食品安全情報blog過去記事

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ビタミンDの心疾患への影響は「びっくりするような」とはほど遠い

Behind the headlines
Effects of vitamin D for heart failure far from 'stunning'
Wednesday April 6 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/04April/Pages/Vitamin-D-effects-for-heart-failure-far-from-stunning.aspx
最近の研究結果についてIndependentは「ビタミンDがすばらしく'amazing'心機能を改善する」と主張しBBCニュースはこの結果は「びっくりするような」と示唆する。しかしながら問題の研究は、心疾患の人々にビタミンDサプリメントを与えたもので、運動能力が改善してはいない。心疾患は心臓が正しい圧力で人体に十分な血液を送れないことによる。心臓が止まってはいないが適切に働いていないため息切れがしたり疲れたり足首が腫れたりする。このような状態の人の多くが同時にビタミンD欠乏であるためビタミンDサプリメントが役立つかどうか調べた。229人の参加者に1年間毎日高用量ビタミンDサプリメントあるいはプラセボを与えた。ビタミンD群は左心室の機能に期待できる改善が見られたが心疾患の主症状には改善が無く歩く距離は長くならなかった。これらの状況からは心臓が「治った」とか「びっくりするような」結果と言うのは言い過ぎである。しかしまだ初期で、より大規模で長期の試験で心臓の変化が主症状を改善するかどうかわかるかもしれない。