食品安全情報blog過去記事

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論文

Articles focus on OTC medications, dietary supplements & complementary/alternative medicine
21-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/tjnj-afo031716.php
JAMA Internal Medicineに発表された新しい研究によると、複数の医薬品とダイエタリーサプリメントを使う高齢者が増加していて、それらを一緒に使用することで薬物相互作用のリスクが増えている。
米国の高齢者の多くが処方薬と市販薬とダイエタリーサプリメントを使用している。このことが高齢者の医薬品の有害事象や多剤併用リスクを増やしている。
イリノイ大学のDima M. Qatoらが全国を代表するデータを用いて医薬品使用の変化を解析した。2005-2006および2010-2011の62-85才の2351人を対象に自宅でのインタビューと医薬品の調査を行った。
・この間、5剤以上の処方薬の使用は30.6%から35.85に増加した
・全ての種類のサプリメントや医薬品の5剤以上の使用率は53.4%から67.1%に増加した。
OTC医薬品の使用は44.4%から37.9%に減少した
・ダイエタリーサプリメントは51.8%から63.7%に増加した。最も多く使用されていたのはマルチビタミンまたはミネラルサプリメントとカルシウムであった。
・主要薬物相互作用リスクのある高齢者は2005-2006は8.4%なのに比べて2010-2011は15.1%と増加した。例えば薬物相互作用の可能性のある予防的心血管系治療薬とサプリメントの併用が増加している。
JAMA Intern Med. Published online March 21, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2015.8581.
コメント:多剤併用−いまや数だけではなく
医薬品の監視を支援するシステムを作る必要がある。
JAMA Intern Med. Published online March 21, 2016
レター
患者は補完/代替医薬品の使用を報告しているか?
多くの患者はプライマリーケア医師に補完/代替医療の使用を報告していない。医師が尋ねず、患者は医師に否定されるのを恐れて話さない。7493人の成人を調べた結果、42.3%は報告していない。補完/代替医療のうち報告しないことが多いのはヨガ、太極拳あるいは気功、最も多く報告されているのはハーブやサプリメント、鍼。
JAMA Intern Med. Published online March 21, 2016.

  • 一部のスーパーマーケットキャットフードブランドは病気や傷害の原因となるかもしれない、報告が発見

Some supermarket cat food brands may cause illness and injury, report finds
21/03/2016
http://www.abc.net.au/lateline/content/2015/s4429328.htm
Australian Veterinary Journalに発表されたシドニー大学の研究
「完全栄養食」と表示された20のペットフードを調べ8つは栄養基準を満たさなかった。著者らがブランド名を明記していないため記者が質問している。
商品名を明かさないことは雑誌の編集者が決めた。
これか
Discrepancy between the composition of some commercial cat foods and their package labelling and suitability for meeting nutritional requirements
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/avj.12397/abstract
論文自体はオープンアクセス

  • 飲酒は健康には正味の利益はない、レビューが発見

Drinking alcohol offers no net health benefits, review finds
Mar 22, 2016
http://www.cbc.ca/news/health/alcohol-health-1.3501314
適量飲酒が健康に良いという主張は誇大広告である、とアルコールと死亡率についての87の長期研究をレビューしたカナダの研究者が言う。
これまでほどほどの飲酒は心臓や長生きに良いと言われてきた。Tim Stockwellは発表されている研究を見直した。ほどほどの飲酒とは男性で1日2杯以内女性で1杯以内、最低週に1回、と定義される。Journal of Studies of Alcohol and Drugsに火曜日に発表されたレビューでは全く飲まない群の分類を拡大した。問題は、この群にはもともと飲酒していたが健康状態が悪化したため止めた人たちが含まれることである。結論として飲酒の健康効果は疑わしい。
Jurgen Rehmによると飲まないヒトの研究は非常に難しい。彼は調査対象者が現在またはこれまで飲んでいたと答えていて、その後の質問には生涯一度も飲んだことがないと答えたことを観察している。軽い飲酒が健康に良いのか悪いのかについての関心は高いが、集団への影響は多くの要因に依存するが、少ない方が良いというのが一般原則のようである、と雑誌にコメントしている。

  • 自閉症の遺伝子は我々全てにある、新しい研究が明らかにする

Autism genes are in all of us, new research reveals
21-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uob-aga031816.php
Nature Geneticsに今週発表された国際研究チームによる研究。ASDには、遺伝性のものもde novoのもの(親にはないもの)も、遺伝子が影響することを示唆した。ほとんどのASDリスクは多数の遺伝子が関与するが(ゲノム全体に渡る小さな影響のある数千の遺伝的違い)、一部に影響の大きい希な遺伝的変異が関連し、それは通常de novo変異である。
疾患リスクに関連する多くの形質は同じようなリスク連続体である。

  • 米国成人は健康的なライフスタイル行動で落第点

US adults get failing grade in healthy lifestyle behavior
21-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/osu-uag032116.php
研究者が「健康的ライフスタイル」とする4つの基本的行動を全て達成している米国成人はたった2.7%であることがMayo Clinic Proceedingsに発表された。4つは良い食事、適度な運動、体脂肪率を推奨値に維持、タバコを吸わない。NHANESの4745人のデータを解析した結果。
タバコを吸わないのは71%、健康的食生活は38%、正常体脂肪率は10%、運動は46%。
(健康的食生活なのに肥満、というのは健康的食生活の定義が間違っているあるいは自己申告が嘘なのでは。)

  • 水銀増加?

Mercury rising?
17-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uoc--mr031716.php
19世紀のカリフォルニアの金の採鉱はこの州の経済には貢献したが環境には負の遺産を残した。金の抽出に用いられた水銀はYuba/Feather 川下流水系に残り洪水などでメチル化のプロセスが始まる。この地域の総水銀の約5%が有毒化する可能性があることがScience of the Total Environmentに発表された。