食品安全情報blog過去記事

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  • 肥満の人たちでの、体重の5%減量(と追加の減量)と健康上の利益を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at weight loss of 5% body weight (and additional weight loss) and health benefits in a group of obese people
February 22, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-weight-loss-of-5-body-weight-and-additional-weight-loss-and-health-benefits-in-a-group-of-obese-people/
肥満の人たちでの減量の影響を調べた研究がCell Metabolismに発表された
英国心臓財団心臓の健康栄養士Tracy Parker
この研究はたとえ少しであっても減量は心臓の健康に良い影響があるということを示唆し、減量に苦労している人にとっては良いニュースである。たった5%の減量でも血圧や血中トリグリセリド濃度、血糖が改善した。これらは全て心疾患のリスク因子である。より多く減量するとさらに改善する。この研究は徐々に健康体重になることの利益について再確認するものである。体重の5%減のような現実的な目標を設定することは健康的に減量するためには良い方法である。心血管系疾患リスクを減らすことについては、ライフスタイルの変更は減量のみではない。禁煙、飲酒量を減らす、運動する等も心疾患リスクを減らすのに役立つ。

  • 大気汚染の生涯影響についての新しい報告書への専門家の反応

expert reaction to new report on the lifelong impact of air pollution
February 23, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-new-report-on-the-lifelong-impact-of-air-pollution/
王立内科医師会(RCP)と王立小児保健医師会(RCPCH)が英国で毎年大気汚染に関連する死亡が40000と推定する報告書を発表した。
Essex大学環境科学教授Ian Colbeck教授
政府は英国では二酸化窒素による死亡が23500、粒子状物質による死亡が29000と推定している。多くの人が両方に関連するので死亡数は単なる和にはならない。そのためこの報告書の40000という数字は現在の知見から現実的な推定である。
人々は時間の90%を屋内で過ごし、この報告は屋内空気の質が健康に重要であることを示した最初のものの一つである。欧州全体での99000人の屋内空気汚染による死亡のうち約9000が英国である。しかし個人の家の空気の質の基準を政府が強要する可能性は極めて低い。
英国心臓財団医務副部長Jeremy Pearson教授
この報告書は大気汚染の健康への悪影響について示す根拠をさらに加えるこのである。我々の研究は大気汚染への短期及び長期暴露は心疾患や脳卒中のリスクをを増やし心臓の既往症を悪化させることを示してきた。大気汚染の原因対策に協力して取り組む必要がある。
王立Sussex郡病院アレルギー呼吸器科教授Anthony Frew教授
この報告書は興味深いものであるが、この知見は我々がかつてより長く健康に生きるようになりその多くはこの汚染の原因である工業によるものであるという文脈で見るべきである。生きることはリスクがないわけではなく我々はいつだって目先の快適さと長期の健康についての妥協をしている。最終的には我々は改善のためにどのような変化を歓迎しそれにはどのくらい費用がかかるのかを問わなければならない。もし全員が車の利用を禁止しても救われる人数が少ないならそのようなことはおこらないだろう。
York大学国立大気科学センター大気化学教授Alastair Lewis教授
これは現在の大気汚染の健康影響についての理解を検討したもので歓迎する。
この報告書では個人や自治体ができるいくつかの助言をしている。地方に開発の責任を持たせるのは一つの解決法ではあるが道路を閉鎖するなどの政策が実際に有効かどうかについては不確実性が高い。