食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • ケンタッキー大学の研究者らが栄養と運動能力に関する「歴史的」声明作成を手伝った

University of Kentucky researcher helps draft 'historic' position paper on nutrition and athletic performance
25-Feb-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-02/uok-eat022516.php
アメリカスポーツ医学会、栄養士会、カナダ栄養士会が合同でスポーツ栄養学についての意見表明報告書を発表した。
この文書には活動的な成人やアスリートの運動前・運動時。運動後向けのカロリー、栄養、液体についての助言を含む。スポーツ栄養学の新しい展望は個人の嗜好や身体の特徴、目的とするパフォーマンスなどに応じて個別に助言を提供する。アスリート向けの機能を強化すると宣伝されている食品やサプリメントが増加しているがしばしば有効性と安全性についてのしっかりした根拠が欠けている。
意見表明報告書
Position of the Academy of Nutrition and Dietetics, Dietitians of Canada, and the American College of Sports Medicine: Nutrition and Athletic Performance
http://www.eatrightpro.org/~/media/eatrightpro%20files/practice/position%20and%20practice%20papers/position%20papers/nutritionathleticperf.ashx
(お酒も勧めないって)

  • 研究がインドの男性喫煙者が36%増加したことを発見

Study finds 36 percent increase in number of male smokers in India
26-Feb-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-02/smh-sf3022616.php
タバコが伝統的bidiにとってかわっている
BMJ Global Healthに発表された研究によると1998年から2015年の間にインドの喫煙男性数は1億800万人に1/3以上増加した。特に15-29才の、読み書きできない男性。

  • ある種の工業化学物質の発がん性

Carcinogenicity of some industrial chemicals
The Lancet Oncology
http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(16)00137-6/abstract
・N,N-ジメチルホルムアミド “おそらくヒト発がん性” (グループ2A)
動物実験で十分な根拠、ヒト精巣がんについては限られた根拠
・2-メルカプトベンゾチアゾール  group 2A
動物実験で十分な根拠、ヒト膀胱がんについては限られた根拠
ヒドラジン group 2A
動物実験で十分な根拠、ヒト肺がんについては限られた根拠
・テトラブロモビスフェノールA  group 2A
動物実験で十分な根拠、メカニズムについての強い根拠
・1-ブロモプロパン、3-クロロ-2-メチルプロペン、N,N-ジメチルトルイジンの3つは“ヒト発がん性のおそれがある”(グループ2B)、動物実験で十分な根拠。

これをうけた報道
赤ちゃんのおしゃぶりやコンドームに含まれる化合物が「おそらくがんの原因となる」
Chemical found in babies' dummies and condoms 'probably causes cancer'
28 Feb 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/12176416/Chemical-found-in-babies-dummies-and-condoms-probably-causes-cancer.html
WHOがゴム製品に広く使用されているMBT (2-メルカプトベンゾチアゾール)を発がん物質リストに加えた。専門家は一般の人々は日常製品に心配するべきではないと強調したがゴム製品工場で働く労働者はよりリスクが大きい。
IARCはウェールズの化学工場で働く労働者についての研究を検討し、MBTが膀胱がん、大腸がん、ある種の血液のがんと関連することを発見したがMBTだけが原因だと確認することはできなかった。ウェールズ研究を主導したBirmingham 大学のTom Sorahan教授は、日常製品の微量のMBTは害となる可能性はないだろう、という。「私は一般人にとってMBTが健康問題になるとは思わないがこの物質を使っている工場の労働者は保護される必要がある」という。
しかしキャンペーン団体CHEM TrustのMichael Warhurst博士は人々は心配すべきだ、という。「人々はこれについて懸念する権利があり、小売業者にこの物質が買った製品に存在するかどうか尋ねる権利がある」という。

Methamphetamine use in Australia tripled in past five years, research shows
http://www.abc.net.au/news/2016-02-29/trippling-in-methamphetamine-use-australia-five-years/7207012
全国薬物アルコール研究センターの推定によるとクリスタルメスあるいはアイスを含む違法メタンフェタミンを使用しているオーストラリア人の数は過去5年で三倍になった。Medical Journal of Australiaに発表。現在268000人が定期的使用者あるいは依存者である。5年前は約9万人だった。この数は治療を受けた人の数から他の要因を考慮して推定したもの。特に15-24才の急増が問題。