- EUは全ての科学論文を2020年までに無料にすることを強く求める
E.U. urged to free all scientific papers by 2020
By Martin EnserinkApr. 14, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/04/eu-urged-free-all-scientific-papers-2020
オープンアクセス（OA）を促進することが優先課題に
ゴールドOA（著者が出版社にお金を払う）、グリーンOA（著者が出版された論文のコピーを公開場所に投稿する）
- 遺伝子編集CRISPRキノコは米国の規制を逃れる
natureニュース
Gene-edited CRISPR mushroom escapes US regulation
Emily Waltz 14 April 2016
http://www.nature.com/news/gene-edited-crispr-mushroom-escapes-us-regulation-1.19754
CRISPR–Cas9技術で組換えた真菌はさらなる監視がないまま栽培され販売できる
USDAはCRISPR–Cas9で遺伝子を修飾したキノコを規制しない。この長く待たれていた決定は、このキノコがUSDAの規制プロセスを経ることなく栽培、販売できることを意味する。米国政府が初めて青信号を出したCRISPR編集生物になる。
「このニュースは研究コミュニティーからは大歓迎」と中国科学アカデミー遺伝学発生生物学研究所の植物生物学者Caixia Gaoはいう。彼はこのキノコの開発には関わっていない。「もっと多くの遺伝子編集作物が規制外になるだろうことを確信している」。
ペンシルベニア州立大学の植物病理学者Yinong Yangがよくあるマッシュルームを褐色にならないように操作した。この効果は褐変をおこす酵素であるポリフェノールオキシダーゼをコードする遺伝子ファミリーを標的にすることで得られた。マッシュルームゲノムのたった10程度の塩基対を削除することで6つあるPPO遺伝子のうちの1つをノックアウトし、酵素活性を約30%減らした。
このマッシュルームは過去5年間に開発されたUSDAの規制を回避するための約30のGMOのうちの一つである。それぞれのケースで、APHISはそれら生物−主に植物−が、APHISが規制すべきものにはあてはまらないと言ってきた。（一旦USDAのレビューをパスしても、FDAの自主的レビュー対象になる可能性はある）
USDAの規制をうけないいくつかの植物はジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)や転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムを使っていた。しかしこれまで最新のツールであるCRISPR–Cas9で組換えた生物についてもUSDAが同じ判断をするかどうかは明確ではなかった。
YangはAPHISの役人に促されて2015年の10月にUSDAの規制担当者少人数に対してこの作物のことを最初に紹介した。彼らは大変関心をもった、とYangは言う。その月の後半に公式な照会文書を送付した。USDAの回答は今週あった。4月13日付の文書で「APHISはあなたが2015年10月30日の文書で説明したCRISPR/Cas9編集マッシュルームは規制対象とは考えない」という。
Yangのマッシュルームはウイルスや細菌などの「植物害虫」由来の外来遺伝子を含まないためUSDAの監視対象にはならない。1980年代から1990年代のGM植物にはそのようなベクターが必要だった。しかし新しい遺伝子編集技術は速やかに古い道具にとってかわっている。
米国は現在GMO規制のきまりを見直し中である。それまでYangは彼の組換えマッシュルームを商業利用するかどうか迷う。褐変しない野菜や果物は切った後長く色を保ち、そのことが商品の寿命を長くするので価値がある。過去18ヶ月間にバイオテック企業は遺伝子組換え褐色にならないりんごやジャガイモを市販している。Yangは学部長と話し大学が次にどうしたいのか話し合う必要がある。ただし大学は2015年9月にこの技術について暫定的特許申請をしている。
一方で特許を巡る争いで科学にダメージが、という記事
CRISPR:利益の追求が協力を妨げる
CRISPR: Pursuit of profit poisons collaboration
Jacob S. Sherkow 13 April 2016
http://www.nature.com/news/crispr-pursuit-of-profit-poisons-collaboration-1.19717
