食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 新しい研究がコーヒー摂取と直腸結腸がんリスク減少を関連づける

New study links coffee consumption to decreased risk of colorectal cancer
1-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/uosc-nsl033016.php
USC Norris包括的がんセンターの研究者らが過去6ヶ月に直腸結腸がんと診断された5100人の男女とがんではない対照群4000人の男女を調べ、コーヒー摂取が直腸結腸がんリスクの低さと関連することをCancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionの2016年4月1日号に発表した。ブラックでもデカフェでもハーフカフェインでもインスタントでもいい。

Severe cyanide poisoning from an alternative medicine treatment with amygdalin and apricot kernels in a 4-year-old child.
Sauer H et al.,
Wien Med Wochenschr. 2015 May;165(9-10):185-8
転移した上衣腫の既往症がある極度に興奮した、脳障害のある、反応しない4才の少年(Glasgow Coma Scale 3)が救急車で運ばれてきた。問診の結果、静脈内及び経口でのアミグダリンを含むCAMの使用が認められチオ硫酸ナトリウムの投与で急速に回復した。血中シアン化物濃度が極めて高かった。

[Hematological and neurological compromise due to vitamin B12 deficit in infant of a vegetarian mother: case report].
Rev Chil Pediatr. 2014 Jun;85(3):337-43.
[Article in Spanish] Bravo J P, Ibarra C J, Paredes M M.
http://www.scielo.cl/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0370-41062014000300010&lng=en&nrm=iso&tlng=en
長期間菜食だった母親の12ヶ月の女の子の障害。シアノコバラミンの経腸投与で改善したが発達の遅れは残っている

When Medical News Comes from Press Releases—A Case Study of Pancreatic Cancer and Processed Meat
PLoS One. 2015; 10(6): e0127848.  Published online 2015 Jun 17.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4471125/
医学の進歩を一般に伝えるのにメディアは大きな役割を果たすが医療ジャーナリズムの正確さについてはまだ研究が少ない。British Journal of Cancerに発表された加工肉摂取と膵臓がんの弱い関連を発見したメタ解析が全部で312の報道となった事例を解析した。ニュースの85%は雑誌のプレスリリース、BBCニュース、NHS Choicesの3つのどれかを情報源としていたが情報の質はこの3つで優れている(NHS)から貧弱(プレスリリース)まで多様で、ニュースの質はそれを反映していた。British Journal of Cancerにはもとのメタ解析の方法論やメカニズムへの疑問も発表されたがそれがメディアに反映されることはほとんどない。

  • 自己流ダイエットのリスク:アマチュアボディービルダーの事例

The risks of self-made diets: the case of an amateur bodybuilder
J Int Soc Sports Nutr. 2015; 12: 16.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4407350/
16年間自己流サプリメント高プロテインダイエットをしていた33才アマチュアボディービルダーでの有害影響の報告。ビタミンA、セレン、亜鉛の耐用上限摂取量を長期間超過して永続する腹部不快症状や疲労を訴えた。

  • WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization
Volume 94, Number 4, April 2016, 233-308
http://www.who.int/bulletin/volumes/94/4/en/
ニュースとしてメキシコの炭酸飲料課税が砂糖入り飲料の売り上げを減らしたことでこれが肥満予防にも役立つかどうかが今後わかるだろう。売り上げの減少は特に低所得層で大きいため、もし効果があるなら低所得層により大きなメリットとなるはずである。ただしカロリー摂取量は減っていないという報告もあり、今後の体重への影響が注目される(もともとカロリー摂取量の推定はあまり正確ではない)。他にも砂糖税を導入する国は続いている。