食品安全情報blog過去記事

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今度のIARCの加工肉と赤身肉の分類で、それらがそれぞれヒト発がん性とおそらくヒト発がん性と分類されるだろうというメディア報道への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to media reports that upcoming IARC classification of processed and red meat is expected to classify them as carcinogenic and probably carcinogenic respectively to humans
October 23, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-media-reports-that-upcoming-iarc-classification-of-processed-and-red-meat-is-expected-to-classify-them-as-carcinogenic-and-probably-carcinogenic-respectively-to-humans/
IARCとWHOが間もなく赤身肉と加工肉の発がん性についての報告を発表する。英国メディアでは本日加工肉は「ヒト発がん性」、赤身肉は「おそらく発がん性」と分類されるだろうと報道された。
栄養と消化管の健康についての独立したコンサルタントで食品研究所前研究リーダーElizabeth Lund博士
驚くべきことではないが全体を見る必要がある。肉の摂取量とCRCリスクの間には用量相関があるものの、欧州では肉の摂取量が多い集団に入るだけの量の肉を食べているヒトは少ない。この報告でどの量なら安全だと言っているのかに注目するのが面白いだろう。肉は鉄や亜鉛の良い摂取源であり、多くの女性はこれらが不足している。十代の少女の半分が鉄不足である。また一部の研究では肉と野菜あるいは食物繊維の多い食事と一緒に食べるとCRCリスクが低下するというものもある。肉芽発がん物質だと言うには普通はしっかりした作用メカニズムが必要である。私はいくつかの示唆するものや新しい知識についての論文は知っているが確実なメカニズムを提供しているものは知らない。メカニズムが無く関連があるという場合には単に同時に起こった可能性がある。
食品研究所名誉フェローIan Johnson博士
根拠となるデータをどう解析したのかがわからないので新しいIARCの分類にコメントするのはとても難しい。しかし加工肉摂取と大腸がんの間に疫学的に有意差のある根拠があったとしても、エフェクトサイズは比較的小さくメカニズムはよくわかっていないことを強調する必要がある。ベーコンやソーセージに有害影響があったとしてもそれをタバコの危険性と同じだとするのは極めて不適切である。