食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 新しい研究はトマトが通風の引き金になるという信念を支持する

New research backs belief that tomatoes can be a gout trigger
18-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/uoo-nrb081815.php
一旦通風になった人は、ある種の食品が発作の引き金をひく時がある。オタゴ大学生化学部の研究者達は、多くの痛風患者がトマトが引き金になると言っていることに注目した。痛風と診断された2051人のニュージーランド人を調査し、71%が一つ以上の食品が引き金になると報告した。その20%がトマトを引き金として挙げた。トマトはシーフード、アルコール、赤身肉に次いで4番目だった。さらに著者らは米国長期健康研究のデータを調べてトマトの摂取が血中尿酸濃度の高さと関連することを見いだした。
著者は痛風の人にとって最も重要なことは医薬品を使用することだと強調したうえで、トマトを食べて痛風発作に襲われたことがある人はトマトを避けるのが役にたつかもしれない、という。
この研究はBMC Musculoskeletal Disordersに発表。
(そうなの?プリン体だけを目の敵にするのは違う、とは言われるようになってきたが。)

The Lancet: Working long hours linked to higher risk of stroke
19-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/tl-tlw081815.php
週に55時間以上働くことは、週に35-40時間労働と比較して、脳卒中リスクの33%の高さと冠動脈心疾患リスクの13%増と関連する。60万人以上のこの分野ではこれまで最大規模の研究。欧州、米国、豪州の25の研究のデータを解析した。平均フォローアップ期間は8.5年。

  • GMOと除草剤と公衆衛生

GMOs, Herbicides, and Public Health
Philip J. Landrigan, M.D., and Charles Benbrook, Ph.D.
N Engl J Med 2015; 373:693-695August 20, 2015
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1505660
大雑把に抽出
ほとんどの医師にとってGMOは心配なものとしての優先順位は低い。バイオテクノロジーについて考えるなら病原菌を生物兵器にしたりヒトの生殖細胞を編集したりすることのほうが注目されるだろう。しかしいまや米国で栽培されているほとんどの大豆やトウモロコシはGMである。そして最近GM作物に使用される除草剤が増えたこととIARCがグリホサートと2,4-Dをヒト発がん性がある(2Aと2B)と分類したことがGM作物の展望を変えている。除草剤耐性作物は除草剤が最も多く使われている作物なのでGM表示にメリットがある。
(事実誤認と偏見が多く、どうしてNEJMがこれをオーディオインタビュー付きで注目として掲載したのかわからない。専門でもなくよく調べたわけでもないなら言わなきゃいいのに。IARCは罪深い。)