食品安全情報blog過去記事

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  • PACE:患者の反発をかい医学に疑問を提示させた研究

PACE: The research that sparked a patient rebellion and challenged medicine
by Rebecca Goldin | Mar 21, 2016
http://www.stats.org/pace-research-sparked-patient-rebellion-challenged-medicine/
2011年、研究者らが過去最大の慢性疲労症候群の治療に関する試験であるPACEが大きな成功を収めたと発表した。これは良い知らせのように見えた。世界中のニュースがこの研究の知見を報道した−Independentは「慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)になった?外に出て運動しよう、と科学者が言う」と書いた。
この知見は多くの患者にとって馬鹿げたものと捉えられた。そして彼らのこの試験の実施方法についての懸念は長らく無視されてきたが、突然David Tullerによって調査され支持された。彼の調査に反応して各地の科学者がThe Lancetの編集者にこの試験の独立した調査をするよう依頼する公開文書を送った。Lancetから3ヶ月の間何の反応もなかったのでさらに42人の署名で再度文書を公表した。その後Lancetの編集者Richard Hortonが彼らに懸念についての文書を提出するよう招待した。この研究は科学者やサイエンスライターらによって結論の妥当性について検討されている。
問題はどうしてこのようなことがおこり、批判はどう扱われたのか、である。この試験には問題があるがこの記事の目的はニュースメディアではあまり取り扱われてない複雑な問題、研究デザインについて検討することである。
PACE試験は医学研究のゴールドスタンダードであるRCTで、認知行動療法と段階的運動療法スペシャリストによる医療のみあるいは適応的順応療法より疲労を減らし運動機能を増やしたと報告した。疑問は「回復」の定義などから始まった。さらに患者のリクルートにも問題があった
(非常に長い詳細な指摘。思い通りの参加者がなかなか集まらなくてちょっと違う患者も入れたとか評価項目を最初の予定から少し変えたとか、ありそうな話。でもそれをやってはいけない
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151028#p11
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151029#p2

  • 検視官は、Caroline Lovellは助産師Gaye Demanueleが彼女を水中出産用の浴槽中で出血するままにして死亡したという

Coroner says Caroline Lovell died after midwife Gaye Demanuele let her 'bleed out' in birthing pool
March 24, 2016
http://www.smh.com.au/victoria/coroner-says-caroline-lovell-died-after-midwife-gaye-demanuele-let-her-bleed-out-in-birthing-pool-20160324-gnq3u1.html
自宅出産助産師Gaye Demanueleは2年間で3人の死亡に関与している
助産師は病院での医療介入を拒否するバイアスがあったため、女性の自宅での水中出産で出血を放置した。Caroline Lovellは死にそうになって救急車を呼んで欲しいと頼んだのにホメオパシーの「救急」レメディを与えた。
2012年のLovell氏の悲劇的死亡をレビューしたPeter White検視官は、公訴局長官にGaye Demanuele氏に対する予防できたはずの死亡における役割を告発すべきかどうか検討するよう薦めた。また自宅出産をケアしている助産師の規制を見直すこと、政府や保健当局に登録されていない健康プラクティショナーが自宅出産に立ち会ってお金をとることを禁止することを検討するよう薦めた。
(長い記事。この助産師はRadical Women(フェミニスト活動家団体)の活動家として「人道的出産」をうったえていた。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140612#p9


  • 朝食はほんとうに1日のうちで最も重要な食事なのか?

Is breakfast really the most important meal of the day?
22 March 2016
https://www.newscientist.com/article/2081573-is-breakfast-really-the-most-important-meal-of-the-day/
我々は朝食を食べると痩せる、幸せになる、活動的になるなどと聞かされてきたが神話を信じ込んでいるのだろうか?
朝食が健康に良いという話は無数にある。問題はそれらの利益が、一見合理的に見えても、多くは観察研究から推定されたもので実際に証明されたことはない、ということである、英国Bath大学の栄養代謝研究者James Bettsはいう。根拠を探し始めたところ、たくさんあると思ったら無かった。朝食を食べるかどうかは(総摂取カロリーが一緒なら)体重にはあまり関係なかった。
(購入が必要な記事)