食品安全情報blog過去記事

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論文

  • コーヒー摂取と良くあるタイプの不整脈には関連がない

No link between coffee consumption and common type of irregular heartbeat
22-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/bc-nlb091815.php
BMC Medicineに発表された4つの研究のメタ解析によると、コーヒー摂取と心房細動リスク増加には関連がない。

  • BMJの調査は米国の新しい食事ガイドラインの基礎となる専門家の助言に疑問を提示する

BMJ investigation questions expert advice underpinning new US dietary guidelines
23-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/b-biq092115.php
2010年の先の委員会はレビューに際してUSDAの作った栄養エビデンスライブラリー(NEL)を用いた。今回の委員会は米国心臓協会や米国心臓病学会などの専門家集団の系統的レビューを重用した。また直近5年の文献がレビューされていないため、例えば飽和脂肪酸に心疾患との関連が見られないという最近の知見が反映されていない

New research suggests not all trans fatty acids are bad for you
22-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/esoc-nrs092115.php
European Heart Journalに発表された研究によると、たとえ人工的に生産されたものであっても、低レベルのトランス脂肪酸はこれまで考えられていたほどヒトに対して有害ではなく、乳製品や肉などの天然のものならむしろ有益な可能性すらある。ドイツの南西部に住む、1997年から2000年に心臓を検査する冠動脈血管造影のために入院した3316人を対象にした研究。フォローアップ期間の中央値は10年以上、30%の患者がこの期間に死亡した。赤血球細胞膜の天然のTFAの多さは死亡率の低さと関連し、人工TFAの高さは米国で見られたような死亡率増加につながっていない。これはドイツの参加者のTFAが総脂肪酸の0.27-2.4%、平均1%以下と米国の平均2.6%以上より少ないことが原因かもしれない。
(もともと少なければ少ないほどいいというのはデータがあったわけではなく仮定なので)

  • ホルモンなしでホットフラッシュを宥める:何に効果があり何にないのか

Taming hot flashes without hormones: What works, what doesn't
23-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/tnam-thf092115.php
北米女性の3/4程度は閉経期にホットフラッシュを経験するが多くの人は医学的理由からあるいは選択しないのでホルモンを使用しない。ホットフラッシュの対策用として無数の製品や療法が宣伝されているが、それらは効果があるのか?安全なのか?これらの疑問に答えるために北米閉経期学会の専門家委員会が根拠を吟味しMenopauseに声明を発表した
"Nonhormonal management of menopause-associated vasomotor symptoms,"
http://www.menopause.org/docs/default-source/professional/pap-pdf-meno-d-15-00241-minus-trim-cme.pdf
推奨レベルI
認知行動療法催眠療法パロキセチン、ガバペンチン
推奨レベルII
エスシタロプラムシタロプラム、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、プレガバリン、クロニジン
注意して推奨
減量、マインドフルネスベースのストレス軽減、大豆イソフラボンのS-エクオール誘導体サプリメント、星状神経節ブロック
薦めないIからV
クーリングテクニック、トリガーを避ける、ヨガ、運動、呼吸法、リラクゼーション、サプリメントやハーブ、鍼、神経振動調整、カイロプラクティック
(推奨レベルIであってもホルモン補充療法よりはるかに効果は少ない、ヨガや運動などはホットフラッシュに効果があるわけではないが健康上は薦めてもいいとのこと。S-エクオールはホルモン活性があるのだからそんなものを品質保証のないサプリで使うよりちゃんとデータもありフォローアップも受けられる医者の処方によるホルモン補充療法のほうがいいのに。)

  • 米国のシーフードの供給の約半分が廃棄されている

Nearly half of US seafood supply is wasted
23-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/jhub-nh092315.php
Global Environmental Changeの11月号に発表されたJohns Hopkins Center for a Livable Futureの研究。主な理由は消費者レベルでの廃棄。
説明図がある。シーフードは他の食品より傷みやすいのでそれなりの対策が必要。

  • 中国の大豆畑からGMOジレンマの手がかりを得る

Harvesting clues to GMO dilemmas from China's soybean fields
18-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/msu-hct091515.php
世界中の苦闘を反映して中国がGM作物の安全性に関する一般の人々の懸念と、増加する食糧需要のバランスをとるのに苦闘している。中国の場合、法律でGMが育てられない国内での大豆生産は縮小し、消費者が避けているとされるGM大豆の輸入は増加している。中国で消費される大豆の80%は主に米国やブラジルからの輸入でありGMであるが消費者は自分たちはGMは食べていないと主張する。ミシガン州立大学の研究者らが中国の大豆農家の反応を調べScientific Reportsに発表した。
中国の大豆農家は大豆をやめてトウモロコシに切り替えているが、トウモロコシは大豆と違って肥料を投入しなければならず環境負荷も大きい。しかしトウモロコシが栽培できない寒い地方では大豆栽培が継続されている。

  • 科学者が葉酸安定性の高いコメ品種を開発

Scientists develop rice variety with high folate stability
22-Sep-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-09/gu-sdr092215.php
2007年に葉酸濃度の高いコメを作っているが、葉酸含量は半年後には約半分に減る。この問題に取り組むため葉酸葉酸結合タンパク質にくっつけることと葉酸分子にさらに修飾を加える戦略を検討した。Nature Biotechnologyに発表。

  • 植物の作るコリシン混合物による主要病原性大腸菌の広範で有効なコントロール

Broad and efficient control of major foodborne pathogenic strains of Escherichia coli by mixtures of plant-produced colicins
http://www.pnas.org/content/early/2015/09/02/1513311112.full.pdf
発現ベクターとしてタバコモザイクウイルスを使う方法でタバコ、ほうれん草、ビートの葉に、病原性大腸菌に対して有効な高濃度のコリシンを発現させることに成功した。