食品安全情報blog過去記事

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「バターは安全」で「マーガリンは危険」という主張は単純化しすぎ

Behind the headlines
Claims that 'butter is safe' and 'margarine deadly' are simplistic
Wednesday August 12 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/08August/Pages/Butter-not-bad-for-you-but-trans-fats-may-be-harmful.aspx
Daily Telegraphが「バターは健康に害はないがマーガリンは危険」と報道した。大規模解析の結果飽和脂肪と心疾患、脳卒中、糖尿病に関連はないがトランス脂肪とは関連があることがわかった。飽和脂肪はバターやチーズのような乳製品に含まれ、肉や魚にも含まれる。トランス脂肪の一部は天然由来だがほとんどは植物油を加工する時に生じる。約70の研究結果をまとめた最新の研究で、飽和脂肪をたくさん食べることは少量食べることに比べて死亡、心疾患、脳卒中、糖尿病のリスクが上がるという根拠が見つからなかった。一方でトランス脂肪を多く食べることは死亡や心疾患リスクの増加と関連があった。しかしながら研究者らは結果は明確ではなく将来の研究で変わる可能性があると注意している。これらは全て観察研究で因果関係を証明できない。飽和脂肪を多く摂ることは肥満リスクを上げ健康に悪影響がある。研究者らは重要なことを指摘している。単一の食品に注意を集中するのではなく、その人の食生活全体が重要である。将来の健康的食生活ガイドラインでは脂肪を減らすことを勧めるなら代わりに何を食べるべきかを明確にする必要があると言っている。
(多いとか少ないとかの目安も日本人とは違うことに注意)