食品安全情報blog過去記事

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論文

High serum omega-6 polyunsaturated fatty acid concentrations linked to lower risk of type 2 diabetes
24-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uoef-hso032416.php
American Journal of Clinical Nutritionに発表された東フィンランド大学の研究。42-60才の2189人の男性の血中脂肪酸1984-1989年に分析し19年フォローアップ。417人が2型糖尿病と診断された。血中オメガ6多価不飽和脂肪酸濃度の高いことはフォローアップ期間に2型糖尿病と診断されるリスクが46%低いことと関連した。個々の脂肪酸ではリノール酸とアラキドン酸の濃度はリスクの低さと、ガンマリノレン酸とジホモガンマリノレン酸濃度はリスクの高さと関連した。

  • カップルの妊娠前のカフェイン摂取が流産リスクと関連

Couples' pre-pregnancy caffeine consumption linked to miscarriage risk
24-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/nksn-cpc032416.php
妊娠前の数週間にパートナーと本人が1日2杯以上のカフェイン入り飲料を飲んでいた場合、女性の流産の可能性が高い。また妊娠最初の7週に1日2杯以上のカフェイン入り飲料を飲んでいた女性は流産する可能性が高い。一方妊娠前から妊娠初期までマルチビタミンを使用していた女性の流産は少ない。Fertility and Sterilityに発表。2005-2009年にミシガンとテキサスの501カップルの参加した生殖能力と環境についての縦断研究(LIFE)のデータを解析した結果。344の妊娠があり流産は98で女性が35才以上だとハザード比1.96。男女のカフェイン入り飲料を1日2杯以上の場合のハザード比はそれぞれ1.74と1.73。

  • 主導的世界の健康委員会が薬物政策の改革をもとめる

Leading global health commission calls for reform of drug policies worldwide
24-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/jhub-lgh032416.php
The Lancetに発表されたJohns Hopkins Bloomberg公衆衛生大学院の報告によると薬物使用へのアプローチをゼロトレランスから変更する必要がある。
(世界の、と言った場合日本が入っていないことがしばしばある。肥満と薬物政策は特に。)

  • 次世代ウジ虫創傷清拭療法にむけて:ヒト成長ホルモンを生産し分泌する遺伝子組換えLucilia sericata(ヒロズキンバエ)幼虫

Towards next generation maggot debridement therapy: transgenic Lucilia sericata larvae that produce and secrete a human growth factor
BMC Biotechnology201616:30
Published: 22 March 2016
http://bmcbiotechnol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12896-016-0263-z
治りの悪い傷のウジ虫療法にさらに強力な治癒効果を与えるという話
(ウジ虫療法はトンデモではない、ちゃんと認可されている。効果があるなら認められるということ。認められないのは効果がないから)

  • コーヒーとチョコレートの香りが好き?ヒトの移動に便乗した酵母に感謝

Scienceニュース
Like the flavor of coffee and chocolate? Thank the yeast that hitchhiked on human migration
By Lizzie WadeMar. 24, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/03/flavor-coffee-and-chocolate-thank-yeast-hitchhiked-human-migration
人類が世界に広がるとき、植物や動物だけでなく酵母も運んだ。新しい研究はこれらの微生物が今日のコーヒーとチョコレートの風味をもたらした可能性を指摘する。
Saccharomyces cerevisiaeの多様性を研究している遺伝学者Aimée Dudleyらは世界中のコーヒーとカカオ豆を買ってそれらに含まれる酵母を培養した。ゲノムを比較したところ強い地理的パターンが見られた。Current Biologyに発表された研究によるとその系統のパターンはヒトの移動パターンを正確に反映していた。