食品安全情報blog過去記事

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  • 高脂肪食は子どもの肥満リスクを上げる

Natureニュース
High-fat diets raise risk of obesity in offspring
Linda Geddes 14 March 2016
http://www.nature.com/news/high-fat-diets-raise-risk-of-obesity-in-offspring-1.19556
マウスの研究が、親の行動が「エピジェネティック」遺伝により子どもの健康に影響することを示唆する
悪い食生活の健康影響がDNAの突然変異なしに卵子精子を介して子どもに伝えられることを研究者が発見した。Nature Geneticsに発表されたマウスの研究は、生物の生涯で獲得した形質の遺伝子によらない遺伝のこれまでで最も強力な根拠の一部を提供する。またこれまでの仕事では精子が「エピジェネティック」要因を運ぶことが示唆されていたがこれは卵子で観察されたそのような影響の最初の報告である。
ドイツの環境健康研究センターの内分泌学研究者Peter Huypensらは遺伝的に同じマウスを高脂肪、低脂肪、標準餌の三種類で6週間育てた。予想通り高脂肪餌の群は太って耐糖能異常になった。それらの動物の卵子精子を採取してIVFを行い、胚を健康な代理母に移植した。これにより精子を介するのか卵子を介するのかが区別できる。その後子どもに高脂肪食を与えると、肥満の親の子どもは、特に両親が肥満の場合、体重が増えやすく耐糖能異常になりやすかった。
しかしZurich大学の神経エピジェネティクス学者Isabelle MansuyはIVFでは雌にホルモン処理を行うのでその影響が反映されている可能性があると指摘する。また子どもに普通の餌を与えた実験をしていない。エピジェネティック遺伝という考えでは、親の暴露の影響は子どもに暴露がない場合でも現れるべきである。

  • カナダの食品表示見直しには「添加された砂糖」を含めるべき

Include 'added sugars' in overhaul of Canada's food labels
14-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/cmaj-is030916.php
Canadian Medical Association Journalのコメントに、カナダの食品表示見直しには米国同様に「添加された糖」の欄を含めるべきと言う意見が掲載された。カナダは2015年6月に全ての包装済み食品に義務となっている栄養表示を約15年で初めて改訂することを提案した。提案では総糖が含まれるが添加された糖も含めるべき、とトロント大学栄養科学部のJodi Bernstein と Mary L'Abbéは書く。