食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 欧州の遺伝子編集植物は法的拘束状態

Natureニュース
Europe’s genetically edited plants stuck in legal limbo
Alison Abbott 15 December 2015
http://www.nature.com/news/europe-s-genetically-edited-plants-stuck-in-legal-limbo-1.19028
科学者は正確な遺伝子編集にGM規制が当てはめられるのかどうかについての決定の遅れに苛立っている
スウェーデンの植物遺伝学者Stefan Janssonは遺伝子編集技術を用いた作物の野外試験を始めたくてうずうずしている。彼の計画は過剰に強い光による光合成装置のダメージを遺伝子編集を用いて保護できるかどうかである。しかし彼の仕事の将来は欧州委員会が法的難問にどう回答するかにかかっている。外来DNAを含まない遺伝子編集植物はGM生物のように規制すべきか?JanssonはもしGMに分類されるなら実験は止める、ヨーロッパのGM規制ではあまりにもお金と時間がかかりすぎるからだ。
法的拘束は研究に大きな影響がある。スウェーデンを含む多くのEU加盟国が独自の解析を行って外来DNAを含まない遺伝子編集植物にはGM規制はあてはまらないと主張している。しかし一部のNGOは遺伝子を操作することを敵視しGM規制を当てはめるべきと主張している。科学者や種苗企業はGMと同じ運命をたどることを恐れている。厳しい規制と厄介な官僚主義と反GM活動により実験すらできないだろう。
欧州委員会がどういう決定をしてもどこかの国やNGPは裁判に訴えるだろう。
(反対運動を飯の種にする人たちを増やしたという意味ではNatureだって結構責任あるんだけど。彼らが今更合理的理性的に判断するとでも?)

  • 作物の難題

Natureエディトリアル
Crop conundrum
15 December 2015
http://www.nature.com/news/crop-conundrum-1.19031
EUは遺伝子編集植物がGM法でカバーされるのかどうか決定すべき
新しいツールは外来遺伝子を残さず自然におこる突然変異を作ることができるのでUSDAはいくつかのものについてはGM生物としての規制はしないと判断している。欧州委員会はまだ判断していない。新しい技術の重要性は疑いようもなくこれまでのGM作物と同じ規制は必要ない。
過去の失敗を繰り返すべきではない。政治的問題を裁判所に決めさせるのは良い方法ではない。どんな決定をするにせよ不確実性は取り除くべきで研究は速やかに前進させるべき。

第16回:数のルールと報道の役割:ビッグデータの時代にジャーナリストはどうすべきか?
Episode 16: The rule of numbers and the role of the press: What should the journalist do in the age of big data?
12/14/2015
http://www.cas.miamioh.edu/statsandstories/archives16.html
Sense About Science USAのTrevor Butterworth がゲストとして語る。
(音声)

  • 製品により髪が抜けたとして200人以上がWenを訴える

Over 200 People Sue Wen, Claiming Products Made Their Hair Fall Out
12/15/2015
http://www.huffingtonpost.com/entry/wen-hair-care-lawsuit-bald_567042bbe4b011b83a6ca282?utm_hp_ref=mostpopular
脱毛と発赤で40州からウェンヘアケアWen Hair Careの集団訴訟に参加
ヘアスタイリストChaz Deanが作ったセレブ御用達製品が、使用を中止した後でも髪を傷め破壊するとして40州200人以上が集団訴訟ブルック・シールズアリッサ・ミラノが宣伝していた。硫酸塩を含まず強力な化学物質を使わずに髪をまっすぐにするとし、グリセリンカモミール抽出物、ワイルドチェリーバーク、ローズマリー抽出物、パンテノールなどを含むとされる。訴状ではどの成分がダメージを起こしているのかは記されてない。
(日本でも売ってるんだ。食べものは食べること以外に使わないように、しかも髪にキュウリのフレーバーっていい?)

Bodybuilder who ate 10,000 calories a day and drank eight cans of energy drink died of cancer caused by years of steroid abuse
15 December 2015
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3360511/Bodybuilder-ate-10-000-calories-day-drank-eight-cans-energy-drink-died-liver-cancer-caused-years-steroid-abuse.html
Dean Wharmbyは身体を大きくしようと何年もステロイドを使用し高カロリーのジャンクフードを食べていたが肝臓にがんがみつかった。ステロイドを中止し自然療法で治そうとしたが7月に死亡した。39才。検視官はステロイドが死亡の直接の原因だという。
病気との戦いは5年半、頼った自然療法はスピリチュアルヒーリング、レイキ、一時は1日200錠のナチュラルレメディ錠剤。それから砂糖と肉を食べないでビタミン剤を使う食事療法。医師が提案した肝臓の移植と化学療法は拒否した。
ステロイドを使っていたのは「みんながそうしていたから」

  • 獣医師がペットのオーナーにこのクリスマスの注意を提供

英国獣医師会
Vets offer pet owners cautionary ‘tail’ this Christmas
14 December 2015
http://www.bva.co.uk/News-campaigns-and-policy/Newsroom/News-releases/Vets-offer-pet-owners-cautionary--tail--this-Christmas/
獣医師への調査でクリスマスシーズンのペットの中毒事例で多いのはイヌのチョコレート中毒であることがわかった。また猫の凍結防止剤中毒、イヌのクリスマスデコレーション誤食も多い。他にポインセチアやレーズンも中毒原因

  • Pete McMartin:心配しすぎが普通になった

Pete McMartin: Hypochondria is the new norm
By Pete McMartin, Vancouver Sun columnist
http://www.vancouversun.com/health/pete+mcmartin+hypochondria+norm/11591737/story.html
米国の医療企業がカナダ人に対して全身スキャンを販売していることについてCharles Webb医師は「良性の嚢胞がたくさんあるだろう、そして嚢胞があると告げられた患者は心配する必要がないのに恐ろしい病気になるのではと過剰に不安になるだろう」とコメントしている。12月12日のThe Sunから。
私は作春夜中に左の肩が痛くて目が覚め、妻と病院に行きX線検査をしたが何もなかったので翌朝帰った。しかし痛みがその後数週間いろいろな形で現れたので医師がCTスキャンを行った。その間と結果がでるまで私はずっと心配だった。スキャンの結果医師は私に、首のあたりに骨粗鬆症があり食道が厚くなっていて甲状腺には嚢胞があるという。そして何も心配ないと。スキャンをするとよく見られるので心配はないが確認のため胃カメラと超音波を予約するという。私はさらに心配になりやる気がなくなり体重が増え将来を考えた。妻は心配ないと言ったが表情は心配そうだった。胃カメラでも甲状腺の超音波検査でも異常はなかった。しかし生検が予約されさらに心配な日々が続いた。生検は痛かった。細胞数が十分でないかもと言われたが止めた。一週間後の結果ではがん細胞はいなかったが細胞数が足りないので決定的ではないと言われた、医師は心配ないと言ったが6か月後にまた診ると言った。
そして前述の記事を読んだ。心配するなと言われても心配してしまう。我々の文化があまりにも健康にこだわるので心配しないでいるのは難しい。