食品安全情報blog過去記事

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ルバーブの色素が「がん消滅に役立つ」という主張

Claims rhubarb pigment 'could help cancer crumble'
Tuesday October 20 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/10October/Pages/Claims-rhubarb-pigment-could-help-cancer-crumble.aspx
Daily Expressの一面が「ルバーブはあなたの命を救う」と宣言し他の見出しは「ルバーブ抗がん剤が数年以内に」と言う。しかしこれらの主張は事実に基づかない。試験が行われたのは培養がん細胞とマウスのみである。
研究者らはルバーブの色の原因であるphyscionと呼ばれる化合物を濃縮したもの(parietinと呼ばれるとも)を実験室で白血病細胞に与えたら2日以内に半分が死ぬことを発見した。またphyscionの修飾型はヒトのがん細胞を注入したマウスの腫瘍の増殖を抑制することができた。これらの結果は期待できるものではあるがヒトのがん治療薬として有効で安全かどうかを決めるにはまだたくさんの研究が必要である。
ルバーブは美味しいかもしれないがこの研究を根拠に「命を救う」とは言えない。またCancer Research UKの広報が正しく指摘しているように、「たとえparietinががん患者を治療できることが証明されたとしても、その効果を得るのに十分なルバーブを食べるのは無理だろう」。