食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 全身電気刺激の安全性について疑問

Questions over safety of whole body electrical stimulation
30-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/b-qos032916.php
BMJ。筋肉に傷害をうけた事例を数人治療した医師が電気刺激装置の規制を行うべきだと主張。Nicola Maffiulettiらは最近運動の代わりになるとする全身電気刺激が増加している、と書く。安全性と有効性についての科学的根拠は限られているにも関わらず、一部の企業がフィットネスセンターなどで広く行っている。2015年8月に20才の男性がジムでフィットネス専門家の監視の元で全身電気刺激セッションを行った後、激しい筋肉痛を訴えて病院に来た。横紋筋融解症と診断されて5日間入院治療した。2016年1月にはイスラエルの保健大臣が公式にジムでの全身電気刺激を使用しないよう警告した
(こんなのかな?http://xbody-lab.jp/ ショッカー(量産型)に改造されそうだ)

  • 「コントロール幻想」が不適切な治療につながる

'Illusion of control' leads to inappropriate medical treatment use
30-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uops-oc032916.php
New England Journal of Medicineに発表された展望。
医師がその行動やツールが実際より有効であると信じていることが不必要で費用のかかる治療を続けさせる。より合理的な意志決定を進めることが必要。
(なにもしないという決断も相当難しいし医者だけの問題でもない)

  • 研究者が肥満研究の重要な科学的統計的エラーを明らかにする

Researchers uncover key scientific and statistical errors in obesity studies
30-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/w-ruk033016.php
雑誌Obesityの統計特集で肥満関連研究によくみられる科学的統計的エラーを同定し、減量についての想定に疑問を提示し介入試験には対照群を設けるように要請する。
研究のデザイン、解析、解釈、報告における10の何度も繰り返されている間違いを同定した。最も目立つ3つは集団の介入前後の差の検定についてのものと、クラスター無作為化試験の不適切なデザインまたは解析、メタ解析の計算間違い、である。
オープンアクセス
Common scientific and statistical errors in obesity research
Brandon J. George et al.,
Obesity Volume 24, Issue 4, pages 781–790, April 2016
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.21449/abstract
1) 統計的有意の間違った解釈
2)ベースラインに対する不適切な検定
3)過剰な、開示されない多重検定とP値ハッキング(有意になるまでいろんな検定をする)
4) クラスター無作為化試験におけるクラスターの取り扱い間違い
5)ノンパラメトリック検定についての誤認
6)データ欠損の間違った取り扱い
7)エフェクトサイズの間違った計算
8)平均への回帰を無視
9)確証バイアスを無視
10)統計学的情報不十分
(これちゃんとやったらかなりのものがアウト)

  • グルテンフリーヌードル革命:コシのある、アレルゲンとならないそばを求めて

Gluten-free noodle revolution: The quest for chewier, non-allergenic buckwheat
30-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/ku-gnr032816.php
京大のプレスリリース。
(そばゲノムの配列を決定したというだけの研究がどうしてこういうタイトルと絵になるのか。いつかそばをもちもちさせることができるかもしれないと言っているが別にできたわけじゃない。最大の障害はGM技術が使えないことのほうだろう。グルテンフリーって。最近の大学のプレスリリースはとにかくメディア受けしようとしていて学問への誠実さを失っている)

  • 初めて科学者が食品のナノ構造を3-Dで観察できる

For the first time scientists can observe the nano structure of food in 3-D
30-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/fos--ftf033016.php
コペンハーゲン大学食品科学部准教授Jens RisboらがFood Structureに発表した、植物油脂のクリームの構造。動画になっている

New Zealand has world's worst rate for invasive melanomas, overtaking Australia
http://www.abc.net.au/news/2016-03-30/new-zealand-has-worst-rate-invasive-melanomas-over-australia/7283676
The Journal of Investigative Dermatologyに発表された、オーストラリア、ニュージーランド、英国、ノルウェースウェーデン、米国白人の1982年から2011年の悪性黒色腫の発症率を比較した研究。オーストラリアは1982年は10万人あたり約30だったのが2005年に49でピークを迎え2011年に48になっている。ニュージーランドは2011年に50でオーストラリアを抜いた。これはオーストラリアが1980年代から行っている日光対策キャンペーンによると考えられる。