食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 重症の場合にはプロバイオティクスは「スーパー細菌」が消化管にコロニーを作ることを妨げない

In very ill, probiotics don't prevent 'superbugs' from colonizing intestinal tract
27-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/wuso-ivi082715.php
ワシントン大学医学部の新しい研究によると、ICUの患者にプロバイオティクスを与えることは通常のケアに比べて薬物耐性菌の腸内コロニー形成予防に何の利益もない。Control & Hospital Epidemiologyに8月27日発表。70人の患者にLactobacillus rhamnosus GGを与えた研究。

  • 天然ガス採掘の際に放出される内分泌撹乱化学物質でヒトが傷つけられるかもしれない

Humans may be harmed by endocrine disrupting chemicals released during natural gas mining
27-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/uom-hmb082715.php
EHPのレビュー。フラッキングにより放出される様々な内分泌撹乱化合物の混合物による有害影響を示唆する研究がたくさんあるという主張。
(いつものEHP。)

  • 半分以上の心理学研究は再現性試験に失格

Over half of psychology studies fail reproducibility test
Monya Baker 27 August 2015
http://www.nature.com/news/over-half-of-psychology-studies-fail-reproducibility-test-1.18248
最大の再現性研究は多くのポジティブな結果に疑問を投げかける
心理学文献で読んだ全てを信用してはいけない。じっさいのところ2/3は多分信用できない。
社会心理学者Brian Nosekと269人の共著者が3つの心理学雑誌に発表された98のオリジナル論文を再現した結果。Natureに先に発表されたように100回の再現試験のうち39が再現できたが再現できたとみなすかどうかも簡単ではない。そこで今回Scienceに複数の異なる指標でこの疑問への回答を試みた。
この仕事は2011年に開始された再現性プロジェクトの一環である。
再現性プロジェクトでは評判の高い雑誌の論文を対象にしているため、実際の再現できない率は80%以上だろうとスタンフォード大学の疫学者John Ioannidisはいう。しかしこれはただ事態を嘆くことに使うのではなく、この事実をもとに改善するために科学者が協力していくべきだろう、という。