食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Cold-fXのメーカーは有効性について虚偽の申し立てをして消費者を誤解させた、と裁判が言う

Cold-fX makers misstated effectiveness and misled consumers, lawsuit alleges
Apr 04, 2016
http://www.cbc.ca/news/business/cold-fx-class-action-lawsuit-1.3519345
OTC風邪薬はプラセボと変わらない、と原告は主張
バンクーバー島に住むDon Harrisonはもともと2012年にバリアントとその子会社Afexa Life Sciencesに対してCold-fXが、症状が出始めてから3日間使うと「風邪やインフルエンザにすぐ効くimmediate relief」という宣伝に対して訴えていた。HarrisonはバリアントとAfexaはナチュラルヘルス製品Cold-fXが2-6ヶ月以上毎日摂った場合にのみ影響がある可能性があるという根拠を知っていながら無責任な宣伝をし続けている、と主張する。
Cold-fXはもともとAfexaの製品でバリアントが買収した。
ヘルスカナダはこの製品に風邪やインフルエンザにすぐ効くという主張を認めたことはない
ナチュラルヘルス製品であって医薬品ではない。主成分はアメリカニンジン。バリアント関連のニュースはひどいのが多い)

  • Consumer Health Digest #16-12

http://www.ncahf.org/digest16/16-12.html
不適切な毛髪検査による莫大な賠償金
2014年に、ベンゼンや重金属に暴露されたという従業員の訴えによりブラジルの労働裁判所がEli Lillyのブラジル子会社とその後継会社に3億レアル(92億円?)の支払いを命令した。さらに裁判所は影響を受けたと主張する労働者やその子ども達に医療やその他のケアを命令し、さらに7億レアル以上かかると推定された。元従業員達が個々に同様の訴えをおこした。この裁判官の決定は、相当程度Doctor's Dataやその連携しているブラジル企業による毛髪ミネラル検査に基づくもので、Lillyはその検査結果が重金属中毒の根拠には使えないと争っている。Lillyブラジルは控訴している。Lillyはシカゴの連邦裁判所にDoctor's Dataの検査方法や労働者の検査報告書を求める訴えをおこしていてDoctor's Dataはこれに反応して「毛髪ミネラル検査を職業暴露による重金属中毒の診断に使うことは根拠が無く支持されないというLillyの主張に強く賛同する」という報告を発表している。
(さすがにDoctor's Dataも問題が大きくなりすぎて逃げたか?科学を理解しない裁判官が妙な判決をするとみんなが不幸になる)

  • カイロプラクターの誤解を招く主張はよくある

Misleading claims common among chiropractors
Mark Hanna
2016/04/01
http://honestuniverse.com/2016/04/01/misleading-claims-common-among-chiropractors/
ニュージーランドのカイロプラクターのほとんどが誤解を招く主張をしている
科学に基づいた医療学会の会長としての役割を通して、私(Mark Hanna)は広告における誤解を招く主張をたくさん見ている。多くは明らかなインチキで、「ハーモナイズドウォーター」を飲むことがが日焼け止めになるとか細菌があなたの細胞ひとつひとつから陽電子を奪う、などである。しかし誤解を招く主張の全てが明確にそれとわかるわけではない。多くはもっともらしく聞こえる可能性がある、特にあなたがその治療法についてよく知らない場合や誰か権威のある人が言う場合など。だからこそそういうもののほうが危険であると私は思う。幸いそれらを予防するきまりがあるが、苦情に基づくシステムは広告主の協力が必要である。規則が無視されるのが普通になると、我々は守られない。
2015年に我々の大学と学会と私はニュージーランドのカイロプラクターによくみられる誤解を招く主張のデータを集めた。Googleで検索した「カイロプラクターニュージーランド」の最初の30ページを系統的に探り、全ての137のクリニックのウェブサイトでのカイロでADHD、アレルギー、喘息、おねしょ、夜泣き、耳の感染が治療できると言っているかどうか記録した。またマーケティングツールとして使用されている健康証明書を探した。ASAへの苦情申し立てが支持されたものと根拠がみあたらなかったものに基づいて治療できると主張されている病態のリストを作った。その結果が本日New Zealand Medical Journalのレターとして公表された。(表。100%がなんらかの誤解を招く宣伝をしている)
残念ながら、我々は根拠のない宣伝をしているカイロプラクターが非常に多いことに驚かなかった。同様の研究は英国でも行われていて95%が根拠のない宣伝をしていた。この問題はオーストラリアでも蔓延していて、最近オーストラリアカイロプラクティック委員会が広告についての声明を発表している。
我々にはカイロプラクター専用の規則だけでなく、公正取引法や広告基準庁の服務規程などがありどちらも広告には根拠がなければならないと定めており、さらに医師法では医療の広告を禁止している。いかに現在履行されている法律が効果を発揮していないことか。
(カイロだけではない。ほぼ世界中で、補完代替医療業界は法など守らず、インチキ宣伝している。主流を否定するところから入るからそうなるのだろう)

Swiss to recognise homeopathy as legitimate medicine
Mar 29, 2016 -
http://www.swissinfo.ch/eng/complementary-therapies_swiss-to-recognise-homeopathy-as-legitimate-medicine/42053830
内務省が5つの補完医療を通常の医療と同じ地位にすると発表した
ホメオパシー、ホリスティック医学、ハーブ医薬品、鍼、中国伝統薬を2017年5月から、医療保険については通常医療と同じ扱いにする。
2005年に有効性が科学的に証明されていないという理由で却下された補完代替医療は、2009年にスイス人の2/3が支持すると言う理由で医療保険に戻された。投票の結果として6年間の試行期間と、2012年から2017年までの間に「有効性と費用対効果と適切性」を証明することが要求された。火曜日に内務省が発表した声明によると、「それらの全体性という性質から、そのような証明は不可能」という結論に達した。そこで医療保険に関しては他の医療と同等に扱うことにした。医師免許のある人が投与する限りに置いて治療費は保険支払い対象になる。しかし通常医療同様、これらの議論のある使い方に関してはさらなる精査対象となる。内務省は規制の変更についての意見募集を2016年30日まで行っている。
(日本の漢方と同じ扱いということかな。政治力では病気は治らないけど。医師免許のないプラクティショナーへの対応次第ではある。医師だけがホメオパシーを使える、って言ったら商売あがったりの人たち、いるでしょ)