食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 工業由来と天然由来のトランス脂肪と心臓の健康を調べた研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study investigating industrially-produced and naturally-occurring trans fats and heart health
September 23, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-industrially-produced-and-naturally-occurring-trans-fats-and-heart-health/
European Heart Journalに発表された研究で天然のトランス脂肪が死亡リスクの削減と関連し、一方人工トランス脂肪ではリスクの増加は見られなかった。
Reading大学フードチェーン栄養教授で食品製造品質部長Ian Givens教授
この研究は近年の欧州での食事中工業由来トランス脂肪削減が成功だったという励まされる根拠を提供する。この研究に参加したドイツの心臓患者の血球中トランス脂肪濃度は米国より少ない。このような低い濃度であることがトランス脂肪と心疾患の関連がみられないことを説明できる可能性がある。著者らが最も危険なエライジン酸を計っていないようなのは不思議だが濃度が低すぎて検出できなかったのかもしれない。論文に記述はない。
Sheffield大学心臓相談医/心血管医学准教授Tim Chico博士
この研究は人々に対して心疾患とトランス脂肪のリスクについて意図せず間違った情報を与えるリスクがある。トランス脂肪は心臓の血管を狭めるリスクを上げることと強い関連があるがトランス脂肪を食べなくても喫煙や高血圧などで心疾患にはなる。研究の参加者は健康な人ではないことに注意が必要である。この研究でトランス脂肪が死亡率を予想しないのは患者は既に心疾患であることがわかっているので適切な治療を受けているからであるかもしれない。私の助言は同じである;健康であろうと心疾患があろうと、健康的な食生活をすべきである。
King’s College London栄養と栄養学名誉教授Tom Sanders教授
この研究の限界はトランス脂肪酸の測定が、欧州でフードチェーンからトランス脂肪が排除され始めた年前に集めた検体の赤血球を使ったことである。工業用トランス脂肪酸の悪影響は小さくなっているであろう。この研究は関連を示したもので因果関係を示すことはできない。従ってトランスパルミトレイン酸(天然の反芻動物由来トランス脂肪酸成分)の濃度が高いとリスクが低いと示唆するのは疑問である。この関連は乳製品の摂取量が多いためである可能性がある。他に貧しい人の方が工業由来トランス脂肪を多く摂り豊かな人は乳製品を多く摂るといった社会経済状態による交絡があるかもしれない。
英国心臓財団上級栄養士Victoria Taylor氏
この研究の知見はトランス脂肪がLDLコレステロール濃度を上げることを指示し続けている。英国では我々は既にトランス脂肪は食品由来エネルギーの平均2%以下となっており主な摂取源は肉やミルクなどの天然由来である。現在の我々の助言は変更する必要がない

  • 10代のボディービルダーAndrej Gajdosが心臓の動脈が破裂して死亡

Teenage bodybuilder Andrej Gajdos dies after artery in heart bursts
September 24, 2015
http://www.news.com.au/lifestyle/fitness/teenage-bodybuilder-andrej-gajdos-dies-after-artery-in-heart-bursts/story-fneuzle5-1227541801434
普通の人の心臓は400gくらいだがAndrej Gajdosは680gもあった
7ft 2in(2.18m?)で127kgのAndrej Gajdos 19才は胸部大動脈が破裂して死亡した。現在死因究明のために1日2回通っていたジムのトレーニング内容が調べられている。身体からはタンパク同化ステロイドとテストステロンが検出されたとされ、部屋からは4種類のステロイドがみつかっている。剖検をしたJohn Oxley博士はこんな大きな人には合ったことがないという。このような巨大な心臓は遺伝的異常がある場合がふつうである。ステロイドの使用も寄与している可能性がある。Gajdos氏はスロバキア生まれで長い間ステロイドを使用していた。

  • Truthinadvertising(広告の中の真実、TINA)

対応のまとめ
Summary of Action
https://www.truthinadvertising.org/prevagen-summary-of-action/
Quincy Bioscience社の製造・販売するダイエタリーサプリメントPrevagenの詐欺的宣伝について。
TINA.org Takes Unsupported Prevagen Memory Claims to FTC
https://www.truthinadvertising.org/prevagen-ftc-complaint/
2007年に発売開始以降200万本を売り上げ、FDAに何度も警告され、警告に従わず販売し続けているのでFTCにさらなる対応を要請している
自称アメリカでNo.1の記憶用サプリメントサプリメント業界誌で何度も受賞、という宣伝をしている。

関連
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150210#p19
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20121024#p10

他の製品について
Progenex More Muscle
September 21st, 2015
https://www.truthinadvertising.org/progenex-more-muscle/
2015年9月21日にダイエタリーサプリメントProgenex More Muscleに対する集団訴訟
普通の乳清タンパク質に比べて20%以上分岐鎖アミノ酸を多く含むと宣伝しているが事実ではない。また成長因子強化と宣伝しているが成長因子は含まない。

CLA Safflower Oil
September 23rd, 2015
https://www.truthinadvertising.org/cla-safflower-oil/
ニュースサイトを偽装して「スペシャルレポート」と題して紅花油で痩せたという報告をして無料お試し、の宣伝がある。TINAの調査によればレポーターとされる写真はその人ではなく、無料お試しとされる製品は「二つ買えば」という条件付きでしかもその購入は毎月継続して購入する会員になることを意味する、など

コンシューマーラボ
Product Review: Prostate Supplements (Saw Palmetto and Beta-Sitosterol)
9/19/15
https://www.consumerlab.com/reviews/Prostate_Supplements-Beta-Sitosterol-Phytosterols-Saw_Palmetto/sawpalmetto/
表示されている量が含まれないもの、FDAの表示規則違反などを報告

  • コークが健康研究の支援を開示

ScienceInsider
Coke discloses support for health studies
By Kelly Servick 23 September 2015
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2015/09/coke-discloses-support-health-studies
コカコーラカンパニーが昨日、肥満研究の支援者としての議論の多い役割についての詳細の一部を明らかにした。同社のウェブサイトに発表されたリストには2010年以降の各種健康関連プロジェクトや団体への1億1800万ドル以上の資金提供の詳細が記されている。そのうち2200万ドルが研究費である。この開示は同社が肥満の危機への砂糖入り飲料の役割を過小評価させるために研究者を支援しているという批判の最中に行われた。

  • 再現の失敗がSTAP幹細胞の主張を沈静化させる

Natureニュース
Failed replications put STAP stem-cell claims to rest
David Cyranoski  23 September 2015
http://www.nature.com/news/failed-replications-put-stap-stem-cell-claims-to-rest-1.18412
複数の実験室が、奇跡的に見えた結果は普通の幹細胞のコンタミのせいだと結論
9月23日にNatureに発表された二つの論文が、昨年米国と日本の研究者らが主張した革新的幹細胞作成方法は存在しないと結論した。
一回の単純なコンタミではなく複数の独立したコンタミが必要でケアレスミスでは説明できない

Scienceでも
Sleuthing sheds light on STAP cell fiasco
By Gretchen Vogel and Dennis Normile 23 September 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/09/sleuthing-sheds-light-stap-cell-fiasco
こちらは主にnatureに発表したハーバード大学医学部の幹細胞研究者George Daleyらの話。STAP論文が発表された頃にVacantiに連絡して自分たちの研究をSTAP細胞で試させてくれと頼んだところVacantiはすぐ受け容れてくれたが、間もなくDaleyはSTAPがアーチファクトであることを発見する。単なる自家蛍光だと。注意していれば自家蛍光と間違えることはないが実験経験のない研究者は簡単に間違える。

  • 代替医療の大騒ぎ:如何にして連邦がインチキにお金を出したか

The Alternative Medicine Racket: How the Feds Fund Quacks
Todd Krainin | September 4, 2015
https://reason.com/reasontv/2015/09/04/alternative-medicine-racket
Dr. Mehmet OzやDeepak Chopra(ディーパック・チョプラ;日本語サイトもある)による疑わしい医学的主張の背景には、何十年にもわたるアメリカの一般の人々への代替医療のプロモーション戦略がある。23年前、NIHが世界中の標準的でない多様な医療行為の研究を始めた。そして55億ドルが費やされたが病気の治療法はなにひとつ見つかっていない。しかしこの資金は信仰療法からホメオパシーまでのあらゆる種類のインチキを、日陰者からアメリカの医療の心臓部に持ち込むことに成功した。
NIHの傘下にある補完統合健康センター(NCCIH)は主に1人の発案による。1980年代に上院議員のTom Harkin (D-Iowa)はミツバチ花粉抽出物が花粉症を治すと確信していた。HarkinはNIHの資金を監督している予算委員会の議長だったのでNCCIHの前身である代替医療オフィス(OAM)を作るのに200万ドルを与えた。OAMの役割は代替療法について探ることだった。普通でないあらゆる治療法が「代替」とみなされた。さらに科学界と代替医療ラクティショナーの異端コミュニティーの境界を浸食させた。
(長い解説と動画) 

Heath Ledger's father's sorrow at overdoses
Thursday, 24 September 2015
http://www.skynews.com.au/culture/showbiz/celebrity/2015/09/24/heath-ledger-s-father-s-sorrow-at-overdoses.html
フットボール選手2人が鎮痛薬の過剰使用で入院したことを受けて、2008年に同様の過剰使用で死亡したヒース・レジャーの父で新たに薬物過剰使用に関する啓発を行うNPOのScriptWiseの支援者となったKim Ledger氏がメッセージを発表した。