げは低下している。

PepsiCo bows to public on Diet Pepsi, replaces aspartame replacement with Splenda
http://www.leadertelegram.com/News/Region/2015/08/11/PepsiCo-bows-to-public-on-Diet-Pepsi.html
心配する消費者を喜ばせるためにアスパルテームをやめた
PepsiCoの上級副社長Seth Kaufmanは「我々の顧客が苦情を言うNo.1の理由がアスパルテームだから」という。アスパルテームには害はなく血糖値を上げることはない。しかし伝統的な炭酸飲料の売り上げは減り続け、企業の経営者らはそれがアスパルテームについての根拠のない不安が原因だとしている。2年前にはコカコーラ社が新聞広告でこの甘味料の安全性を訴えることも試みた。ダイエットペプシの販売は今後数週間宣伝効果やサンプル提供、安売りなどで増加するだろう。しかし栄養士Susan Kasik-Millerは、砂糖入りだろうがダイエットだろうが、アスパルテームが入っていようがいまいが炭酸飲料を飲むことの影響に消費者は注意すべきだと言う。
アスパルテームの代わりにスクラロースってそんなに魅力的?)

  • 母親が友人の子どもに母乳を与える写真をシェアしてFacebookで議論沸騰

Debate ignited on Facebook page after sharing photo of mother breastfeeding friend’s child
August 11, 2015
http://www.news.com.au/lifestyle/parenting/debate-ignited-on-facebook-page-after-sharing-photo-of-mother-breastfeeding-friends-child/story-fnet08xa-1227478862326
他人の子どもに母乳を与えるのはOKか?
Jessica Colletti がFacebookに友人の子どもに授乳している写真を投稿した直後、読者の反応は賛成と反対に分かれた。写真の説明には「私の息子は16ヶ月で友人の息子は18ヶ月。友人が働いている間面倒を見ていて二人には1年間授乳している。この乳兄弟には特別な絆がある。」
ある人はこれに「授乳は母と子の間にだけ共有される神聖な絆である」と書き「正常でない」と言う人もいる。一方乳母の習慣は世界中に存在すると擁護する意見もある。
(なんかいろいろ妙な感じ。さらにコメント欄で妻が子どもを完全母乳で育てたことを誇りに思うとか言う父親まで出てくる。この界隈は何が混ざってるんだか。)