食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization
Volume 93, Number 9, September 2015, 589-664
http://www.who.int/bulletin/volumes/93/9/en/

Psychological distress and the perception of radiation risks: the Fukushima health management survey
Yuriko Suzuki et al.,
Bulletin of the World Health Organization 2015;93:598-605
http://www.who.int/bulletin/volumes/93/9/14-146498/en/
震災から1年後の2012年の避難地域住民横断調査。15才以上の180604人に質問票を送り73569件が返ってきてデータとして使ったのは59807(33.1%)。放射線の即時影響、遅延影響、遺伝的影響についてのリスク認識と精神的苦痛には正の関連があった。また精神的苦痛の増加に関連する要因は女性、精神病既往、自宅が半壊以上の激しい損傷、死別経験、自宅に住めない、フルタイムではない就業状態、失職、収入減。教育レベルの高さは精神的苦痛の少なさと関連した。
(広島長崎のことを考えれば遺伝的影響なんて気にしなくていいのに、子々孫々まで呪われると言う人たちがいることがどれだけ悪影響を与えたことか。こういうの。http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2011/07/dna-gene-0133.html。知識は身を守る)

  • アルゼンチンにおける人工トランス脂肪酸の排除:冠動脈心疾患の負担と費用への影響推定

Bulletin of the World Health Organization 2015;93:614-622
2004年から2014年にかけてアルゼンチンはいくつかの政策で食品中の人工トランス脂肪を減らしてきた。2014年末までには食品中の人工トランス脂肪は植物油やマーガリンでは総脂肪の2%、他の食品では5%以下でなければならないと食品基準が改定された。
2004年のトランス脂肪摂取量を総エネルギーの1.5%(1-3%)と推定し、2011-12年には75%がより健康的な油脂に置換されたと推定する。
アルゼンチンでは年に84000のCHDイベントがあると推定されているが現在のTFA排除で毎年1.3%から6.35%のCHDイベントの削減があると推定